日産自動車のゴーン
前会長が
特別背任の
疑いで
再逮捕された
事件で、
日産の
資金が
前会長側に
還流していたことをうかがわせるメールの
詳しいやり取りが
関係者への
取材で
明らかになりました。
東京地検特捜部は
日産の
資金が
支出されたオマーンの
販売代理店の
経理書類も
入手しているということで、
不正な
資金の
還流を
裏付けるものとみて
調べています。
日産自動車の
前会長、カルロス・ゴーン
容疑者(65)はオマーンの
販売代理店に
日産から
支出させた
資金の
一部をみずからが
実質的に
保有するレバノンのペーパーカンパニーに
還流させていたとして、
特別背任の
疑いで
東京地検特捜部に
再逮捕されました。
ペーパーカンパニーは、前会長と親しいレバノンの弁護士が設立して口座などを管理し、代理店のインド人幹部の個人口座などを通じて日産の資金が送金されたとみられていますが、特捜部が代理店の経理資料や資金移動に関するメールを入手し、その詳しいやり取りが関係者への取材で明らかになりました。
それによりますと、弁護士はおととし4月、代理店のインド人幹部に「ことし受け取る予定の金額は125万ドルです」と金額を指定するメールを送り、翌5月にも「送金についての情報はありますか?」などとメールで問い合わせていたということです。
この問い合わせの翌日、125万ドルが代理店から代理店の株主口座に移され、その後、同額がインド人幹部の個人口座を通じてペーパーカンパニーの口座に送金されていたということです。
そして、弁護士は125万ドルの送金を確認するとすぐにゴーン前会長にメールで報告し、前会長は「ありがとう」と返信していたということです。
日産から代理店には、このやり取りの翌月の7月に500万ドルが送金され、特捜部はこの中に代理店が前会長側に先払いした125万ドルが含まれているとみて再逮捕しました。
特捜部は、不正な資金の還流を裏付けるメールのやり取りとみて捜査を進めています。