角川会長は「角川書店」創業者の角川源義氏の次男で、数多くの映画製作に関わり、日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞したほか、日本雑誌協会の理事長なども歴任しました。
特捜部はこれまでの捜索で押収した資料を分析するなどして実態解明を進めるものとみられます。
角川会長は今月5日、KADOKAWAが捜査を受けていることについて「本当に思いがけない感じで戸惑っていることばかりだ。事実関係は僕には分からない」としたうえで、賄賂の認識については「全くありません」と強く否定していました。
早稲田大学を卒業後、1966年に角川書店に入社し「ザテレビジョン」や「東京ウォーカー」などの情報誌や「角川スニーカー文庫」などライトノベルの事業を立ち上げました。 数多くの映画の製作に関わり、1998年には日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞したほか、日本雑誌協会の理事長や政府の知的財産戦略本部のメンバーなどを歴任しました。 東京オリンピックの聖火リレーでは、再現された「遣唐使船」を所有する角川文化振興財団の理事長として、長崎市でランナーを遣唐使船に乗せて聖火を運ぶ企画にも関わりました。 角川氏は先月、NHKの取材に対し「高橋元理事とは組織委員会で初めて会っただけで、どういう人物かはよく知らなかった。そもそも自分はオリンピックへの思いは低かった」と話していました。
創業当初は文芸作品を中心に手がけていましたが、1970年代からはエンターテインメント路線にも力を入れ、小説や映画、ライトノベルなど複数のメディアを組み合わせてコンテンツを発信する「メディアミックス」でさまざまなヒット作を生み出してきました。 2014年には動画配信サイト「ニコニコ動画」を運営する「ドワンゴ」と経営統合するなど事業の多角化を進め、ことし3月期のグループ全体の売上高は2212億円に上ります。
KADOKAWAから7600万円が振り込まれたのは東京 中央区のコンサルタント会社で、この会社の代表の深見和政容疑者は高橋元理事の共犯として受託収賄の疑いで逮捕されています。 関係者によりますと深見代表は逮捕前「KADOKAWAが大会スポンサーに決まる数年前に、KADOKAWAから『スポンサーになりたい』と相談され、一緒に元理事と面会した」と周囲に話していたということです。 その後、高橋元理事が関与する形で、出版業界ではKADOKAWAとほかの大手の合わせて2社が総額5億円を支出する方向で検討され、最終的に組織委員会とは、KADOKAWA1社が2億8000万円で契約を結んだということです。 元理事は当初、この大手2社からの手数料として5億円の20%にあたる合わせて1億円を深見代表のコンサルタント会社で受け取ることを計画し、組織委員会にも伝えていた疑いがあるということです。 KADOKAWAは2019年に大会スポンサーになったあと、深見代表の会社とコンサルタント契約を結び、総額7600万円を支払います。 この契約は、東京大会のほか、大阪・関西万博や、カジノを含むIR=統合型リゾート施設などの分野でKADOKAWAがアドバイスを受ける内容だったということです。 しかし、この契約に金額に見合う業務の実態はなかった疑いがあるということで特捜部は、コンサルタント契約を装う形でKADOKAWAから元理事に賄賂が提供されたとみて、実態解明を進めているものとみられます。
KADOKAWA「厳粛に受け止める」
角川歴彦会長とは
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