【動画どうが】大だい相撲すもう夏場なつば所しょ 大だいの里さとが初はつ優勝ゆうしょう 初はつ土俵どひょうから7場所ばしょ目めで

夏場なつば所しょは14日にち目めを終おえ、3敗はいで大だいの里さとがトップに立たち、星ほしの差さ1つの4敗はいで琴きん櫻さくら、豊昇ほうしょう龍りゅうの大関おおぜき2人にんと、関脇せきわけ・阿おもね炎ほのお、前頭まえがしら筆頭ひっとうの大栄おおえ翔しょうの4人にんが追おっていました。

千秋楽せんしゅうらくの26日にち、大だいの里さとは関脇せきわけ・阿おもね炎ほのおと対戦たいせんし、相手あいての得意とくいな突つき押おしにもひるまず前まえに出でて「押し出おしだし」で勝かち、12勝しょう3敗はいとして初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

大だいの里さとは今こん場所ばしょからちょんまげを結ゆったばかりで、先さき場所ばしょ、新しん入幕にゅうまく優勝ゆうしょうを果はたした尊みこと富士ふじに続つづいて大だいいちょうを結ゆわえない力士りきしの優勝ゆうしょうとなり、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいでは初はじめてのことだとしています。

幕下まくした付け出つけだしでデビューした力士りきしのうち初はつ土俵どひょうからの優勝ゆうしょうがこれまで最もっとも早はやかったのは元もと横綱よこづな・輪島わじまの15場所ばしょ目めで7場所ばしょ目めの大だいの里さとは大幅おおはばに記録きろくを更新こうしんしました。

また、初はつ土俵どひょうから7場所ばしょ目めでの初はつ優勝ゆうしょうは優勝ゆうしょう制度せいどができた明治めいじ42年ねん以降いこう、尊みこと富士ふじの10場所ばしょ目めを抜ぬいて、最もっとも早はやい記録きろくとなりました。

大だいの里さとは新しん三さん役やくとして臨のぞんだ今こん場所ばしょ、立ち合たちあいでの力強ちからづよい当あたりと、右みぎを差さしてからの一気いっきの攻せめを持ち味もちあじに初日しょにちに横綱よこづな・照あきらノ富士ふじを破やぶると大関おおぜき・琴きん櫻さくらや霧島きりしまにも勝かつなど白星しろぼしを重かさねました。

そして、10日にち目めに平幕ひらまくの豪ごうノ山やまに勝かって勝ち越かちこしを決きめると14日にち目めには3場所ばしょ連続れんぞくとなる11勝しょう目めを挙あげて、単独たんどくトップに立たちました。

今こん場所ばしょは横綱よこづな・照あきらノ富士ふじや、貴き景勝けいしょう、霧島きりしまの2人にんの大関おおぜきなど三さん役やく以上いじょうの力士りきしの休場きゅうじょうが相次あいついだ中なか、将来しょうらいの横綱よこづなとも期待きたいされる23歳さいがその実力じつりょくを示しめしました。

大だいの里さと「最高さいこうの結果けっか」

優勝ゆうしょうした大だいの里さとは目めに涙なみだを浮うかべながら支度したく部屋へやに戻もどり「優勝ゆうしょうしたんだなと実感じっかんが沸わいた。優勝ゆうしょうはずっと意識いしきしていた。15日間にちかんは長ながかったが、最高さいこうの結果けっかで終おわれてよかった」と喜よろこびを語かたりました。

また25日にち、師匠ししょうで元もと横綱よこづな・稀まれ勢ぜいの里さとの二に所しょノ関せき親方おやかたから「これが終おわりじゃないぞ」と声こえをかけられていたことを明あかし、「そのことばを聞きいて気持きもちが楽らくになった。この一番いちばんに集中しゅうちゅうすることができた」と話はなしました。

そして「親方おやかたの言いうことを守まもって、稽古けいこに精進しょうじんして上うえへ上うえへと頑張がんばりたい」と次つぎの目標もくひょうを見据みすえていました。

また、優勝ゆうしょうインタビューでは「初はつ場所ばしょと春場所はるばしょで惜おしいところまでいったが、優勝ゆうしょうできなかった。初はつ場所ばしょから幕内まくうちでの優勝ゆうしょうが夢ゆめから目標もくひょうに変かわり、その目標もくひょうを達成たっせいできてうれしい」と喜よろこびを語かたりました。

