ｉＰＳ細胞さいぼうで心臓しんぞう病びょうの治療ちりょう治験ちけん申請しんせいへ 阪大はんだいの研究けんきゅうグループ

グループは、「心筋しんきんシート」を使つかった手術しゅじゅつを、より早はやく実用じつよう化かを目め指させる治験ちけんとして実施じっししたいと大阪おおさか大学だいがくの審査しんさ委員いいん会かいに申請しんせいし、23日にちまでに承認しょうにんされたということです。これを受うけてグループは、今月こんげつ中ちゅうに治験ちけんの実施じっしを国くにの審査しんさ機関きかんに申請しんせいすることにしています。

この治療ちりょう法ほうは当初とうしょ、臨床りんしょう研究けんきゅうとして国くにの審査しんさで了承りょうしょうされ、準備じゅんびが進すすめられてきましたが、グループでは、その後そのごに進すすんだ細胞さいぼうを培養ばいようする技術ぎじゅつなどを踏ふまえ、手術しゅじゅつを治験ちけんとして行おこない、安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいを確認かくにんすることにしたということで、保険ほけんが適用てきようされる一般いっぱん的てきな治療ちりょう法ほうとして確立かくりつするのが早はやまるのではないかと期待きたいされています。

ｉＰＳ細胞さいぼうを使つかった心臓しんぞう病びょう治療ちりょうの手術しゅじゅつは世界せかいで初はじめてで、申請しんせいが認みとめられれば今年度こんねんど内ないをめどに１いち例れい目めの患者かんじゃの手術しゅじゅつを実施じっししたいとしています。

ｉＰＳ再生さいせい医療いりょう応用おうようの現状げんじょうは？

京都大きょうとだい学がくの山中やまなか伸しん弥わたる教授きょうじゅが開発かいはつしたｉＰＳ細胞さいぼうは、国内こくない各地かくちの大学だいがくなどで、体からだの失うしなわれた機能きのうを取り戻とりもどす再生さいせい医療いりょうへの臨床りんしょう応用おうようが進すすめられています。

５ご年ねん前まえには世界せかいで初はじめて、神戸こうべ市しにある理化りか学がく研究所けんきゅうじょなどのチームが「加か齢よわい黄き斑むら変性へんせい」という重おもい目めの病気びょうきを対象たいしょうに行おこない、ｉＰＳ細胞さいぼうから作つくった目めの網膜もうまくの組織そしきを移植いしょくし、現在げんざいは安全あんぜん性せいや効果こうかなどの評価ひょうかが行おこなわれています。

また、去年きょねん11月つきには、京都大きょうとだい学がくのグループが体からだが動うごかなくなる難病なんびょうのパーキンソン病びょうの患者かんじゃの脳のうにｉＰＳ細胞さいぼうから作つくった細胞さいぼうを移植いしょくする手術しゅじゅつを行おこなったほか、ことし７月しちがつには大阪おおさか大学だいがくのグループがｉＰＳ細胞さいぼうから作つくった目めの角膜かくまくの組織そしきを患者かんじゃに移植いしょくして、視力しりょくの回復かいふくを目指めざす臨床りんしょう研究けんきゅうを始はじめています。

このほか、国くにの審査しんさが終おわり、実施じっしに向むけた準備じゅんびが進すすめられている臨床りんしょう研究けんきゅうもあります。京都大きょうとだい学がくの別べつのグループは血液けつえきの病気びょうきの患者かんじゃにｉＰＳ細胞さいぼうから作つくった血小板けっしょうばんを投与とうよする臨床りんしょう研究けんきゅうを行おこなう予定よていです。

さらに慶応けいおう大学だいがくのグループは事故じこなどで脊髄せきずいを損傷そんしょうし、体からだが動うごかせなくなった患者かんじゃにｉＰＳ細胞さいぼうから作つくった神経しんけいのもとになる細胞さいぼうを移植いしょくし、機能きのうの回復かいふくを目指めざす臨床りんしょう研究けんきゅうを計画けいかくしています。