石川いしかわ県けん輪島わじま市しの北きた、沖合おきあいおよそ50キロにある舳倉島へぐらじまは、周辺しゅうへんが豊ゆたかな漁場ぎょじょうに恵めぐまれシーズンに合あわせて漁業ぎょぎょう者しゃが一時いちじ的てきに移り住うつりすむなど重要じゅうような拠点きょてんとなっていますが、能登のと半島はんとう地震じしんの津波つなみで大おおきな被害ひがいを受うけました。

地震じしんのあと住民じゅうみんたちは島しまの外そとに避難ひなんを余儀よぎなくされましたが、島しまにある唯一ゆいいつの港みなとに漂ただよっていたがれきが取り除とりのぞかれ、船ふねが入港にゅうこうできるようになったことなどから、27日にち朝あさ、およそ50人にんの住民じゅうみんが、被害ひがい状況じょうきょうなどを確認かくにんするため輪島わじま市しの港みなとから臨時りんじの連絡れんらく船せんに乗のって一時いちじ帰宅きたくしました。

島しまの海岸かいがん沿ぞいには、根ねこそぎ流ながされた住宅じゅうたくや納屋なやのがれきがそのままの状態じょうたいで残のこっていました。

一時いちじ帰宅きたくした住民じゅうみんたちは島しまに着つくと、津波つなみで浸水しんすいした自宅じたくの片かたづけに追おわれたり、置おいてきた貴重きちょう品ひんを拾ひろい集あつめたりしていました。

数すう世代せだいにわたって島しまを拠点きょてんに家族かぞくで漁業ぎょぎょうを営いとなんできた東野とうの竹夫たけおさんは、地震じしん後ご、初はじめて島しまを訪おとずれたということで「実際じっさいに自宅じたくを見みてショックを受うけた。4か月かげつ近ちかくこの島しまが放置ほうちされたのは歯はがゆい気持きもちがある。舳倉島へぐらじまは宝たからの島しまだと思おもうので、早はやく復興ふっこうして漁りょうに出でたい」と話はなしていました。

住民じゅうみんたちの一時いちじ帰宅きたくは次つぎは来月らいげつごろを見込みこんでいるということです。

地震じしん当日とうじつ 舳倉島へぐらじまにいた住民じゅうみん“衛星えいせい電話でんわなど確保かくほを”

能登のと半島はんとう地震じしんが起おきた元日がんじつに舳倉島へぐらじまにいた住民じゅうみんの1人にん、坂口さかぐち剛つよしさんは、初詣はつもうでを終おえた直後ちょくごに地震じしんが起おき、津波つなみの影響えいきょうで島しまの外そとに出でることができなくなったといいます。

自衛隊じえいたいの救助きゅうじょが来くるまでの2週間しゅうかん、島しまの高台たかだいにある診療しんりょう所しょの建物たてものの中なかで過すごし、衛星えいせい電話でんわで外部がいぶと連絡れんらくをとりながら、備蓄びちくされた食料しょくりょうで妻つまなどと飢うえをしのいだということです。

坂口さかぐちさんは「私わたしがたまたま衛星えいせい電話でんわを持もっていなければ救助きゅうじょは来こなかったと思おもう。今回こんかいの地震じしんを教訓きょうくんに、自治体じちたいには舳倉島へぐらじまのような離島りとうに、衛星えいせい電話でんわや水みず、それに電源でんげんなどを確保かくほしておくようにしてほしい」と話はなしていました。