優勝ゆうしょうを決きめたあと、土俵どひょう下かで待まっているときの心境しんきょうについては「きのう親方おやかたからは優勝ゆうしょうしても喜よろこぶなと言いわれたので、冷静れいせいにということを意識いしきしていた」と話はなしていました。

また「去年きょねん、夏場なつば所しょでデビューして1年ねん後ごに幕内まくうちで優勝ゆうしょうすることは想像そうぞうしていなかったのでうれしい」と率直そっちょくな思おもいを述のべました。

そして、ことし1月つきに能登のと半島はんとう地震じしんで被災ひさいした地元じもとの石川いしかわ県けんに向むけては「優勝ゆうしょうする姿すがたを石川いしかわ県けんの方ほうに見みせられてうれしい」と述のべ最後さいごに「強つよいお相撲すもうさんになっていきたい」と力強ちからづよく話はなしました。

大だいの里さととは

大だいの里さとは石川いしかわ県けん津幡つばた町まち出身しゅっしんの23歳さい。

身長しんちょう1メートル92センチ、体重たいじゅう181キロの恵めぐまれた体からだを生いかした圧力あつりょくをかけた押おし相撲すもうが持ち味もちあじです。

相撲すもうの強豪きょうごう、日体大にったいだい時代じだいに2年ねん連続れんぞくで「アマチュア横綱よこづな」に輝かがやき、大学だいがく卒業そつぎょう後ごの去年きょねん5月つきの夏場なつば所しょで幕下まくした10枚まい目め格付かくづけ出だしとして初はつ土俵どひょうを踏ふみました。

その後そのご、去年きょねんの秋場所あきばしょで新しん十じゅう両りょうへの昇進しょうしんを果はたすと、力強ちからづよい立ち合たちあいから大おおきな体からだを生いかした押おし相撲すもうを持ち味もちあじに2場所ばしょ続つづけて12勝しょう3敗はいのふた桁けた勝利しょうりを挙あげ、ことしの初はつ場所ばしょで新しん入幕にゅうまくを果はたしました。

初はつ土俵どひょうから新しん入幕にゅうまくまでは所要しょよう4場所ばしょと、昭和しょうわ以降いこうでは3番目ばんめに並ならぶスピード出世しゅっせでした。

そして新しん入幕にゅうまくからは2場所ばしょ続つづけて11勝しょう4敗はいの成績せいせきで三さん賞しょうを連続れんぞくで受賞じゅしょうし、先さき場所ばしょでは千秋楽せんしゅうらくまで優勝ゆうしょう争あらそいに加くわわるなど実力じつりょくを示しめしていました。

今こん場所ばしょでは西にしの小結こむすびに昇進しょうしんし、幕下まくした付け出つけだしの力士りきしでは平成へいせい26年ねんの九州きゅうしゅう場所ばしょで関脇せきわけに昇進しょうしんした逸いっノ城しろの所要しょよう5場所ばしょに次ついで昭和しょうわ以降いこうでは2番目ばんめに早はやい所要しょよう6場所ばしょでの新しん三さん役やく昇進しょうしんを果はたしていました。

わずかな期間きかんの経験けいけんを糧かてにスピード出世しゅっせ

初はつ土俵どひょうからわずか7場所ばしょ目めで初はつ優勝ゆうしょうを果はたした大だいの里さと。

スピード出世しゅっせの中なかでも1場所ばしょ1場所ばしょの経験けいけんを確実かくじつに成長せいちょうつなげたことが最高さいこうの結果けっかにつながりました。

今こん場所ばしょからようやくちょんまげを結ゆわえるようになった23歳さい、大だいの里さと。

学生がくせい時代じだいには2年ねん連続れんぞくでアマチュア横綱よこづなに輝かがやくなど、華々はなばなしい実績じっせきを積つんできましたが大相撲おおずもうの世界せかいでは去年きょねん5月つきに初はつ土俵どひょうを踏ふんでからわずか10か月かげつあまり、幕下まくしたと十じゅう両りょうを2場所ばしょずつ、幕内まくうちは3場所ばしょ目めと経験けいけんの少すくなさは否いなめません。

