トヨタは17日、神戸市で開幕したパラ陸上の世界選手権の会場で、「NEO Steer」という新たな運転システムを公開しました。
通常の車のような足元のペダルがなく、アクセルとブレーキの操作をハンドルの左右に取り付けられたレバーで行います。
両手でハンドルを握った状態で、右手の親指でレバーを押すと車が発進・加速し、左手の指でハンドルの裏側のレバーを引くと減速する仕組みです。
また、ハンドルは電気信号で制御され、交差点などを曲がる際も手を離して持ち替える必要はありません。
足に障害がある人の運転をサポートできるほか、一般のドライバーでも、運転姿勢の自由度が高まるメリットがあるとしています。
システムは、まだ試作段階だということで、トヨタでは開発を継続し、実用化を目指す考えです。
開発チームに参加しているパラアルペンスキーの森井大輝選手は「いまは車を改造してもらって、初めて車いすユーザーが運転できるので、ハンドル操作だけで運転が完結することに感動しました。この技術で多くの人が移動の自由を手に入れられることを期待しています」と話していました。
また、技術リーダーの三住龍太郎さんは「直感的に操作できて、運転姿勢や運転中に履く靴を自由に変えられるという新しい気付きもあった。将来、いろいろな人の生活に合わせた車として貢献できるよう開発を進めたい」と話していました。