欧州の記者やメディアが加わる調査報道企画は5日までに、域外から保護者の付き添いがなく欧州に到着後、姿を消した子どもの移民は過去3年で少なくとも5万1433人に達し、1日あたり約47人が行方不明になっているとする新たな報告書を公表した。
同企画「ロスト・イン・ヨーロッパ」は非営利事業で、欧州内で消息を絶った子どもの移民問題を追った。実際の不明者はより多いとし、この問題に関する記録収集が不十分で、一部の国はデータ作成にも一切着手していない現状に触れた。
同企画は欧州31カ国に情報提供を要請。調査の対象期間は2021年から23年末までで、行方不明と判断された子どものデータを求めた。回答を寄せたのは20カ国で、うち7カ国は関連データがないと説明。11カ国は返答しなかった。
21年のデータに基づく調査によると、18年1月から20年12月にかけて欧州に到着後、消息不明となった子どもは少なくとも1万8000人だった。
これら子どもの人数で最多だった国はイタリアとオーストリアで、それぞれ2万2899人と2万77人。ベルギー、ドイツやスイスなどが続いていた。