気象庁によりますと、沖縄県の与那国島を中心に暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になり、局地的に雨雲が発達しています。
与那国町付近ではレーダーによる解析で午前9時50分までの1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しました。
与那国町では13日朝から猛烈な雨が降り続いていて、気象庁は午前8時半すぎ、「50年に一度の記録的な大雨になっている」という情報を発表しました。
与那国空港では午前9時までの3時間の雨量が273.5ミリに達し、平成15年に統計を取り始めてから最も多くなっています。
与那国町では土砂災害の危険性が高まり、土砂災害警戒情報が発表されています。
与那国町では13日昼ごろにかけて猛烈な雨が降るおそれがあり、気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風にも注意し安全を確保するよう呼びかけています。
「傘さしても滝のように全身ぬれる」
与那国町役場の職員はNHKの取材に対して「雨がかなり激しく降っていて、傘をさしても滝のように全身がぬれてしまうくらいの雨だ。町の一部では冠水も起きていて、外を歩いている人は見当たらず、車もいつもより少ない」などと話していました。
「家から出られそうにない」
与那国町の祖納地区の住民は午前9時ごろのNHKの取材に対し、「雨は夜中から降り続き、朝に一度、小降りになったものの、その後、たたきつけるようにずっと降り続いていて、家から出られそうにない」などと話していました。
大雨の影響
与那国町役場によりますと、午前11時現在、大雨の影響で、町内に3つある集落を結ぶ主要な道路が冠水しているということです。
また、午前9時半に町の保健センターに避難所を開設し、2世帯2人が避難しているということです。
このほか、比川小学校が児童に対して、自宅での待機を呼びかけているということです。
空の便 3便に影響
猛烈な雨のため、13日朝に那覇空港から与那国空港に向かっていた琉球エアコミューターの便が、視界不良で新石垣空港に目的地を変更し、与那国からの折り返し便の欠航が決まりました。
また、新石垣から与那国に向かう1便の欠航が決まっています。
航空会社は、今後の運航については天候の状況を見て判断するとしています。