宗教しゅうきょうの信仰しんこう背景はいけいの虐待ぎゃくたい 児こ相しょうへ相談そうだん通告つうこく 約やく4割わりが「心理しんり的てき虐待ぎゃくたい」

NHKが先月せんげつ（4月つき）、児童じどう相談そうだん所しょを設置せっちする全国ぜんこく78の自治体じちたいに取材しゅざいしたところ、宗教しゅうきょうへの信仰しんこうを背景はいけいにした虐待ぎゃくたいの疑うたがいがあるとして相談そうだんや通告つうこくを受うけた件数けんすうは、昨年度さくねんどまでの5年間ねんかんに少すくなくとも77件けんありました。

内容ないようについては、回答かいとうがあった中なかでは▽「心理しんり的てき虐待ぎゃくたい」が最もっとも多おおく33件けん、▽「ネグレクト」が28件けん、▽「身体しんたい的てき虐待ぎゃくたい」が5件けんなどとなっています。

具体ぐたい的てきには、「心理しんり的てき虐待ぎゃくたい」では宗教しゅうきょう団体だんたいの集会しゅうかいへの参加さんかを拒否きょひしたら無視むしされたとか、進路しんろをめぐって制限せいげんを受うけたなど、宗教しゅうきょう活動かつどうを強制きょうせいされたケースが多おおくあげられました。

また「ネグレクト」では治療ちりょうのための輸血ゆけつを親おやが拒否きょひしたケースが、「身体しんたい的てき虐待ぎゃくたい」では、祈きとうの時間じかんにテレビを見みていてたたかれたケースなどがありました。

相談そうだんや通告つうこくの経路けいろは警察けいさつが最もっとも多おおく14件けん、学校がっこうが11件けん、親族しんぞくが10件けん、医療いりょう機関きかんが8件けんなどとなりました。

対応たいおうの課題かだいなどについて聞きいたところ、子こども本人ほんにんが虐待ぎゃくたいと認識にんしきしていないケースや親子おやこ関係かんけいが崩くずれることをおそれ周囲しゅういに相談そうだんでないケースなど、問題もんだいが表面ひょうめん化かしにくくなっているという指摘してきがあったほか、親おやの信教しんきょうの自由じゆうを侵害しんがいしない範囲はんいでどう指導しどうすればいいのか判断はんだんが難むずかしいとか子こどもの気持きもちを親おやが理解りかいしてくれるとは限かぎらないといった意見いけんがあり、宗教しゅうきょう特有とくゆうの対応たいおうの難むずかしさが浮き彫うきぼりになりました。

児童じどう相談そうだん所しょなどはSNSやメールなどさまざまな相談そうだん窓口まどぐちを周知しゅうちするほか対応たいおうにあたる職員しょくいんの研修けんしゅうを行おこなうなどして、子こどもたちを救い出すくいだすことができる環境かんきょうの整備せいびを進すすめることにしています。