Báo tiếng Nhật: 【詳しく】新型コロナ「全数把握」見直しへ理由は? 変更点は?

新型しんがたコロナ対策たいさくをめぐり、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは24日にち、感染かんせん者しゃの「全数ぜんすう把握はあく」を見直みなおす方針ほうしんを明あきらかにしました。厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、早はやければ今月こんげつ中ちゅうにも運用うんようを開始かいししたいとしています。

なぜ見直みなおすのか、見直みなおしで何なにが変かわるのか、そして「負担ふたんが増ふえていた」という医療いりょう現場げんばや自治体じちたいの受け止うけとめなどについてまとめました。

【なぜ変かわるのか】

新規しんき感染かんせん者しゃの「全数ぜんすう把握はあく」は医療いりょう機関きかんが作成さくせいした患者かんじゃの「発生はっせい届とどけ」をもとに行おこなわれています。感染かんせん症しょう法ほうは、新型しんがたコロナウイルスを診断しんだんした医師いしに対にたいし、すべての患者かんじゃの氏名しめいや年齢ねんれい、連絡れんらく先さきなどの情報じょうほうを、「発生はっせい届とどけ」として保健所ほけんじょに提出ていしゅつするよう義務ぎむづけています。

国くにや自治体じちたいは「発生はっせい届とどけ」を集計しゅうけいして全国ぜんこくや地域ちいきごとの感染かんせん状況じょうきょうを把握はあくしてきたほか、保健所ほけんじょなどが「発生はっせい届とどけ」をもとに健康けんこう観察かんさつや入院にゅういん先さきの調整ちょうせいを行おこなっています。

「発生はっせい届とどけ」の提出ていしゅつは国くにが導入どうにゅうした「HER－SYS(ハーシス)」と呼よばれるシステムを使用しようして行おこなわれますが「第だい7波は」で感染かんせん者しゃが急増きゅうぞうし、入力にゅうりょくや確認かくにんの作業さぎょうが医療いりょう機関きかんや保健所ほけんじょの業務ぎょうむ負担ふたんとなっていました。

医療いりょう現場げんばからは、コロナ患者かんじゃ対応たいおうに集中しゅうちゅうさせてほしいと、見直みなおしを求もとめる声こえが高たかまっていました。

【変更へんこう点てんは】

今回こんかいの見直みなおしでは、自治体じちたいの判断はんだんで「発生はっせい届とどけ」が必要ひつようとする対象たいしょうを、高齢こうれい者しゃや重症じゅうしょう化かリスクが高たかい人ひとなどに限定げんていできるようにしました。

若者わかものなど対象たいしょう外がいとなった人ひとについても感染かんせん者しゃの総数そうすうと年代ねんだい別べつの人数にんずうを把握はあくするとしています。感染かんせん者しゃ数すうの集計しゅうけいは続つづけられることになるため、感染かんせん状況じょうきょうは引き続ひきつづき把握はあくできますが、「発生はっせい届とどけ」の対象たいしょう外がいの人ひとが自宅じたく療養りょうよう中ちゅうに体調たいちょうが悪化あっかしても気付きづきにくくなるなどの懸念けねんもあります。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは発熱はつねつ外来がいらいや保健所ほけんじょの業務ぎょうむが極きわめて切迫せっぱくした地域ちいきでは、都道とどう府県ふけんから届け出とどけでがあった場合ばあい「発生はっせい届とどけ」の対象たいしょうを限定げんていする措置そちを順次じゅんじ、実施じっし可能かのうにするとしています。

一方いっぽう、定点ていてんとなる医療いりょう機関きかんを指定していして定期ていき的てきに報告ほうこくを求もとめる「定点ていてん把握はあく」については具体ぐたい的てきな制度せいど設計せっけいに時間じかんが必要ひつようなことなどから第だい7波はが収おさまった後のちで、検討けんとうする方針ほうしんです。

【見直みなおしの経緯けいいは】

「HER－SYS」のシステムの運用うんようはおととしから始はじまり、開始かいし当初とうしょに入力にゅうりょく項目こうもくはおよそ120ありました。

入力にゅうりょく項目こうもくはこれまでに段階だんかい的てきに削減さくげんされ、現在げんざい、最もっとも入力にゅうりょく項目こうもくが少すくない重症じゅうしょう化かリスクの低ひくい患者かんじゃについては、◇氏名しめい、◇性別せいべつ、◇生年月日せいねんがっぴ、◇市区しく町村ちょうそん名めい、◇電話でんわ番号ばんごう◇医療いりょう機関きかんからの報告ほうこく日び、◇症状しょうじょうの有無うむなどといった診断しんだん類型るいけいの7つの項目こうもくまで絞しぼりました。

