愛知あいち県けん東郷とうごう町まちの井俣いまた憲治けんじ町長ちょうちょう（57）は、町まちの職員しょくいんに複数ふくすうのハラスメント行為こういを行おこなっていたと第三者だいさんしゃ委員いいん会かいから認定にんていされ、24日にちに辞職じしょく願ねがいを提出ていしゅつしています。

2人にんの町長ちょうちょうは25日にち、それぞれ会見かいけんを開ひらいて職員しょくいんや町民ちょうみんに謝罪しゃざいしました。

これまでの経緯けいいや認定にんていされたハラスメント行為こうい、2人にんの町長ちょうちょうが会見かいけんで語かたった内容ないようをまとめました。

＜池田いけだ町まち 岡崎おかざき和夫かずお町長ちょうちょう＞

これまでの経緯けいい

2023年ねん7月つき、池田いけだ町まちの職員しょくいんと元もと職員しょくいんが町長ちょうちょうからセクハラ行為こういを受うけたと会見かいけんで訴うったえました。

会見かいけんの翌日よくじつ、池田いけだ町まちは第三者だいさんしゃ委員いいん会かいを設置せっちして調査ちょうさを進すすめることを決定けってい。

10月つきには弁護士べんごし3人にんが委員いいんに就任しゅうにんして調査ちょうさが始はじまりました。

そして今月こんげつ24日にち、第三者だいさんしゃ委員いいん会かいは調査ちょうさ報告ほうこく書しょをまとめて町まちに提出ていしゅつしました。

調査ちょうさ報告ほうこく書しょで認定にんていされたセクハラ行為こうい

調査ちょうさ報告ほうこく書しょではアンケートや聞き取ききとり調査ちょうさなどの結果けっか、職員しょくいんと元もと職員しょくいんの女性じょせい15人にんに対にたいするセクハラがあったと認定にんていしています。

特とくに深刻しんこくな被害ひがいとして1人にんの女性じょせいに対にたいし、服ふくの上うえから腕うでや太ふとももなどを触さわるといった行為こういがあり、去年きょねん5月つきに被害ひがい者しゃと示談じだんしていたということです。

ほかの女性じょせいにもキスしようとしたり尻しりや胸むねを触さわったりする行為こういがあったとしています。

セクハラがあった場所ばしょは町長ちょうちょう室しつや宿直しゅくちょく室しつがほとんどで、被害ひがい者しゃは入にゅう庁ちょうまもない若わかい女性じょせい職員しょくいんが多おおかったということです。

一方いっぽう、岡崎おかざき町長ちょうちょうは第三者だいさんしゃ委員いいん会かいの聞き取ききとりに対にたいし、告発こくはつした女性じょせい1人にんに激励げきれいの意味いみで握手あくしゅをしたり、肩かたをたたいたりしたかもしれないがほかの女性じょせいへのセクハラや示談じだんしたことは否定ひていしたということです。

報告ほうこく書しょでは町長ちょうちょうのセクハラに対にたいする認識にんしきに問題もんだいがあり、反省はんせいや改善かいぜんの態度たいどが見みられず、町まちの懲戒ちょうかい処分しょぶんの指針ししんでは免職めんしょくが相当そうとうと考かんがえられる事案じあんだとして、「町長ちょうちょうは辞職じしょく相当そうとうである」としています。

また、セクハラは10年ねん以上いじょう続つづいていたということで、長期ちょうき化かした背景はいけいについては岡崎おかざき町長ちょうちょうが町まち職員しょくいんとしておよそ37年ねん勤務きんむし、町長ちょうちょうも6期き目めで20年ねん以上いじょう務つとめていることから影響えいきょう力りょくが強つよく、職員しょくいんが逆さからうことは困難こんなんだったと指摘してきしています。

岡崎おかざき町長ちょうちょう「ひとりよがりの裸はだかの王様おうさまだった」

第だい三さん者しゃ委員いいん会かいの調査ちょうさで女性じょせい職員しょくいんなど15人にんに対にたいするセクハラがあったと認定にんていされたことを受うけて、池田いけだ町まちの岡崎おかざき和夫かずお町長ちょうちょうは25日にち午前ごぜん、町議会ちょうぎかい議長ぎちょうに辞職じしょく願ねがいを提出ていしゅつし、受理じゅりされました。