それでも、その少すくない経験けいけんを効果こうか的てきに糧かてとしてきたことが成長せいちょうにつながっています。

新しん入幕にゅうまくで臨のぞんだ初はつ場所ばしょでは上位じょうい陣じんの力ちから、そして結むすびの一番いちばんの重おもみを肌はだで感かんじました。

9日にち目めに勝ち越かちこしを決きめると、10日にち目めからは場所ばしょ後ごに大関おおぜき昇進しょうしんを果はたす琴きん櫻さくら、大関おおぜき・豊昇ほうしょう龍りゅう、そして、結むすびの一番いちばんでの横綱よこづな・照あきらノ富士ふじと、上位じょうい陣じんとの対戦たいせんが続つづきました。

すべてに敗やぶれて3連敗れんぱいを喫きっしましたが「後半こうはんの三さん番ばんや結むすびの一番いちばんの雰囲気ふんいきが全まったく違ちがうというのが分わかった。上位じょういは一番いちばんに対にたいする思おもいが違ちがう。負まけをむだにせず、この経験けいけんを来場らいじょう所しょに生いかしたい」と静しずかに闘志とうしを燃もやしていました。

続つづく先さき場所ばしょでは、その上位じょうい陣じんから相次あいついで白星しろぼしを挙あげました。

番付ばんづけも上あがり、最初さいしょの三さん役やくとの対戦たいせんは9日にち目め、関脇せきわけ・若わか元春もとはるとの一番いちばんでした。

立ち合たちあいから力強ちからづよい当あたりで一気いっきに土俵際どひょうぎわまで押し込おしこむと左ひだりを差さされながらも休やすまず攻せめ続つづけ、実力じつりょく者しゃを圧倒あっとう。

三さん役やくから初はつ白星しろぼしを挙あげました。

「先さき場所ばしょよりは成長せいちょうできている」と手応てごたえを口くちにすると、11日にち目めには結むすびの一番いちばんで大関おおぜき・貴き景勝けいしょうに押し出おしだしで勝かって今度こんどは大関おおぜきからの初はつ白星しろぼし。

初はつ場所ばしょではね返はねかえされた壁かべを乗り越のりこえ、最終さいしゅう的てきには大関おおぜき2人にんを含ふくむ4人にんの役やく力士りきしから白星しろぼしを挙あげました。

一方いっぽうで、わずかに届とどかなかったのが優勝ゆうしょうです。

千秋楽せんしゅうらくまで優勝ゆうしょうの可能かのう性せいは残のこっていましたが、初日しょにちから11連勝れんしょうと快かい進撃しんげきを続つづけた尊みこと富士ふじが110年ねんぶりの新しん入幕にゅうまく優勝ゆうしょうを果はたした。

「優勝ゆうしょうしたかったのが率直そっちょくな思おもい。支度したく部屋へやでバンザイを尊みこと富とみ士関しかんがやると思おもうと悔くやしい」と心こころの内うちを明あかしていました。

そして、迎むかえた今こん場所ばしょ。

西にしの小結こむすびの地位ちいで臨のぞんだ大だいの里さとは初日しょにち、いきなり横綱よこづな・照あきらノ富士ふじとの一番いちばんが組くまれました。

初はつ場所ばしょでは力負ちからまけした相手あいてですが、立ち合たちあい、胸むねから強つよく当あたりにいくと、ここから成長せいちょうを見みせました。

すぐに右みぎを差さすと、もろ差もろざしの形かたちをつくり、完全かんぜんに自分じぶん優位ゆういとすると少すこしずつ寄よっていき、照あきらノ富士ふじに投なげを許ゆるさず、最後さいごは「すくい投なげ」で快勝かいしょう。

