ナポレオン自殺未遂じさつみすいの拳銃けんじゅう2丁ちょう、2.9億円おくえんで落札らくさつ 仏政府ふつせいふは国宝こくほうに指定してい

フランス皇帝こうていナポレオン・ボナパルト（Napoleon Bonaparte）が自殺じさつを試ここのみた際さいに使用しようした拳銃けんじゅう2丁ちょうが7日なのか、仏ふつフォンテーヌブロー（Fontainebleau）で競売きょうばいにかけられ、169万まんユーロ（約やく2億おく9000万円まんえん）で落札らくさつされた。政府せいふは国宝こくほうに指定していし、国外流出こくがいりゅうしゅつを阻止そししたい考かんがえだ。

　競売きょうばいを主催しゅさいした競売会社きょうばいがいしゃオズナ（Osenat）は落札者らくさつしゃの身元みもとを公表こうひょうしていない。落札予想価格らくさつよそうかかくは最高さいこうで150万まんユーロ（約やく2億おく6000万円まんえん）だった。

　競売きょうばいに先立さきだち、仏文化省ふつぶんかしょうの担当機関たんとうきかんがこの拳銃けんじゅうを国宝こくほうに指定していし、国外こくがいへの売却ばいきゃくを禁きんじる措置そちを決定けっていしたことが6日付むいかづけの官報かんぽうで明あきらかになった。

　政府せいふは輸出禁止証明書ゆしゅつきんししょうめいしょの発行はっこうにより、新あらたな所有者しょゆうしゃに対たいして2年半以内ねんはんいないに買かい取とりを申もうし出でることが可能かのうとなる。ただし、所有者しょゆうしゃは拒否きょひすることもできる。

　国宝こくほうに指定していされた文化財ぶんかざいの国外持こくがいもち出だしは短期間たんきかんしか認みとめられておらず、返還へんかんが義務付ぎむづけられる。

　オズナ側がわがAFPに説明せつめいしたところによると、今回落札こんかいらくさつされた拳銃けんじゅうは、1814年ねんにナポレオン軍ぐんが対仏同盟軍たいふつどうめいぐんに敗やぶれてパリが陥落かんらくした際さい、絶望ぜつぼうしたナポレオンが自殺じさつを図はかろうとした時ときに使つかったもの。従者じゅうしゃが火薬かやくを抜ぬいていたため不発ふはつに終おわり、代かわりにナポレオンは服毒ふくどくしたものの、嘔吐おうと（おうと）して一命いちめいを取とり留とめた。忠誠ちゅうせいを示しめした従者じゅうしゃに対たいし、後あとに感謝かんしゃの気持きもちでこの拳銃けんじゅうを贈おくったという。