ウクライナ
南部のヘルソン
州をめぐり、ロシア
国防省は11
日、
州都ヘルソンを
含む地域から
部隊の
撤退を
完了したと
発表しました。ウクライナ
側の
議会の
議員は「
州都ヘルソンは
ほぼウクライナ
軍の
支配下に
ある」としていて、ウクライナ
軍は、ロシア
軍の
警戒を
続けながらヘルソンの
奪還を
進めているとみられます。
ウクライナ南部のヘルソン州をめぐり、ロシア国防省は、州都ヘルソンを含むドニプロ川の西岸地域から軍の部隊を撤退させると決定し、10日、対岸の東側に向けて移動を始めたと明らかにしていました。
またアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、「ウクライナ軍は10日、着実に前進した」と指摘する一方、「ロシア軍の撤退完了まで一定の時間がかかり、特にウクライナ軍は州都ヘルソン周辺でロシア軍が準備した防衛線と対じすることになり、州全体でも戦闘が続くだろう」として、当面、激しい攻防が続くと分析していました。
こうした中、ロシア国防省は11日、日本時間の11日午前11時までに州都ヘルソンを含む地域からドニプロ川の東岸へ部隊の撤退を完了したと発表しました。
国防省は州都ヘルソンを含む地域について、「ロシア軍の兵器や軍装備は1つも残されていない。兵士は全員が対岸に移った」と主張しています。
ウクライナ側「州都ヘルソン ほぼウクライナ軍の支配下に」
またウクライナの
首都キーウで11
日開かれた
記者会見で、ヘルソン
州の
議会の
議員は「
州都ヘルソンはほぼウクライナ
軍の
支配下に
ある」と
明らかにしました。
これに先立ちウクライナのレズニコフ国防相は10日、「ロシア軍はまだヘルソンとその周辺、そしてドニプロ川の西岸に残っていて、その数はおよそ4万人だ」と述べ、ロシア軍の部隊の多くはまだ撤退していないという分析を示していました。
このため、ウクライナ軍は、ロシア軍の動向の警戒を続けながら、ヘルソンの奪還を進めているとみられます。
一方、戦況を分析するイギリス国防省は11日、ロシア軍が先月10日以降、電力施設や水力発電のダムなどを標的に攻撃を行い、ウクライナは広範囲で被害を受け、特に首都キーウで影響が出ていると指摘しました。
そのうえで「ロシア軍は医療や暖房など重要機能に無差別に影響を与えている。軍事目標よりも重要なインフラ施設を優先して攻撃し、ウクライナ国民の士気をくじこうとする意図が強く感じられる」と分析しています。