男性の長男で、仙台大学に通う男子学生も今月11日に感染が確認されました。
先に症状が出始めたのは長男で、先月、東京都内で5日間就職活動をして、仙台市に戻った27日の夜、38度5分の熱が出ました。
男性は新型コロナウイルスへの感染を疑い、翌日に帰国者・接触者相談センターに相談しました。
しかし、相談センターから紹介された発熱外来がある専門の医療機関で、肺のレントゲン検査などを受けた結果、長男は「解熱剤で熱が下がればかぜだ」という診断を受けたといいます。
2日後の30日、男性は再び相談センターに連絡を取りましたが、長男はその日から平熱になったため、「PCR検査の対象外」とされました。
31日になると今度は男性に38度8分の発熱があり、その後、熱が上がったり下がったりを繰り返すようになりました。
2回目に熱が上がった今月4日に相談センターに連絡して医療機関を受診しましたが、ここでも「息子のかぜがうつった」と診断されました。
男性はその後、解熱剤を飲んでいったんは熱が下がりましたが、再び発熱したため、8日に相談センターを通じてPCR検査を受け、9日に感染が確認されました。
平熱になっていた長男も濃厚接触者として検査を受け、11日に感染が確認されました。
男性は10日に入院し、新型インフルエンザ治療薬の「アビガン」や、ぜんそくに使う「オルベスコ」を服薬し、2回の陰性が確認されたため22日退院しました。
男性は入院直前の7日夜から入院初期までが、最もせきの症状が重かったということで「腹筋がつるぐらいのせきが何度も出て、寝ようとしてもせきで起きてしまい、もうそのまま死ぬんじゃないかと思ったこともありました。早くPCR検査をしてくれれば、ここまで死の恐怖を味わうこともなかったと思います」と話していました。
一方、長男は平熱になってから感染が確認されるまで、アルバイトや友人の家などに出かけていて、感染が確認された12日、仙台大学はホームページで「一貫して自宅待機していた」と公表しましたが、3日後に「調査が不十分だった」として内容を訂正しました。
この経緯について男性は「11日の感染確認の直後に長男が顧問の先生に報告したが、『発熱している間は自宅にいた』という説明だけをして、そのほかの経緯を詳しく話していなかった。すぐに発表されることも知らなかったし、気が動転していた」と説明しました。
SNS上では長男の行動について「うそつき」とか、「人殺し」などといった投稿が相次ぎ、「検査で陽性が出てからバイトに行った」などの誤った情報もありました。
こうした投稿について男性は「息子はかなり傷つき、『学校に行けない』と話していて、彼の居場所がなくなるのがいちばん心配です。投稿する人は怒りにまかせて書いていると思いますが、本当の事情を知ってほしい」と話していました。