一方いっぽうで前回ぜんかいの会合かいごうの声明せいめいで「経済けいざい活動かつどうは第だい1四半期しはんきに低下ていかしたあと、持ち直もちなおしている」としていた表現ひょうげんがなくなり、今回こんかいの声明せいめいでは「消費しょうひと生産せいさんに関にかんする指標しひょうがこのところ鈍化どんかしている」と指摘してきし、経済けいざい活動かつどう全体ぜんたいが減速げんそくしているという認識にんしきを示しめしています。

そのうえで、次回じかい9月つきの会合かいごうでも、もう一度もういちど異例いれいの大幅おおはばな利上りあげが適切てきせつだと判断はんだんする可能かのう性せいがあるという認識にんしきを示しめしました。

またアメリカ経済けいざいの現状げんじょうについては、利上りあげなどの金融きんゆう引き締ひきしめによって個人こじん消費しょうひの伸のびが大幅おおはばに鈍化どんかしているうえ、第だい1四半期しはんきに大おおきく伸のびた企業きぎょうの投資とうしも第だい2四半期しはんきには減少げんしょうするなど、経済けいざい活動かつどう全体ぜんたいが減速げんそくしているという認識にんしきを示しめしましたが、「景気けいきが後退こうたいしているとは思おもわない」と述のべました。

一方いっぽう、パウエル議長ぎちょうは、「金融きんゆう政策せいさくのスタンスがさらに引き締ひきしまるにつれて、これまで積み重つみかさねてきた政策せいさく効果こうかを見極みきわめながら利上りあげのペースを緩ゆるめることが適切てきせつになる可能かのう性せいがある」と述のべ、今後こんご、利上りあげペースを緩ゆるめる可能かのう性せいに言及げんきゅうしました。

またこれまでの会見かいけんでは、次回じかいの会合かいごうでの具体ぐたい的てきな利上りあげ幅はばの見通みとおしを示しめしていましたが、今回こんかいの会見かいけんでは消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうなどこの間このかんに発表はっぴょうされる経済けいざい指標しひょうなどをしっかりと見極みきわめていくと述のべるにとどめ、利上りあげ幅はばについては触ふれませんでした。

去年きょねん12月つき以降いこう、消費しょうひ者しゃ物価ぶっかが7％以上いじょうとなりインフレが加速かそくしたことから、FRBは3月つきの会合かいごうで0.25％の利上りあげを決きめてゼロ金利きんり政策せいさくを解除かいじょ。金融きんゆう引き締ひきしめへと転換てんかんします。利上りあげは3年ねん3か月かげつぶりでした。

さらに5月つきの会合かいごうで22年ねんぶりとなる0.5％の利上りあげと「量的りょうてき引き締ひきしめ」と呼よばれる金融きんゆう資産しさんの圧縮あっしゅくに乗り出のりだすことも決きめました。

しかし、6月つきに発表はっぴょうされた5月つきの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうは8.6％の上昇じょうしょうと、およそ40年ねん半はんぶりの記録きろく的てきな水準すいじゅんになりました。エネルギー価格かかくの高騰こうとうや、人手ひとで不足ふそくに伴ともなう賃上ちんあげの動うごきを背景はいけいに、インフレに収束しゅうそくの兆きざしは見みえませんでした。

このため6月つきの会合かいごうではおよそ27年ねん半はんぶりとなる0.75％の大幅おおはばな利上りあげを決きめました。

今月こんげつ6日にちに公表こうひょうされたこの6月つきの会合かいごうの議事ぎじ録ろくでは参加さんか者しゃたちがインフレに強つよい警戒けいかい感かんを示しめし、「経済けいざい成長せいちょうのペースを一時いちじ的てきに遅おくらせたとしてもインフレ抑制よくせいが重要じゅうようだ」という認識にんしきを確認かくにんし、「インフレ圧力あつりょくが続つづく場合ばあいはより厳きびしい政策せいさくが適切てきせつだ」とする方向ほうこう性せいを共有きょうゆうしていました。

ニューヨークで創業そうぎょうから50年ねんを超こえる老舗しにせのピザ店てんではチーズや小麦粉こむぎこなどの原材料げんざいりょうの値上ねあがりを受うけて値上ねあげに踏み切ふみきることを決きめました。先週せんしゅうからメニューの価格かかくを書き換かきかえる作業さぎょうを始はじめています。準備じゅんびが整ととのい次第しだい値上ねあげするということです。

