一方いっぽうで「やりがいを感かんじた」という回答かいとうも8割わりに上のぼっていて、魅力みりょくは感かんじつつ長時間ちょうじかん労働ろうどうや保護ほご者しゃ対応たいおうなどからためらう学生がくせいの姿すがたが浮き彫うきぼりになりました。

「教員きょういんになりたくないと思おもうようになった」は42％

調査ちょうさは名古屋なごや大学だいがく大学院だいがくいんの研究けんきゅうチームが国くにの研究けんきゅう費ひを活用かつようして去年きょねん11月つきにオンラインで行おこなったもので、教職きょうしょく課程かていを履修りしゅうしたことがある全国ぜんこくの大学だいがく3年生ねんせいと4年生ねんせい、620人にんから回答かいとうを得えました。

この中なかで、2週間しゅうかん以上いじょうの教育きょういく実習じっしゅうを経験けいけんした347人にんに実習じっしゅう中ちゅうのことを聞きいたところ

▽「教員きょういんとしてのやりがいを感かんじた」は「ややあてはまる」「とてもあてはまる」という回答かいとうが81％に上のぼりました。

一方いっぽうで

▽「教員きょういんになりたくないと思おもうようになった」という回答かいとうは42％となりました。

このうちの7割わりも「やりがいを感かんじた」と回答かいとうしていて、現場げんばを経験けいけんして教員きょういんの仕事しごとに魅力みりょくを感かんじつつ、ためらう学生がくせいが多おおい状況じょうきょうが浮き彫うきぼりになりました。

また、回答かいとうした620人にん全員ぜんいんのうち、教員きょういん免許めんきょの取得しゅとくをやめたのは149人にんで、理由りゆうで最もっとも多おおかったのが

▽「自分じぶんは教員きょういんに向むいていない」で76％

▽「ほかに将来しょうらい就つきたい職業しょくぎょうが決きまった」が71％でしたが

▽「長時間ちょうじかん労働ろうどうだと知しった」や

▽「保護ほご者しゃ対応たいおうに自信じしんがない」という回答かいとうも、それぞれ64％に上のぼりました。

内田うちだ良りょう 教授きょうじゅ「長時間ちょうじかん労働ろうどうが解消かいしょうされるのか不安ふあんに思おもう学生がくせいも」

研究けんきゅうチームの名古屋なごや大学だいがく大学院だいがくいんの内田うちだ良りょう 教授きょうじゅは「教員きょういん不足ふそくが起おきているが教職きょうしょくに魅力みりょくがないわけでなく、やりがいはあるが職場しょくば環境かんきょうを理由りゆうに、子こどもと向き合むきあいたいという学生がくせいが離脱りだつしている深刻しんこくな現状げんじょうが見みえてきた。現場げんばの時間じかん管理かんりのなさを見みて長時間ちょうじかん労働ろうどうが解消かいしょうされるのか不安ふあんに思おもう学生がくせいも多おおい。国くにや自治体じちたいは長時間ちょうじかん労働ろうどうや保護ほご者しゃ対応たいおうなど職場しょくば環境かんきょうの改善かいぜんを進すすめるのはもちろん、どういう対策たいさくを講こうじようとしているか学生がくせいに伝つたえることが重要じゅうようだ」と話はなしていました。

現場げんばの実態じったいを知しって「心身しんしんを崩くずしてまで働はたらけない」

教育きょういく実習じっしゅう中ちゅうに学校がっこう現場げんばの勤務きんむ実態じったいを知しり、憧あこがれてきた教員きょういんの仕事しごとを諦あきらめた人ひともいます。

この春はる、民間みんかん企業きぎょうに就職しゅうしょくした井上いのうえ響ひびきさん（22）は、中学ちゅうがくの頃ころの恩師おんしに憧あこがれて教員きょういんを目指めざすようになり、大学だいがく3年生ねんせいのときに東海とうかい地方ちほうの小中しょうちゅう学校がっこうでそれぞれ1か月かげつ間かん教育きょういく実習じっしゅうに参加さんかしました。