しかし、いわゆる「第だい7波は」で感染かんせん拡大かくだいが続つづく中なか、医療いりょう現場げんばや自治体じちたいなどからさらに見直みなおしを求もとめる声こえが相次あいついだ状況じょうきょうを受うけ、先さきの内閣ないかく改造かいぞうで新あらたに就任しゅうにんした加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんと全国ぜんこく知事ちじ会かいの会長かいちょうを務つとめる鳥取とっとり県けんの平井ひらい知事ちじらがオンラインで会談かいだん。平井ひらい知事ちじは全数ぜんすう把握はあくについて「必要ひつよう性せいは理解りかいしているが、現場げんばは夜よる遅おそくまで入力にゅうりょく作業さぎょうをしなければならない。これまでも入力にゅうりょく項目こうもくを緩和かんわしてもらったが　さらに踏み込ふみこんでほしい。第だい7波はが終おわってからではなくすぐに取り組とりくんでほしい」と直ただちに見直みなおすよう要望ようぼうしました。

さらに日本にっぽん医師いし会かいからも同様どうようの要望ようぼうが寄よせられました。これを受うけて加藤かとう大臣だいじんは、先週せんしゅうの国会こっかい審議しんぎで「医療いりょう機関きかんの負担ふたんを減少げんしょうしながら、全数ぜんすう把握はあくの目的もくてき・機能きのうをどのように残のこしていくのか、専門せんもん家かや医療いりょう現場げんばから話はなしを聞ききながら検討けんとうしている状況じょうきょうだ」と述のべ、速すみやかに対応たいおうする考かんがえを示しめしていました。

【厚あつ労相ろうしょう ”速すみやかに届け出とどけでの受付うけつけを始はじめる”】

加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは24日にち夜よる、厚生こうせい労働ろうどう省しょうで開ひらいた記者きしゃ会見かいけんで「届け出とどけでた都道とどう府県ふけんは、日にちごとの感染かんせん者しゃ数すうの総数そうすうと年代ねんだい別べつの総数そうすうを毎日まいにち公表こうひょうしていただくことを前提ぜんていに、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんが定さだめる日ひから届け出とどけでの対象たいしょうを▽65歳さい以上いじょう▽入院にゅういんを要ようする方かた▽重症じゅうしょうリスクがありコロナの治療ちりょう薬やくの投与とうよや酸素さんそ投与とうよが必要ひつようと医師いしが判断はんだんする方かた▽妊婦にんぷの方ほうに限定げんていできるようする」と述のべました。

そのうえで関係かんけいする省令しょうれいの改正かいせいについて、24日にちの厚生こうせい労働ろうどう省しょうの審議しんぎ会かいで了承りょうしょうが得えられれば、25日にちに省令しょうれいを公布こうふし速すみやかに都道とどう府県ふけん向むけの説明せつめい会かいを実施じっしして届け出とどけでの受け付うけつけを始はじめる考かんがえを示しめしました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、届け出とどけでを受うけて事務じむ手続てつづきを進すすめ、早はやければ今月こんげつ中ちゅうにも運用うんようを開始かいししたいとしています。

また加藤かとう大臣だいじんは「全国ぜんこくベースでの見直みなおしについては今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうの推移すいいなどを見極みきわめたうえで検討けんとうしていきたい」と述のべました。

【医療いりょう機関きかんからは負担ふたん軽減けいげんに期待きたいの声こえ】

感染かんせんが拡大かくだいした7月つき中旬ちゅうじゅん以降いこう、連日れんじつ70人にんから100人にんの患者かんじゃを診察しんさつしている東京とうきょう・世田谷せたがや区くにあるクリニックの発熱はつねつ外来がいらいでは、24日にちも発熱はつねつ外来がいらいには発熱はつねつやのどの痛いたみなどの症状しょうじょうを訴うったえる患者かんじゃが検査けんさを受うけ、薬くすりを処方しょほうしてもらっていました。

このクリニックでは1日にち50件けん以上いじょうの発生はっせい届とどけを入力にゅうりょくする日ひもあり、24日にちも看護かんご師しが診察しんさつの合間あいまや昼休ひるやすみに、陽性ようせいになった人ひとの名前なまえや電話でんわ番号ばんごう、基礎きそ疾患しっかんがあるかなどの入力にゅうりょく作業さぎょうをしていました。入力にゅうりょくには1件けん当あたり5分ふんほどかかり、クリニックでは1日にち3時間じかん前後ぜんごを作業さぎょうに費ついやしているとということです。

