観光客かんこうきゃくに水鉄砲みずでっぽうも　バルセロナ住民じゅうみん、オーバーツーリズムに抗議こうぎデモ

スペインのバルセロナで、押おし寄よせる観光客かんこうきゃくに対たいして住民じゅうみんが抗議運動こうぎうんどうを展開てんかいし、水鉄砲みずでっぽうで水みずを浴あびせるなどの行動こうどうを行おこなった。

デモ参加者さんかしゃは６日むいか、「観光客かんこうきゃくは帰かえれ」と叫さけびながら市内しないの主要観光しゅようかんこうスポットをデモ行進こうしん。観光客かんこうきゃくに水鉄砲みずでっぽうを向むけたり、「バルセロナは売うり物ものじゃない」と書かかれた横断幕おうだんまくを掲かかげたりする参加者さんかしゃもいた。

今回こんかいのデモには数千人すうせんにんが参加さんかした。スペインではカナリア諸島しょとうやマヨルカ島とうでも、生活費せいかつひの上昇じょうしょうや生活せいかつの質しつの低下ていかを嘆なげく地元住民じもとじゅうみんが同様どうようの抗議こうぎデモを展開てんかいしていた。

公式統計こうしきとうけいによると、２０２３年ねんにバルセロナに宿泊しゅくはくした観光客かんこうきゃくは約やく２６００万人まんにん、支出額ししゅつがくは１２７億おく５０００万まんユーロ（約やく２兆ちょう２２００億円おくえん）だった。

しかし一連いちれんのデモを組織そしきしている団体だんたいは、観光客かんこうきゃくが増ふえすぎた影響えいきょうで物価ぶっかが上昇じょうしょうして公共こうきょうサービスが圧迫あっぱくされ、観光収入かんこうしゅうにゅうの偏かたよりが社会的格差しゃかいてきかくさを増大ぞうだいさせていると訴うったえる。

同団体どうだんたいは観光客かんこうきゃくを減へらす目的もくてきで１３項目こうもくの提案ていあんを公表こうひょう。クルーズ船せんのターミナル閉鎖へいさ、宿泊施設しゅくはくしせつに対たいする規制強化きせいきょうか、観光宣伝かんこうせんでんへの公費支出打こうひししゅつうち切きりなどを求もとめている。

バルセロナのジャウマ・コルボニ市長しちょうは６日むいか、観光税かんこうぜいを１泊ぱくあたり４ユーロに引ひき上あげることや、クルーズ船せんの乗客じょうきゃくの人数にんずうを制限せいげんすることなど、自身じしんが打うち出だした対策たいさくを強調きょうちょうした。

市長しちょうは６月末がつまつにも、１万以上まんいじょうの賃貸物件ちんたいぶっけんについて短期賃貸たんきちんたいの免許めんきょを取とり消けし、２０２８年ねんまでに観光客向かんこうきゃくむけの賃貸ちんたいを廃止はいしする計画けいかくを発表はっぴょうしている。

バルセロナでは過去かこ１０年ねんで家賃やちんが６８％、住宅価格じゅうたくかかくは３８％、それぞれ上昇じょうしょうしているという。

一方いっぽうで同市長どうしちょうは、ルイ・ヴィトンのショーやセーリングのアメリカズカップといったイベント開催かいさいを許可きょかしたことで、批判ひはんの的てきになっていた。