その後そのご、岡崎おかざき町長ちょうちょうは記者きしゃ会見かいけんし「関係かんけい職員しょくいんには大変たいへん申し訳もうしわけなく心こころから謝罪しゃざいしたい。池田いけだ町まちの名前なまえを傷きずつけてしまい町民ちょうみんにも申し訳もうしわけない。ひとりよがりの裸はだかの王様おうさまだった」などと述のべました。

また、報告ほうこく書しょで15人にんに対にたいするセクハラがあったと認定にんていされたことについては「はっきりと覚おぼえているわけではないが、相手あいてが言いっているなら認みとめざるを得えない」と述のべました。

一方いっぽうで、このうち1人にんの女性じょせいに対にたいし、服ふくの上うえから腕うでや太ふとももなどを触さわるといった行為こういがあり、被害ひがい者しゃと示談じだんしたとされたことについては、腕うでを触さわったことは覚おぼえているもののそれ以外いがいは記憶きおくにないとし、示談じだんしたかについても「答こたえられない」と述のべました。

池田いけだ町まちでは26日にち、臨時りんじの町議会ちょうぎかいが開ひらかれ辞職じしょく願ねがいについて同意どういされれば町長ちょうちょうの辞職じしょくが決きまります。

＜東郷とうごう町まち 井俣いまた憲治けんじ町長ちょうちょう＞

これまでの経緯けいい

2023年ねん10月つきに一部いちぶの職員しょくいんが全ぜん職員しょくいんにメールで非公式ひこうしきのアンケート調査ちょうさを行おこない、町長ちょうちょうからパワーハラスメントを受うけたなどの回答かいとうが複数ふくすう寄よせられました。

その後そのご、12月つきに第だい三さん者しゃ委員いいん会かいが発足ほっそくして弁護士べんごし3人にんによる調査ちょうさが始はじまります。

第だい三さん者しゃ委員いいん会かいは今月こんげつ22日にち、井俣いまた町長ちょうちょうが、1期き目めから継続けいぞく的てきに複数ふくすうの職員しょくいんにパワハラやセクハラなどさまざまなハラスメントを行おこなってきたとする報告ほうこく書しょを町まちに提出ていしゅつしました。

調査ちょうさ報告ほうこく書しょで認定にんていされたハラスメント行為こうい

第だい三さん者しゃ委員いいん会かいのメンバーは23日にちに町まち役場やくばで記者きしゃ会見かいけんを行おこない、弁護士べんごしの堀ほり龍りゅう之の委員いいん長ちょうは「長ながい期間きかんにわたり、『早はやく降格こうかくしてくれ』など、明あきらかに違法いほうと言いえるものを含ふくめ、ハラスメント行為こういが繰り返くりかえされてきたことに非常ひじょうに驚おどろいた」と述のべました。

また、複数ふくすうのハラスメントが継続けいぞくされてきた背景はいけいについて「町まち役場やくばが小ちいさいというのが背景はいけいにある。同おなじ高校こうこうを卒業そつぎょうするなど、つながりの濃こい関係かんけいだからこそ職員しょくいんが声こえをあげにくかったという意味いみで悪質あくしつ性せいが高たかい」と指摘してきしました。

その上うえで、職員しょくいんが苦情くじょうを申し立もうしたてても副ふく町長ちょうちょうのところで止とまってしまい、組織そしき内部ないぶで改善かいぜん策さくにつながらなかったとして今後こんご、外部がいぶの専門せんもん家かによる相談そうだん窓口まどぐちなど、第だい三さん者しゃが関与かんよした再発さいはつ防止ぼうしのための制度せいどを検討けんとうする必要ひつようがあるという見解けんかいを示しめしました。

井俣いまた町長ちょうちょう「自身じしんが無知むちであった」

井俣いまた町長ちょうちょうは、25日にち、町議会ちょうぎかいの全員ぜんいん協議きょうぎ会かいに出席しゅっせきし「ハラスメント事案じあんの対象たいしょうとなった職員しょくいんの皆みなさんに心こころからおわび申し上もうしあげたい」と陳謝ちんしゃした上うえで、5月つき2日にち付づけで辞職じしょくする考かんがえを示しめしました。

続つづいて、井俣いまた町長ちょうちょうは記者きしゃ会見かいけんし「去年きょねん11月つきの報道ほうどうを受うけて以来いらい、反省はんせいをくり返くりかえし、ハラスメントに関にかんする勉強べんきょうをしたが、それまでの自身じしんが無知むちであったことを改あらためて恥はじる期間きかんとなった」と述のべました。