値上ねあげ幅はばはピザによって異ことなりますが平均へいきんで10％から20％上昇じょうしょうし、このうち、この店みせの人気にんきメニューであるチーズとトマトのピザは18インチで25ドル50セントから（およそ3490円えん）29ドルに（およそ3970円えん）値上ねあげとなります。

店みせのマネージャーは「今いまはあらゆる原材料げんざいりょうが値上ねあがりしているのでピザを値上ねあげするしかない。一品いっぴん目めが値上ねあがりするというのは過去かこにもあったが、同時どうじにあらゆる物ものが値上ねあがりするというのはこれまで経験けいけんしたことがない。採算さいさんがとれなくて販売はんばいの中止ちゅうしを余儀よぎなくされた商品しょうひんもある」と話はなしています。

また、店みせの客きゃくからは「値上ねあげになるのは残念ざんねんです。これほど急激きゅうげきな物価ぶっか上昇じょうしょうは経験けいけんしたことがありません。スーパーに行いってもあらゆる物ものが値上ねあがりしているように見みえます。昼食ちゅうしょくも買かいに行いく代かわりに家いえから持もって行いくなどして節約せつやくしています」といった声こえが聞きかれました。

東部とうぶニュージャージー州しゅうでスニーカーなどの靴くつやスポーツウエアを販売はんばいするスポーツ用品ようひん店てんでは、ことしに入はいってすべての商品しょうひんが10％から15％程度ていど、値上ねあがりしたということです。中なかには販売はんばい価格かかくが90ドルから130ドルに値上ねあがりしたスニーカーや、45ドルから60ドルに値上ねあがりしたTシャツてぃ-しゃつもあるということです。

店みせによりますとことしに入はいってからは来店らいてん客数きゃくすうはおよそ半分はんぶんに減へり、売り上うりあげが落ち込おちこみ始はじめているということです。

店みせのマネージャーは「1つのブランドだけでなくすべてのブランドが値上ねあげをしていて多おおくの人ひとたちの懐ふところに影響えいきょうしています。私わたしたちも大おおきな影響えいきょうを受うけていてこの店みせで働はたらいてもうすぐ10年ねんになりますがことしは最悪さいあくの年としです」と話はなしていました。

店みせの利用りよう客きゃくは「靴くつの値段ねだんの値上ねあがりには気付きづいています。以前いぜんは90ドルだった靴くつが今いまは110ドルになり、一気いっきに値上ねあがりしていて、予算よさんを超こえる靴くつを買かうかどうかよく考かんがえなくてはならなくなっている」と話はなしていました。

ニューヨークのガソリンスタンドでは7月つき23日にちの時点じてんで、レギュラーガソリンの価格かかくが1ガロンあたり（＝3.78リットル）4ドル59セントでした。

ことし2月つき下旬げじゅんのロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうの前まえには、1ガロンあたり3ドル前後ぜんごの水準すいじゅんで推移すいいしていましたが、4月つきに4ドルを超こえ、5月つきには5ドルを超こえたということです。

アメリカのエネルギー情報じょうほう局きょくによりますと全米ぜんべいのレギュラーガソリンの平均へいきん価格かかくは去年きょねん5月つきまでは1ガロンあたり2ドル台だい、その後そのご、3ドル台だいで推移すいいしてきましたが、ことし3月つき初旬しょじゅんに4ドル台だいに、そして6月つき中旬ちゅうじゅんに5ドルを超こえて最さい高値たかねを更新こうしんしました。1年ねん前まえと比くらべた上昇じょうしょう率りつは60％を超こえました。

6月つき下旬げじゅんから7月つきにかけてガソリン価格かかくは下落げらくに転てんじ、このガソリンスタンドでも先週せんしゅう、1ガロンあたり5ドルを下回したまわりましたが、依然いぜんとして高こう止とまりしています。

訪おとずれた利用りよう客きゃくからは「45ドルを払はらって給油きゅうゆできるのはタンクの半分はんぶんの量りょうで、価格かかくが高たかすぎます」といった声こえや、「弟おとうとに会あうため月つきに2回かい、車くるまを3時間じかん、運転うんてんしてペンシルベニア州しゅうに行いっていたのですが月つきに1回かいに減へらしました」といった声こえが聞きかれました。