「クリニックプラス下北沢しもきたざわ」の長谷ながたに啓あきら院長いんちょうは「看護かんご師しも受付うけつけも常つねに走り回はしりまわっているような状況じょうきょうで、発生はっせい届とどけにも時間じかんと人員じんいんが取とられていたが、少すこしでも負担ふたんが軽減けいげんされると現場げんばとしては期待きたいしている」と話はなしていました。一方いっぽう、「患者かんじゃの中なかには若わかい人ひとや基礎きそ疾患しっかんのない人ひとで軽症けいしょうだったのに状態じょうたいが悪わるくなる人ひともゼロではなかったので、届け出とどけでの対象たいしょうではない人ひとも健康けんこう観察かんさつをしながらケアが必要ひつような人ひとを見極みきわめていきたい」と話はなしていました。

【見直みなおし受うけ各かく知事ちじの反応はんのうは】

全国ぜんこく知事ちじ会かいの会長かいちょうを務つとめる平井ひらい知事ちじは、山際やまぎわ担当たんとう大臣だいじんと会談かいだんし政府せいふが感染かんせん者しゃの全数ぜんすう把握はあくを見直みなおす方針ほうしんを決きめたことについて「知事ちじ会かいの要求ようきゅうに応こたえていただいたことに感謝かんしゃする。ただ、この対応たいおうが感染かんせん対策たいさくを緩ゆるめるものだと国民こくみんに誤解ごかいされないようしっかりPRしてほしい」と述のべました。

これに対にたいし、山際やまぎわ大臣だいじんは「感染かんせんが収おさまらない中なか、どう社会しゃかい経済けいざい活動かつどうを止とめずに前まえに進すすむかは難むずかしい課題かだいだが、お盆おぼんや学校がっこう再開さいかいの影響えいきょうなどを議論ぎろんしながら有効ゆうこうな対策たいさくをどう打うつか、さらに密みつに自治体じちたいと連携れんけいしていきたい」と述のべました。

会談かいだんのあと平井ひらい知事ちじは、記者きしゃ団だんに対にたいし「知事ちじ会かいとしては『早はやく全数ぜんすう把握はあくを見直みなおしてほしい』と先月せんげつ末まつから求もとめていたので、首くびを長ながくして待まっていた。きょう示しめされたことは評価ひょうかに値あたいする」と述のべました。

東京とうきょう都との小池こいけ知事ちじは24日にち午後ごご、都庁とちょうで記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ「総理そうり大臣だいじんが発表はっぴょうしたということだがもう少もうすこしよく確認かくにんしていかなければならない。都とは他た県けんの何なん千せん件けんもの届け出とどけでも手続てつづきしているなどの状況じょうきょうもあり、緊急きんきゅうで手てを挙あげるというところに今いま、至いたっているわけではない」と述のべ、政府せいふの方針ほうしんをよく確認かくにんしたうえで都との対応たいおうを判断はんだんする考かんがえを示しめしました。そのうえで「根本こんぽんの問題もんだいは電子でんしカルテと「HER－SYS」が連動れんどうしていないなどのシステムの問題もんだいだ。国くにはこれからも続つづくかもしれない感染かんせん症しょうに備そなえるという大おおきな観点かんてんの戦略せんりゃくが必要ひつようなのではないか」と指摘してきしました。

大阪おおさか府ふの吉村よしむら知事ちじは「全数ぜんすう把握はあくが保健所ほけんじょや医療いりょう機関きかんの負担ふたんになっているのは間違まちがいなく、負担ふたんを軽減けいげんしたいという思おもいがある。重症じゅうしょう化かのリスクが高たかい人ひとを守まもることが重要じゅうようで、見直みなおしには賛成さんせいだ」と述のべました。

一方いっぽうで「報告ほうこくの対象たいしょうから外はずれた人ひとたちの医療いりょう費ひの公費こうひ負担ふたんがどうなるのかや、宿泊しゅくはく療養りょうよう施設しせつへの入所にゅうしょや配はい食しょくサービスなどの支援しえんの手続てつづきをどのように行おこなうのか、仕組しくみが分わからないと判断はんだんしづらい」と述のべ、具体ぐたい的てきな見直みなおしの内容ないようを確認かくにんしたうえで、対応たいおうを検討けんとうする考かんがえを示しめしました。