2回かい目めの対戦たいせんで横綱よこづな戦せん初はつ白星しろぼしを挙あげ、「納得なっとくできる相撲すもうができてよかった。前回ぜんかいの対戦たいせんはめちゃくちゃ当あたって走はしることだけを考かんがえていたが、それではだめだと自分じぶんなりに考かんがえて相撲すもうを取とってよかった」と手応てごたえを口くちにしました。

師匠ししょうで元もと横綱よこづな・稀まれ勢ぜいの里さとの二に所しょノ関せき親方おやかたはこの一番いちばんについて「本場ほんば所しょの一番いちばんは稽古けいこ場じょうの千せん番ばん、一いち万まん番ばんくらいの価値かちがある」と大だいの里さとが積つんでいる経験けいけんの大おおきさを表現ひょうげんします。

上位じょうい総そう当あたりの地位ちいながらその後そのごも白星しろぼしを積み重つみかさね、大関おおぜきの2人にん、霧島きりしまと琴きん櫻さくらからも初はつ白星しろぼしを挙あげると、14日にち目めを終おえてついに優勝ゆうしょう争あらそいの単独たんどくトップに立たちました。

上位じょうい陣じんの力ちからを実感じっかんした初はつ場所ばしょ、そして優勝ゆうしょうを逃のがすくやしさを味あじわった春場所はるばしょ。

期待きたいの若手わかては濃密のうみつな経験けいけんを力ちからに変かえて初はつ土俵どひょうからわずか7場所ばしょ目めで憧あこがれの賜杯しはいを手てにしました。

大だいの里さと 優勝ゆうしょうの記録きろく

新しん入幕にゅうまくから3場所ばしょ目めでの優勝ゆうしょうは年とし6場所ばしょ制せいが定着ていちゃくした昭和しょうわ33年ねん以降いこうでは元もと横綱よこづな・佐田の山さだのやまに並ならんで2番目ばんめに早はやい記録きろくです。

新しん三さん役やくでの優勝ゆうしょうは昭和しょうわ32年ねん夏場なつば所しょで新しん小結こむすび・安やす念ねん山さん、のちの元もと関脇せきわけ・羽はね黒山くろやまが優勝ゆうしょうして以来いらい、67年ねんぶりです。

また、元もと横綱よこづな・稀まれ勢ぜいの里さとの二に所しょノ関せき親方おやかたが師匠ししょうを務つとめる二に所しょノ関せき部屋へやで優勝ゆうしょうした力士りきしは初はじめてです。

石川いしかわ県けん出身しゅっしん力士りきしの優勝ゆうしょうは元もと大関おおぜき・出島でじまが関脇せきわけだった平成へいせい11年ねんの名古屋なごや場所ばしょ以来いらい、25年ねんぶりです。

大だいの里さとが技能ぎのう賞しょうと殊勲賞しゅくんしょう

大だい相撲すもう夏場なつば所しょの三さん賞しょう選考せんこう委員いいん会かいが開ひらかれ、初はつ優勝ゆうしょうを果はたした新しん小結こむすび・大だいの里さとが技能ぎのう賞しょうと殊勲賞しゅくんしょうを受賞じゅしょうしました。

夏場なつば所しょの三さん賞しょう選考せんこう委員いいん会かいはきょう、東京とうきょう・両国りょうこくの国技こくぎ館かんで開ひらかれ、初はつ優勝ゆうしょうを果はたした大だいの里さとが技能ぎのう賞しょうを受賞じゅしょうしました。

大だいの里さとは初日しょにちに横綱よこづな・照あきらノ富士ふじを破やぶるなど恵めぐまれた体格たいかくを生いかして前まえに出でる相撲すもうで12勝しょう3敗はいの成績せいせきを収おさめました。

技能ぎのう賞しょうは2場所ばしょ連続れんぞくの受賞じゅしょうです。

大だいの里さとは優勝ゆうしょうの条件じょうけんを満みたしたため、殊勲賞しゅくんしょうも合あわせて受賞じゅしょうしました。

敢闘かんとう賞しょうは、新しん入幕にゅうまくで10勝しょう5敗はいの成績せいせきを収おさめた欧おう勝馬かつまが、初はじめての受賞じゅしょうとなりました。