現場げんばで実際じっさいに子こどもたちとやりとりする中なかで教職きょうしょくの魅力みりょくを改あらためて感かんじ、週末しゅうまつも時間じかんをかけて指導しどう案あんの作成さくせいに取り組とりくんだといいます。

井上いのうえさんはと話はなしていました。

その一方いっぽうで、印象いんしょうに残のこったのは昼食ちゅうしょくをゆっくり取とる時間じかんも休憩きゅうけいもほぼなく遅おそくまで働はたらき、定時ていじを過すぎて来校らいこうした保護ほご者しゃへの対応たいおうにも追おわれる教員きょういんたちの姿すがたでした。

井上いのうえさんはと語かたりました。

周囲しゅういからも長時間ちょうじかん労働ろうどうの問題もんだいを心配しんぱいされる中なか、教員きょういんを目指めざすかどうか1か月かげつ余あまり悩なやんだ末すえ、最終さいしゅう的てきには教員きょういんになることを諦あきらめ、民間みんかん企業きぎょうに就職しゅうしょくすることを決きめました。

井上いのうえさんはと話はなしていました。

改革かいかくの現状げんじょう 自治体じちたいでは出前でまえ授業じゅぎょうなどでアピール

深刻しんこくな教員きょういん不足ふそくに危機きき感かんを抱いだき、教員きょういん志望しぼうの学生がくせいなどに働はたらき方かた改革かいかくの現状げんじょうをアピールしようと、出前でまえ授業じゅぎょうなどに取り組とりくむ自治体じちたいもあります。

公立こうりつ学校がっこうの正規せいきの教員きょういんは主おもに都道とどう府県ふけんが採用さいようしていますが大阪おおさか 守口もりぐち市しの教育きょういく委員いいん会かいは現場げんばの教員きょういん不足ふそくへの危機きき感かんから1人にんでも多おおくの学生がくせいに教員きょういんを目指めざしてもらおうと、昨年度さくねんどから近隣きんりんの大学だいがくで出前でまえ授業じゅぎょうを始はじめています。

20日にち、大阪おおさか電気でんき通信つうしん大学だいがくで行おこなわれた出前でまえ授業じゅぎょうには教職きょうしょく課程かていを履修りしゅうし教育きょういく実習じっしゅうを控ひかえる大学だいがく4年生ねんせいおよそ60人にんが集あつまりました。

まずは市しの担当たんとう者しゃが民間みんかん企業きぎょうと比較ひかくする形かたちで、市内しないで働はたらく教員きょういんには

▽男女だんじょ間かんの賃金ちんぎん格差かくさがないことや

▽育児いくじ休暇きゅうかの取得しゅとく率りつが高たかいこと

それに

▽就職しゅうしょく後ご3年ねん以内いないの離職りしょく率りつが2.5％にとどまることを説明せつめいしました。

課題かだいとなっている教員きょういんの長時間ちょうじかん労働ろうどうへの市し独自どくじの対策たいさくとして

▽部ぶ活動かつどうは原則げんそく平日へいじつ1時間じかんとして負担ふたんを軽減けいげんしていることや

▽これまで5日間にちかんだった夏休なつやすみ中ちゅうの学校がっこう閉庁へいちょう日びを今年度こんねんどから14日間にちかんに延長えんちょうし、教員きょういんも長期ちょうき休暇きゅうかをとりやすくしていることなどをアピールしていました。

一般いっぱん企業きぎょうと教職きょうしょくで迷まよっている女子じょし学生がくせいはと話はなしていました。

教員きょういんの父親ちちおやがいる男子だんし学生がくせいはと話はなしていました。

守口もりぐち市し教育きょういく委員いいん会かい学校がっこう教育きょういく課かの山口やまぐち喜孝よしたか 課長かちょう代理だいりはと話はなしていました。