その上うえで、辞職じしょくの理由りゆうについて「町議会ちょうぎかいの先生せんせいと話はなす中なかで、町まちの未来みらいと町民ちょうみんの幸しあわせのため職員しょくいんが静しずかに仕事しごとができる環境かんきょうをつくっていくことの重要じゅうよう性せいで一致いっちし、同おなじ方向ほうこうに進すすもうという中なかで、辞職じしょくを決断けつだんした」と説明せつめいしました。

一方いっぽう、第三者だいさんしゃ委員いいん会かいの報告ほうこく書しょについて「すべてを理解りかい、納得なっとくしているわけではなく、記憶きおくがないところもあるが、それも含ふくめて、自分じぶんの今後こんごの行動こうどうや言動げんどうの指針ししんになるし、役場やくばとしても大変たいへん重要じゅうようなテキストになると思おもっている」と述のべました。

また、記者きしゃ団だんから、次つぎの町長ちょうちょう選挙せんきょに立候補りっこうほする考かんがえがあるか質問しつもんされたのに対にたいし「自分じぶんのことを考かんがえられる状況じょうきょうではないので考かんがえていなかったが、きょうの段階だんかいで、すべての可能かのう性せいを否定ひていするものではない」と述のべ、明言めいげんを避さけました。

東郷とうごう町まちによりますと、町議会ちょうぎかい議長ぎちょうは25日にち、町まちの選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいに対にたいし井俣いまた町長ちょうちょうの辞職じしょくを通知つうちしたということで、町長ちょうちょう選挙せんきょは26日にちから50日にち以内いないに実施じっしされることになります。

議長ぎちょう「反省はんせいしているようには見みえない」

東郷とうごう町議会ちょうぎかいの石橋いしばし直ただし季き議長ぎちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「ハラスメントが起おきた原因げんいんをただ自分じぶんの勉強べんきょうが足たりていないという話はなしで終おわらせるのは、職員しょくいんや被害ひがいを受うけた方ほうがどう思おもうかあまりにも想像そうぞうができていないと思おもう。反省はんせいしているようには正直しょうじき、見みえない」と述のべました。

その上うえで「この件けんをきっかけに、議会ぎかいももちろんハラスメント防止ぼうしに取り組とりくんでいくし、議会ぎかいから行政ぎょうせいに働はたらきかけて、行政ぎょうせいと連携れんけいしながら、ハラスメントをしてしまうことがないような環境かんきょうづくりを引き続ひきつづきやっていきたい」と述のべました。

専門せんもん家かに聞きく ハラスメントの原因げんいんと対策たいさく

地方ちほう自治じちに詳くわしい、名城めいじょう大学だいがくの昇のぼり秀樹ひでき教授きょうじゅは今回こんかいの問題もんだいの原因げんいんについて「町長ちょうちょうが人事じんじ権けんを握にぎっている中なかで職員しょくいんたちは町長ちょうちょうにきついことを言いうと左遷させんされてしまうのではないかと感かんじてしまい、結果けっか的てきに『裸はだかの王様おうさま』状態じょうたいで、誰だれも止とめられない状況じょうきょうになる」と指摘してきしています。

その上うえで「人口じんこう規模きぼが小ちいさな自治体じちたいは、おのずと役場やくば内ないで職員しょくいんと首長しゅちょうとの接触せっしょくの機会きかいが増ふえ、どうしてもハラスメントの問題もんだいが起おこりやすくなってしまう。町長ちょうちょう自身じしんがハラスメント防止ぼうしの研修けんしゅうに参加さんかする機会きかいがなく、何なにがハラスメントにあたるかを知しらないことも問題もんだいだ」としています。

求もとめられる対策たいさくとして、昇のぼり教授きょうじゅは、問題もんだいがあった自治体じちたいだけでなく、ほかの自治体じちたいでも、第三者だいさんしゃ機関きかんを設置せっちしてハラスメントの調査ちょうさや認定にんていにあたることや、ハラスメント防止ぼうし条例じょうれいを制定せいていすることが重要じゅうようだとしています。

そして「政治せいじ家かは住民じゅうみん以上いじょうに世の中よのなかの流ながれや時代じだいの変化へんかにセンシティブであることが求もとめられている。自分じぶんが若わかいころにこうやってきたということが通用つうようする世の中よのなかではないので、きちんとハラスメントにも対応たいおうしていく姿勢しせいを示しめしていかなければならない」と指摘してきしています。