北朝鮮のキム・ジョンウン(
金正恩)
朝鮮労働党委員長が24
日午前、
専用列車でロシアに
入りました。
北朝鮮の
最高指導者がロシアを
訪れるのは
およそ8年ぶりで、キム
委員長は
このあと
極東のウラジオストクに
向かい、25
日、プーチン
大統領と
初の
首脳会談に
臨みます。
北朝鮮のキム
委員長を
乗せた
専用列車は、
日本時間の24
日午前9時半すぎ、
北朝鮮とロシアの
国境のトゥマン(
豆満)
川にかかる
橋を
越えて、ロシア
側のハサン
駅に
到着しました。
NHKが入手した映像ではキム委員長が、列車とホームの間に設置された階段を降り、右手で帽子を取って出迎えた人たちにあいさつしていました。
駅のホームには赤いじゅうたんが敷かれ、ロシア外務省のモルグロフ次官などロシア政府の高官が出迎えている様子がわかります。
キム委員長は、両国の友好を記念して建てられた「キム・イルソン(金日成)の家」とも呼ばれる施設を訪問したあと、再び専用列車に乗り込み、国境から300キロ余り離れた極東の中心都市ウラジオストクに向かっています。
北朝鮮の最高指導者がロシアを訪問するのは、キム委員長の父親のキム・ジョンイル(金正日)総書記が2011年8月に訪れて以来、およそ8年ぶりです。
キム委員長は24日午後、ウラジオストクに到着し、25日ロシアのプーチン大統領と初めての首脳会談に臨む予定で、朝鮮半島の非核化をめぐってどのような意見が交わされるかが焦点です。
なぜ列車で?
キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、ことし2月の米朝首脳会談のために訪れたベトナムに続いて、ロシアにも専用列車で向かいました。
その理由の1つとしては、移動の安全性を考慮したことがありそうです。
キム委員長の専用機である旧ソビエト製のジェット旅客機、イリューシン62型は1993年に生産が終了しており、老朽化が指摘されています。
去年6月にシンガポールで行われた初めての米朝首脳会談の際、キム委員長は中国国際航空のチャーター機で現地を訪れましたが、再び外国の力を借りることを避けた可能性もありそうです。
また、経済の立て直しに力を入れているキム委員長が、列車からロシアの経済発展の状況を確認することが目的になっていることも考えられます。
さらに、長時間、列車に乗って出発から到着まで世界のメディアから注目を集めることで、みずからの存在感を誇示したいという思惑もあるとみられます。
ウラジオストク駅周辺では
北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が24日午後、列車で到着するとみられるウラジオストク駅の周辺では、朝から警察官がところどころに配置され、車の通行が制限されるなど、徐々に警備が強化されています。
また、駅の正面の高台には、キム委員長の姿をカメラでとらえようと、ロシアや日本、それに韓国などの報道関係者が大勢集まっていて、関心の高さがうかがえます。
首脳会談が行われるウラジオストクでは、駅の周辺などさまざまな場所に北朝鮮とロシアの国旗が掲げられ、キム委員長を迎える準備が進められています。