フランスで
開かれた
G7=
主要7か国外相会合は
日本時間の
6日夜閉幕しました。
G7各国の
外相は
中国への
対応について、
知的財産の
侵害や
不公正な
貿易慣行への
懸念を
共有し、
自由で
開かれた
ルールに
基づく国際秩序への
責任ある参加を
促して
いくなどとする
共同声明を
発表しました。フランス
北西部のディナールで
開かれた
G7外相会合には、
アメリカのポンペイオ
国務長官を
除く各国の
外相が
出席し、アメリカからはサリ
バン副長官が
代理で
出席しました。
日本時間の6日夜、2日間の日程を終えて閉幕し、共同声明が発表されました。
共同声明では、巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国への対応について、知的財産の侵害や不公正な貿易慣行への懸念を共有し、自由で開かれたルールに基づく国際秩序への責任ある参加を促していくとしています。
さらに中国による海洋進出を念頭に、東シナ海や南シナ海の状況への深刻な懸念を示し、自由で開かれたインド太平洋地域を維持する重要性を確認したとしています。
一方、北朝鮮に対しては、アメリカとの対話の継続を要請するとしたうえで、G7各国は核・ミサイルの完全な廃棄を実現するために結束し、洋上で物資を積み替える、いわゆる「瀬取り」などの北朝鮮による制裁回避への対策を強化するとしています。
また拉致問題の即時解決を求めていくことも盛り込まれました。
このほかウクライナをめぐって、ロシアによる南部のクリミア併合を認めない姿勢を改めて確認するとともに、ウクライナ海軍の艦船が拿捕された事件でロシアの行動に最大限の懸念を示し、拘束されている乗組員の解放を求めています。
また、INF=中距離核ミサイルの全廃条約でロシアが重大な違反状態にあると判断し、離脱の通知をしたアメリカとG7各国が問題意識を共有し、ロシアに対し、完全で検証可能な条約順守への回帰を求めるとしています。
シリア情勢では、シリア国民に対する政府による継続的な弾圧に深い懸念を表明し、国際社会に対し政治プロセスへの支援を要請するとしています。
さらに政治的な混乱が続く南米ベネズエラをめぐっては、自由で透明性のある、信頼のおける大統領選挙を早期に実施すべきだとしています。
河野外相「中国に関する関心は非常に強くなった」
河野外務大臣は、記者団に対し「国際社会が直面する喫緊の課題や地域情勢についてきたんなく意見交換することができた。G7による重要課題に対する認識の一致に日本としても貢献することができた。G20大阪サミットにしっかり、つなげていきたい」と述べました。
そのうえで河野大臣は「先般、習近平国家主席がヨーロッパを訪問したこともあり、中国とどのようにつきあっていくかをEUあるいはEU各国が盛んに議論し始めているという感じを強く受けた。去年に比べると、中国に関する関心は非常に強くなったと言っていいと思う」と述べました。
一方アメリカのポンペイオ国務長官が外相会合を欠席し、代理の出席となったことについて「志を同じくする国の集まりということでG7の重要性はむしろ増している。サリバン副長官はしっかりとした権限をもって今回の議論に参加し、発言していた。貢献という意味では遜色はなかった」と述べました。