中国ちゅうごくの習近平ちから国家こっか主席しゅせきは、今月こんげつ10日にちまでの日程にっていで、フランス、セルビア、それにハンガリーの3か国かこくを訪問ほうもんする予定よていで、日本にっぽん時間じかんの5日にち夜よるに最初さいしょの訪問ほうもん国こく、フランスのパリに到着とうちゃくしました。

中国ちゅうごく外務省がいむしょうによりますと、習主席しゅせきはこれにあわせて書面しょめんで談話だんわを発表はっぴょうし「今回こんかいの訪問ほうもんを通をつうじて、両国りょうこくの伝統でんとう的てきな友好ゆうこう関係かんけいを強化きょうかし、中仏ちゅうふつ関係かんけいのよりよい未来みらいを創造そうぞうすることを望のぞむ」としています。習主席しゅせきがヨーロッパを訪問ほうもんするのは5年ねんぶりです。

習主席しゅせきは日本にっぽん時間じかんの6日にち午後ごご、マクロン大統領だいとうりょうとの首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞみ、ことしでフランスとの国交こっこう樹立じゅりつから60年ねんとなることをふまえ、両国りょうこく関係かんけいのほか、ウクライナや中東ちゅうとうをめぐる情勢じょうせいなどについて意見いけんを交かわす見通みとおしです。

またフランスではマクロン大統領だいとうりょうに加くわえて、EU＝ヨーロッパ連合れんごうのフォンデアライエン委員いいん長ちょうを含ふくめた三さん者しゃでも会談かいだんし、中国ちゅうごくとEUの関係かんけいについて協議きょうぎする予定よていです。

両りょう首脳しゅのうは日本にっぽん時間じかんの7日にちには、南西なんせい部ぶのピレネー山脈さんみゃくの景勝けいしょう地ちを訪おとずれ、昼食ちゅうしょくをともにしながら、踏み込ふみこんだ意見いけん交換こうかんを行おこなうということです。

中国ちゅうごくとしては、ヨーロッパの主要しゅよう国こくで独自どくじの外交がいこう路線ろせんを重視じゅうしするフランスとの関係かんけいを強化きょうかし、対立たいりつが続つづくアメリカをけん制けんせいするねらいがあるとみられます。

専門せんもん家か “フランス側がわには経済けいざい面めんでの期待きたいが大おおきい”

中国ちゅうごくの対外たいがい関係かんけいに詳くわしいフランス国際こくさい関係かんけい戦略せんりゃく研究所けんきゅうじょの客員きゃくいん研究けんきゅう員いん、ジャンバンサン・ブリセ氏せしは、習近平ちから国家こっか主席しゅせきのフランス訪問ほうもんについて「フランス側がわには経済けいざい面めんでの期待きたいが大おおきい」と述のべ、ヨーロッパの大手おおて航空こうくう機きメーカー「エアバス」の旅客機りょかくきの購入こうにゅうなどがまとまることに期待きたいを寄よせているという見方みかたを示しめしました。

そして、フランスはアメリカなどと比くらべ、中国ちゅうごくとの厳きびしい対立たいりつから距離きょりをとっているとしたうえで「知的ちてき財産ざいさんなどをめぐる小規模しょうきぼな争あらそいは今後こんごも続つづくだろうが、大おおきな衝突しょうとつや和解わかいはない」と指摘してきし、今後こんごも経済けいざい分野ぶんやでの連携れんけいを深ふかめていくとしています。

一方いっぽうで、ウクライナ情勢じょうせいをめぐっては「欧米おうべいにとって、ウクライナでの戦争せんそうの終結しゅうけつとはウクライナの絶対ぜったい的てきな勝利しょうりだが、中国ちゅうごくにとって、それは停戦ていせんだ」と述のべ、ロシアに対にたいする中国ちゅうごくと欧米おうべいの立場たちばの違ちがいを埋うめるのは今後こんごも難むずかしいとしています。