また、ロシアが7月に完全掌握を宣言した東部ルハンシク州のリシチャンシクから、隣接するドネツク州のシベルシクにかけての地域で「よい前進があった」と述べ、奪還に向けた作戦が進展していると強調しました。
これに対し、ロシア国防省は4日「ウクライナ軍の試みは失敗続きだ」として、ロシア軍が撃退していると主張しています。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、「ウクライナ軍の反転攻勢は南部と東部で進展を遂げている。また、ロシア軍は必要な物資が欠乏し、指揮統制が混乱し、兵士の士気が低下している」として、ウクライナ軍が新たな攻勢で一定の戦果を出しているという分析を示しました。
また、イギリス国防省は5日、ロシアは政治的な目的から、ドネツク州の全域掌握に執着していると指摘したうえで「ロシア軍は今月15日までに任務を完了するよう命令を受けていると、ウクライナ側はみている。しかし、これが達成される可能性は非常に低く、ロシアが計画する占領地域での住民投票の実施をさらに困難にしている」と分析しています。
ロシア側は当初、支配を強める東部2州や南部ヘルソン州などで、一方的な併合に向けた住民投票を今月11日にも行おうと準備を進めてきたとみられていますが、このうちヘルソン州の親ロシア派の幹部は5日、ロシアの国営メディアに対し「投票の準備をしてきたが、中断するつもりだ」と述べ、治安上の理由からヘルソン州では中断する考えを示しました。
ウクライナ側の大規模な反撃を前に、住民投票について計画どおりの実施が難しくなっているものとみられます。