「核かくのごみ」処分しょぶん地ち 国くにが佐賀さが 玄海げんかい町まちに「文献ぶんけん調査ちょうさ」申し入もうしいれ

高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」は、長期間ちょうきかん強つよい放射線ほうしゃせんを出だし続つづけることから、地下ちか300メートルより深ふかくに埋うめて最終さいしゅう処分しょぶんすることが法律ほうりつで決きまっていて、処分しょぶん地ちの選定せんていに向むけた調査ちょうさは3段階だんかいで行おこなわれます。

佐賀さが県けんの玄海げんかい町まちでは、先月せんげつ、町内ちょうないの3つの団体だんたいから第だい1段階だんかいの「文献ぶんけん調査ちょうさ」受け入うけいれを求もとめる請願せいがんが町議会ちょうぎかいに提出ていしゅつされ、審議しんぎの結果けっか、賛成さんせい多数たすうで採択さいたくされました。

こうした状況じょうきょうを踏ふまえ、1日にち午後ごご、経済けいざい産業さんぎょう省しょうの松山まつやま泰浩やすひろ首席しゅせき最終さいしゅう処分しょぶん政策せいさく統括とうかつ調整ちょうせい官かんが玄海げんかい町まち役場やくばを訪おとずれて脇山わきやま伸太郎しんたろう町長ちょうちょうと面会めんかいし、「文献ぶんけん調査ちょうさ」の実施じっしを申し入もうしいれる齋藤さいとう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんからの文書ぶんしょを手渡てわたしました。

調査ちょうさは、自治体じちたいが公募こうぼに応おうじるか国くにの申し入もうしいれを受け入うけいれることで実施じっしが決きまることになっていて、国くにが申し入もうしいれを行おこなうのは、4年ねん前まえに調査ちょうさを受け入うけいれた北海道ほっかいどう神恵内かもえない村むらに続つづき2例れい目めです。

申し入もうしいれを受うけた脇山わきやま町長ちょうちょうは、「議会ぎかいの請願せいがん採択さいたくは重おもたいものと感かんじている。今後こんご検討けんとうして対応たいおうしていきたい」と述のべました。

全国ぜんこくでは、4年ねん前まえから、北海道ほっかいどうの神恵内かもえない村むらと寿都すっつ町まちを対象たいしょうに初はじめての「文献ぶんけん調査ちょうさ」が行おこなわれてきましたが、そのあとは調査ちょうさを受け入うけいれる自治体じちたいが現あらわれず、国くには調査ちょうさ地点ちてんの拡大かくだいを目指めざしています。

玄海げんかい町まちには九州きゅうしゅう電力でんりょくの玄海げんかい原発げんぱつが立地りっちしていて、原発げんぱつの立地りっち自治体じちたいで調査ちょうさが行おこなわれれば初はじめてです。

玄海げんかい町まち役場やくばでは連日れんじつ抗議こうぎ活動かつどうも

玄海げんかい町まち役場やくばでは連日れんじつ「文献ぶんけん調査ちょうさ」の受け入うけいれに反対はんたいする人ひとたちが抗議こうぎ活動かつどうを行おこなっていて、1日にちも近隣きんりんの唐津からつ市しや福岡ふくおか県けん糸島いとしま市しなどの住民じゅうみん20人にん余あまりが集あつまり「危険きけんなものを田舎いなかに押おしつけるな」などと訴うったえました。

抗議こうぎ活動かつどうに参加さんかした唐津からつ市しの男性だんせいは「原発げんぱつ立地りっち自治体じちたいに日本にっぽん全国ぜんこくから核かくのごみを持ち込もちこみ地下ちかに埋うめるなんて考かんがえられないし、町民ちょうみんに意向いこうを聞きく時間じかんが全まったく与あたえられていない」と話はなしていました。

集あつまった人ひとたちは、国くにによる申し入もうしいれの会場かいじょうに入はいることを求もとめましたが認みとめられず、町まちの職員しょくいんに抗議こうぎする場面ばめんもありました。

玄海げんかい町長ちょうちょう「申し入もうしいれ大事だいじに」

国くにからの申し入もうしいれを受うけたあと玄海げんかい町まちの脇山わきやま町長ちょうちょうは「国くにから申し入もうしいれにきているので大事だいじにしなければならない」と述のべました。

その上うえで、調査ちょうさを受け入うけいれるかどうか判断はんだんする時期じきについては「本ほん会議かいぎで採択さいたくされ、議会ぎかいが決きめた中なかであまり先さき延のばしにするのは失礼しつれいだろうと考かんがえていて5月つき中ちゅうには判断はんだんしたい」と述のべ、改あらためて今月こんげつ中ちゅうに態度たいどを明あきらかにする考かんがえを示しめしました。

また、国くに側がわから齋藤さいとう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんとの面会めんかいを打診だしんされたことについては「機会きかいがあればうかがいたい」と述のべて前向まえむきに検討けんとうする意向いこうを示しめしました。

経けい産さん省しょう「地域ちいきの理解りかいなしには進すすめられないもの」

玄海げんかい町まちへの文献ぶんけん調査ちょうさを申し入もうしいれのあと、経済けいざい産業さんぎょう省しょうの松山まつやま泰浩やすひろ首席しゅせき最終さいしゅう処分しょぶん政策せいさく統括とうかつ調整ちょうせい官かんは「調査ちょうさの取り組とりくみは地域ちいきの理解りかいなしには進すすめられないものだ。玄海げんかい町まちでは、地域ちいきで議論ぎろんが進すすんでいて、議会ぎかいで請願せいがんが採択さいたくされたことなども踏ふまえ、できるかぎり多おおくの地域ちいきで調査ちょうさを実施じっししたいという国くにの思おもいに理解りかいと協力きょうりょくを求もとめるべきだと判断はんだんした」と述のべました。

そのうえで、原発げんぱつの立地りっち自治体じちたいである玄海げんかい町まちで「文献ぶんけん調査ちょうさ」の受け入うけいれが議論ぎろんされていることについては、「立地りっち地域ちいきでこうした議論ぎろんが行おこなわれたことは、敬意けいいと感謝かんしゃを申し上もうしあげたいが、最終さいしゅう処分しょぶんの問題もんだいは特定とくていの地域ちいきではなく、国くに全体ぜんたいで考かんがえていくべき課題かだいだ。より多おおくの地域ちいきで関心かんしんを持もってもらえるよう引き続ひきつづき全力ぜんりょくで取り組とりくむ」と話はなしました。

また、申し入もうしいれのあと非公開ひこうかいで行おこなった会談かいだんで、脇山わきやま町長ちょうちょうに対にたいし、齋藤さいとう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじんと面会めんかいして直接ちょくせつ考かんがえを伝つたえることを持もちかけたということで、脇山わきやま町長ちょうちょうも応おうじる考かんがえを示しめしたことから、今後こんご、面会めんかいの日程にっていを調整ちょうせいする考かんがえを示しめしました。