離婚りこん後ごの「共同きょうどう親権しんけん」導入どうにゅう 改正かいせい民法みんぽうなどが成立せいりつ

改正かいせい民法みんぽうなどは、離婚りこん後ごに父ちちと母ははのどちらか一方いっぽうが子こどもの親権しんけんを持もつ、今いまの「単独たんどく親権しんけん」に加くわえ、父ちちと母はは、双方そうほうに親権しんけんを認みとめる「共同きょうどう親権しんけん」を導入どうにゅうするとしています。

父母ちちははの協議きょうぎによって共同きょうどう親権しんけんか単独たんどく親権しんけんかを決きめ、合意ごういできない場合ばあいは家庭かてい裁判所さいばんしょが判断はんだんし、DV＝ドメスティック・バイオレンスや、子こどもへの虐待ぎゃくたいがあると認みとめた場合ばあいは単独たんどく親権しんけんとなります。

改正かいせい法ほうの付則ふそくには、共同きょうどう親権しんけんを選えらぶ際さいに父母ちちはは双方そうほうの真意しんいによるものか、確認かくにんする措置そちを検討けんとうすることなどが盛り込もりこまれています。

改正かいせい法ほうは17日にちの参議院さんぎいん本ほん会議かいぎで採決さいけつが行おこなわれ、自民じみん・公明こうめい両りょう党とうや立憲りっけん民主党みんしゅとう、日本にっぽん維新いしんの会かい、国民こくみん民主党みんしゅとう、教育きょういく無償むしょう化かを実現じつげんする会かいなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・成立せいりつしました。

共産党きょうさんとうや、れいわ新選しんせん組ぐみなどは反対はんたいしました。

これに先立さきだち討論とうろんが行おこなわれ、採決さいけつで反対はんたいした共産きょうさん党とうの山添やまぞえ拓たく氏しは「最大さいだいの問題もんだいは、離婚りこんする父母ちちははの合意ごういがなくても裁判所さいばんしょが共同きょうどう親権しんけんを定さだめうる点てんだ。審議しんぎでは、与党よとうも含ふくめ多おおくの議員ぎいんから弊害へいがいを懸念けねんする発言はつげんが相次あいついだ。国民こくみん的てきな合意ごういなく押し切おしきることは断だんじて許ゆるされない」と述のべました。

また、採決さいけつで賛成さんせいした立憲りっけん民主みんしゅ党とうの牧山まきやまひろえ氏しは「法案ほうあんの内容ないようや審議しんぎの進め方すすめかたには大おおきな問題もんだいがある。子こどもたちの笑顔えがおを守まもるため、柔軟じゅうなん性せいを保たもちつつ改善かいぜんの意欲いよくを持もって関かかわり続つづけることが責務せきむだ」と述のべました。

改正かいせい法ほうは、2年ねん後ごの2026年ねんまでに施行しこうされます。

離婚りこん後ごの親権しんけんのあり方ありかたが見直みなおされるのは、1947年ねんに、原則げんそく、父親ちちおやのみから、父母ちちははのどちらか一方いっぽうが親権しんけんを持もつと改正かいせいされて以来いらい、77年ねんぶりです。

国くには制度せいどの運用うんように向むけて、関係かんけいする府ふ省庁しょうちょうの連絡れんらく会議かいぎを設もうけ、具体ぐたい的てきな体制たいせい整備せいびなどを検討けんとうしていくことにしています。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「子この利益りえき確保かくほにつながるもの」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「父母ちちははが離婚りこん後ごも適切てきせつな形かたちで子この養育よういくに関かかわり、責任せきにんを果はたすことは重要じゅうようで、改正かいせい法ほうは離婚りこんに直面ちょくめんする子この利益りえきの確保かくほにつながるものだ。父母ちちははの双方そうほうを親権しんけん者しゃとすると子この利益りえきを害がいすると認みとめられる時ときは、裁判所さいばんしょが必かならず単独たんどく親権しんけんと定さだめなければならないとするなど、DVなどにも配慮はいりょしたものとなっており、今後こんご、国民こくみんに不安ふあんが広ひろがることなく内容ないようが正ただしく理解りかいされるよう丁寧ていねいに周知しゅうちしていく」と述のべました。