新型コロナウイルスの
感染拡大による
医療従事者の
不足を
補うため、
急きょ
大阪市内の
ホテルで
軽症者の
対応にあたった
看護学校の
教員らが
NHKの
インタビューに
応じ、「
医療従事者が
総出で
対応しなければ、
この事態には
立ち向かえない」と
語りました。
厚生労働省は
医療従事者の
不足を
補うため
4月、
全国の
看護学校に
通達を
出し、
教員として
勤務している
看護師たちの
一時的な
現場復帰を
要請しました。
大阪 西区のホテルで4月中旬の5日間、軽症者の対応にあたった大阪赤十字看護専門学校の教員らがNHKのインタビューに応じ、医療現場の状況を語りました。
このうち高橋香織さんは「ホテルで受け入れていた初日の患者数は30人でしたが最終日には倍増していました。対応していた軽症者の中には会話の最中に息があがり、おかしいなと思って様子を確認しているうちに突然呼吸困難になって動けなくなり、救急車で搬送した方もいました。容体が急激に悪化するケースを目の当たりにしました」とみずからの体験を語りました。
そのうえで、「医療従事者が総出で対応しなければこの事態には立ち向かえないと感じました。今、私たちができることをやるしかありません」と話しました。
また同じホテルで対応にあたった西野弥生さんは、これまで応援で派遣された東日本大震災や熊本地震の現場と比較し、「災害現場では、けがや家屋の倒壊といった被害を目で感じ取ることができましたが、新型コロナウイルスは、目に見えず身に迫ってくる実感が持ちにくいです。一歩ホテルの外に出ると、ふだんと変わらない日常の風景が広がっています。こうしたことが徹底した自粛につながらない理由だと感じました」と述べ、一人一人が責任ある行動をとることが大切だと訴えました。
また、勤めている看護学校と同じ系列の病院の状況について、「医療用マスクや防護服などの物資が圧倒的に足りません。物資が不足すれば患者のケアにあたれません。今は院内の一部の限定された部署で患者に対応していますが、感染者がもっと増えれば他の部署の人も対応する必要が出てきます。院内感染をどれだけ防げるかが重要になってきます」と必要な物資や人材の確保が難しい現状などを語りました。