旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほう 国くにに賠償ばいしょう命令めいれい 今後こんご求もとめられる補償ほしょうの仕組しくみづくり

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうのもとで、障害しょうがいなどを理由りゆうに不妊ふにん手術しゅじゅつを強制きょうせいされた人ひとたちが国くにを訴うったえた裁判さいばんで、最高さいこう裁判所さいばんしょ大だい法廷ほうていは3日にち、「旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうは憲法けんぽうに違反いはんしていた」として、国くにに賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつを言い渡いいわたしました。

最高裁さいこうさいは、国くにに対にたいし「特定とくていの障害しょうがいがある人ひとを差別さべつし、重大じゅうだいな犠牲ぎせいを求もとめる施策しさくを積極せっきょく的てきに実施じっししていた。責任せきにんは極きわめて重大じゅうだいだ」と指摘してきしました。

また、「旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうの規定きていは、国民こくみんの権利けんりを侵害しんがいするもので、国会こっかい議員ぎいんの立法りっぽう行為こういは違法いほうだった。規定きていがなくなったあとは、国会こっかいで適切てきせつ、速すみやかに補償ほしょうの措置そちを講こうじることが強つよく期待きたいされたが、一時いちじ金きん320万まん円えんを支給しきゅうするのにとどまった」とし、補償ほしょうしてこなかった政府せいふと国会こっかいの対応たいおうを厳きびしく非難ひなんしました。

全国ぜんこくで起おこされている裁判さいばんの原告げんこく39人にんのうち、6人にんが亡なくなるなど被害ひがい者しゃが高齢こうれいとなるなか、今後こんごは、全面ぜんめん的てきな補償ほしょうを速すみやかに行おこなうための仕組しくみづくりが求もとめられます。

岸田きしだ首相しゅしょう 新あらたな補償ほしょうを行おこなうしくみの検討けんとうを急いそぐ方針ほうしん

旧きゅう優生ゆうせい保護ほご法ほうについて、最高さいこう裁判所さいばんしょが憲法けんぽう違反いはんと指摘してきして国くにに賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつを言い渡いいわたしたことを受うけ、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「判決はんけつを重おもく受け止うけとめる。多おおくの方々かたがたが心身しんしんに多大ただいな苦痛くつうを受うけてきた。政府せいふとしても真摯しんし（しんし）に反省はんせいし、心こころから深ふかくおわびを申し上もうしあげる」と述のべました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは今月こんげつ中ちゅうにも、原告げんこくらと面会めんかいして直接ちょくせつ、伝つたえるとともに、政府せいふとして判決はんけつに基もとづいた賠償ばいしょうの手続てつづきを速すみやかに進すすめることにしています。

また、被害ひがい者しゃが受うけた苦痛くつうや高齢こうれい化かが進すすむ現状げんじょうを踏ふまえれば、問題もんだいの解決かいけつは先送さきおくりできないとして、2019年ねんに成立せいりつした法律ほうりつに基もとづいて一律いちりつで支給しきゅうしている320万まん円えんの一いち時じ金きんに加くわえ、新あらたな補償ほしょうを行おこなうしくみの検討けんとうを急いそぐ方針ほうしんです。

今後こんごの検討けんとうでは、補償ほしょうの対象たいしょう範囲はんいや金額きんがくなど具体ぐたい的てきな制度せいど設計せっけいが焦点しょうてんとなる見通みとおしで、政府せいふとしては、この問題もんだいに取り組とりくんできている超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいとも調整ちょうせいしながら、できるだけ早期そうきに結論けつろんを得えたい考かんがえです。