【詳しく】オミクロン株の一種「BA.2.75」増加の懸念は？ - Easy News

新型しんがたコロナウイルスのオミクロン株かぶの一種いっしゅ「BA.2.75」（ビーエー・ツー・セブンファイブ）がインドを中心ちゅうしんに増ふえています。世界せかいの多おおくの地域ちいきでは日本にっぽんでもほぼ置き換おきかわったオミクロン株かぶの「BA.5」が主流しゅりゅうで、「BA.2.75」の感染かんせん力りょくや感染かんせんした場合ばあいに重症じゅうしょう化かしやすいかなどははっきり分わかっていませんが、専門せんもん家かは「国内こくないでも、いまの流行りゅうこうが収おさまったあとで増加ぞうかする可能かのう性せいは懸念けねんされる」と話はなしています。

「BA.2.75」は、国内こくないで6月つきまで感染かんせんの中心ちゅうしんとなっていたオミクロン株かぶの「BA.2」系統けいとうの変異へんいウイルスです。

WHO＝世界せかい保健ほけん機関きかんによりますと、ことし5月つきにインドで初はじめて報告ほうこくされ、ECDC＝ヨーロッパ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターの今月こんげつ23日にちの報告ほうこくによりますと、いまでは21か国かこくで見みつかっているということです。

国内こくないでも東京とうきょう都とや神戸こうべ市しなどで確認かくにんされています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょによりますと、「BA.2」に比くらべてスパイクたんぱく質たんぱくしつに数すうか所かしょの変異へんいが加くわわっていて、このうち、例たとえば「G446S」という変異へんいは、オミクロン株かぶの「BA.1」と共通きょうつうしていて、ワクチンの接種せっしゅで得えられた中和ちゅうわ抗体こうたいを逃避とうひする可能かのう性せいもあるということです。

インドでは、ことし5月つきの時点じてんでは感染かんせん者しゃ数すうや死亡しぼう者しゃ数すうが低ひくい水準すいじゅんで推移すいいしていましたが、その後そのご、増加ぞうか傾向けいこうに転てんじていて、「BA.2.75」の拡大かくだいが影響えいきょうしている可能かのう性せいも指摘してきされています。

ただ、インド以外いがいの多おおくの地域ちいきでは、日本にっぽんでもほぼすべてを占しめるに至いたった「BA.5」が主流しゅりゅうの状態じょうたいが続つづいています。

ECDCは「BA.2.75」を「注目ちゅうもくすべき変異へんい株かぶ＝VOI」に位置いちづけていますが、今月こんげつ15日にちの報告ほうこくでは、感染かんせん力りょくや免疫めんえきへの影響えいきょう、感染かんせんした場合ばあいの重症じゅうしょう度どはまだ分わかっていないとしています。

東京とうきょう大学だいがく医科いか学がく研究所けんきゅうじょの佐藤さとう佳けい教授きょうじゅが主宰しゅさいする研究けんきゅうグループ「G2P-Japan」は、「BA.2.75」の表面ひょうめんにある突起とっきの部分ぶぶん、スパイクたんぱく質たんぱくしつを再現さいげんしたウイルスを人工じんこう的てきに作成さくせいし、治療ちりょう薬やくの成分せいぶんが効きくかどうか調しらべました。

査読さどくを受うける前まえの論文ろんぶんとしてインターネットで発表はっぴょうした細胞さいぼうを使つかった実験じっけん結果けっかによりますと、国内こくないで承認しょうにんされている治療ちりょう薬やくでは重症じゅうしょう化かリスクのある人ひとに点滴てんてきで投与とうよされる抗体こうたい医薬いやくのうち▼「ソトロビマブ」の成分せいぶんはウイルスの働はたらきを抑おさえていた一方いっぽう、▼2種類しゅるいの抗体こうたいを同時どうじに点滴てんてきで投与とうよする抗体こうたいカクテル療法りょうほう、「ロナプリーブ」の成分せいぶんでは、ウイルスの働はたらきを抑おさえられなかったということです。

京都大きょうとだい学がく西浦にしうら博ひろし教授きょうじゅ「広ひろがりやすい可能かのう性せいありそう」

インドでは、ことし5月つきの時点じてんで感染かんせん者しゃ数すうや死亡しぼう者しゃ数すうが低ひくい水準すいじゅんで推移すいいしていましたが、その後そのご、増加ぞうか傾向けいこうに転てんじていて「BA.2.75」の拡大かくだいが影響えいきょうしている可能かのう性せいも指摘してきされています。

京都大きょうとだい学がくの西浦にしうら博ひろし教授きょうじゅは27日にちの厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのあとの会見かいけんで「BA.2.75」について「流行りゅうこう地域ちいきが限かぎられるため十じゅう分ふんに分析ぶんせきできていないが、インドでの感染かんせん状況じょうきょうを見みるとこれまでより広ひろがりやすい可能かのう性せいはありそうだ」とコメントしました。

東京とうきょう都とのスクリーニング検査けんさでは「BA.2.75」に感染かんせんした人ひとが21日にちに初はじめて2人にん、確認かくにんされましたが、西浦にしうら教授きょうじゅは、この時点じてんですでに都内とないに10数すう人にんの感染かんせん者しゃがいた可能かのう性せいがあるという試算しさんを示しめした上うえで、今後こんご「BA.2.75」がさらに増ふえた場合ばあいの影響えいきょうについて「『第だい7波は』がピークを越こえたあとに再ふたたび上昇じょうしょうしたり、流行りゅうこうが長引ながびいて医療いりょうがひっ迫ひっぱくしたりすることが想定そうていされる」とコメントしました。

そして国内こくないで「BA.2.75」が広ひろがった場合ばあいに備そなえ感染かんせんの状況じょうきょうを正ただしく把握はあくできる態勢たいせいを作つくった上うえで、重症じゅうしょう化かのリスクやワクチンの効果こうかについての情報じょうほうを世界せかいに発信はっしんすることも求もとめられるという考かんがえを示しめしました。

東京とうきょう医科いか大学だいがく濱田はまだ篤郎とくろう特とく任にん教授きょうじゅ「感染かんせん力りょくが強つよい可能かのう性せい」

海外かいがいの感染かんせん症しょうに詳くわしい東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ篤郎とくろう特とく任にん教授きょうじゅも「『BA.2.75』は実態じったいがまだ十分じゅうぶん明あきらかになっていないが、感染かんせん力りょくがいままでの『BA.2』や『BA.5』よりも強つよい可能かのう性せいはある程度あるていど想定そうていされる。国内こくないでもいまの『BA.5』の流行りゅうこうが収おさまったあとで増加ぞうかする可能かのう性せいは懸念けねんされる」と述のべました。

一方いっぽう、ツイッターなどでギリシャ神話しんわに出でてくる上うえ半身はんしんは人ひと、下半身かはんしんは馬うまの怪物かいぶつ、「ケンタウロス」という呼よび方かたがされていることについて「『BA.2.75』が『BA.2』と『BA.5』の両方りょうほうの特徴とくちょうを持もっているので、このような呼よび方かたをされているようだが、正式せいしきに決きまった名前なまえではない」と指摘してきしました。