グーグル、温室効果おんしつこうかガス排出量はいしゅつりょうが急増きゅうぞう　ＡＩ増強ぞうきょうの問題点もんだいてんが浮うき彫ぼりに

米べいＩＴ大手おおてグーグルは２日ふつか、２０２４年版ねんばんの環境かんきょうに関かんする年間報告書ねんかんほうこくしょを発表はっぴょうした。この報告書ほうこくしょによると、同社どうしゃの温室効果おんしつこうかガス排出量はいしゅつりょうは２０１９年以降ねんいこう４８％増加ぞうかしている。同社どうしゃはこの急増きゅうぞうの主おもな理由りゆうとして「データセンターのエネルギー消費しょうひとサプライチェーン（供給網きょうきゅうもう）の排出量はいしゅつりょうの増加ぞうか」を挙あげている。

グーグルが主力製品しゅりょくせいひんに人工知能じんこうちのう（ＡＩ）の組くみ込こみを急いそぐなか、ＡＩシステムを稼働かどうさせる大量たいりょうの強力きょうりょくなコンピューティング機器ききがひしめくデータセンターでは、データを処理しょりし、それらのコンピューターが発はっする熱ねつを管理かんりするために大量たいりょうのエネルギーを消費しょうひしている。

グーグルは３０年ねんまでに温室効果おんしつこうかガス排出量はいしゅつりょうを実質じっしつゼロにする「ネットゼロ」を達成たっせいするという同社どうしゃの目標もくひょうを「極きわめて野心的やしんてき」と呼よぶ。この公約こうやくはＡＩの影響えいきょうを受うけるものの、「ＡＩが未来みらいの環境かんきょうに与あたえる影響えいきょうは不透明ふとうめいで、複雑ふくざつかつ予測よそくが難むずかしい」と述のべている。

国際こくさいエネルギー機関きかん（ＩＥＡ）の推定すいていによると、グーグル検索けんさくのクエリーは平均へいきん０．３ワット時じ、ＣｈａｔＧＰＴ（チャットＧＰＴ）のリクエストは通常約つうじょうやく２．９ワット時じの電力でんりょくを消費しょうひする。昨年さくねん１０月がつに発表はっぴょうされた研究けんきゅうによれば、「最悪さいあくのシナリオ」ではグーグルのＡＩシステムの年間電力消費量ねんかんでんりょくしょうひりょうはアイルランド一国いちこくの消費量しょうひりょうと同等どうとうになる可能性かのうせいがあるという（現在げんざいのハードウェアとソフトウェアにＡＩが全面的ぜんめんてきに導入どうにゅうされると仮定かていした場合ばあい）。

同社どうしゃのデータセンターの電力消費でんりょくしょうひは現在げんざい、カーボンフリー電源でんげんを導入どうにゅうする速度そくどを上回うわまわるペースで増加ぞうかしているという。

データセンターで冷却れいきゃくに使つかわれる大量たいりょうの水みずも持続可能性じぞくかのうせいを実現じつげんするうえでの課題かだいとなっている。グーグルは３０年ねんまでにオフィスとデータセンターで消費しょうひする水みずの１２０％を補給ほきゅうすることを目指めざしていると述のべている。ただし、一昨年いっさくねんの６％からは大幅おおはばに増加ぞうかしたものの、昨年さくねんの補給量ほきゅうりょうはわずか１８％に過すぎない。