この中で「特に重要なのは、アメリカと中国が共同で、核兵器を使用するといういかなる威嚇も容認できないと言及したことだ。このことばが誰に向けられているのか、誰もが理解している」と述べ、アメリカと中国の合意を歓迎しました。
ロシアのプーチン政権は、ウクライナへの軍事侵攻後、核戦力の使用も辞さない姿勢を示し、ウクライナや欧米側を繰り返し威嚇しています。
ロシアが占領していた8か月余りにわたり、ヘルソンで暮らしていたという女性は「この街にロシア軍がいなくなって、変化が起きたと感じた。ウクライナの人々が国旗を掲げたのを見て、ただただ泣いていた」と話していました。 そのうえで「ウクライナ政府の人とここで会って、ヘルソンは永遠にウクライナだと思った。ヘルソンはウクライナであり、これからもウクライナだ」と強調しました。 一方、ロシア軍が撤退する前に通信や電力、それに水道の施設など重要な社会インフラを破壊したことで、市民の生活に深刻な影響が及んでいます。 市内を流れるドニプロ川には、トイレや洗い物など生活に使うための水を求める市民が足を運び、プラスチックの容器にくんでいました。 水をくみにやってきた男性の1人は「卑劣なことをした人々は、報いを受けるべきだ」と述べ、ロシア側への怒りをあらわにしていました。
G20の首脳会議が開かれるのはロシアによるウクライナ侵攻後では初めてで、アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席のほか、ロシアからはプーチン大統領の代わりにラブロフ外相が出席する予定です。 初日の15日は、ウクライナ情勢を背景にした世界的なエネルギーや食料価格の高騰への対応などが議題となる予定ですが、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、各国の立場は大きく異なっています。 これまでの閣僚会議でも、インフレなどについて、ウクライナ侵攻が原因だとする欧米各国と、経済制裁が原因だとするロシアとが互いに非難しあう事態となり、議論は進展してきませんでした。 こうした中迎える首脳会議では、世界の分断が一層、浮き彫りになるおそれもあり、首脳たちが何らかの一致点を見いだせるのか議論の行方が注目されています。
そして、自身の生まれ故郷の集落を奪還し、現地に入ったときの状況について「今までの人生で、いちばん特別な出来事だった。住民と抱き合って喜んだ」と振り返りました。 一方で、ロシア軍の占領下にあった地域の状況について「水道はほとんど使えず、電気も通っていない。病院からも設備が盗まれた。あらゆる場所に地雷が設置されていて深刻な問題になっている。手足を失った人も目にした」と述べ、インフラの破壊に加え、ロシア軍が残していった地雷が、住民を危険にさらし、復旧に向けた脅威になっているとしてロシアを非難しました。 そのうえで、コステンコ氏は厳しい冬が迫る中、発電機などの確保が喫緊の課題になっていると訴えるとともに、地雷の除去に向けた日本の支援に期待を示しました。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は13日「プーチン大統領は、ヘルソンから撤退させたロシア軍を東部に投入しドネツク州全域を占領することを条件に、ヘルソンからの撤退を認めたとみられる。動員された兵士も到着するため、今後数週間、戦闘が激化するだろう」と分析しています。 そのうえで「双方は現在、足場が悪い泥の中で戦っているが、冬場に入ると地面が凍結し、機動部隊が進軍しやすくなる。気温が下がるにつれて、戦闘は激化する可能性が高くなる」と指摘し、冬を迎えると戦闘は一層、激しくなるという見通しを示しました。
ロシア側からは主要な情報機関の1つ、対外情報庁のナルイシキン長官が出席したということです。 ロシア大統領府のペスコフ報道官は会談があったことを認めたうえで「アメリカ側の呼びかけで行われた」と述べました。 一方、ロイター通信は14日、アメリカのホワイトハウスの報道官の話として、アメリカ側の参加者はCIA=中央情報局のバーンズ長官だと伝えています。 会談の目的について報道官は「ロシアが核兵器を使用した場合の結果に関するメッセージを伝えるためだ」と述べたということです。 ロイター通信によりますと、ことし2月、ロシアがウクライナに侵攻してから、アメリカとロシアの高官が直接、接触するのは今回が初めてだということです。
また、ヘルソン州内でのロシア軍の状況については「ドニプロ川の対岸で拠点を築いているが、攻撃の優位性を失っている。兵士の数が足りず士気も低い。ロシア軍がそこから攻撃する可能性もあるが、むしろウクライナ軍の反撃にさらされるだろう」と述べ、戦況はウクライナ側に有利になっていると分析しました。 そのうえで、カバネンコ氏は「ロシア軍は今後、動員した兵士の訓練を終え、兵器の修理もしてくる。このためウクライナ軍は待つべきではなく、勢いを保って前進していくだろう」と述べ、ウクライナ軍の反転攻勢が続くとの見通しを示しました。
そして、奪還の任務に当たった兵士たちに謝意を示すとともに、ロシア軍によって破壊された電力や通信インフラの復旧を急ぐ考えを示しました。 そのうえで、ゼレンスキー大統領は「われわれは、一時的に占領されている領土に一歩ずつ近づいている。困難で長い道のりになるだろうが、この戦争にはわが国の英雄たちが参加している」と述べ、さらなる領土の奪還を進めると強調しました。
“ヘルソンはウクライナであり これからもウクライナ”
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“ロシア軍が残した地雷が住民の脅威に”ウクライナ兵士が証言
今後数週間 戦闘激化か
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ゼレンスキー大統領 奪還したヘルソンを訪問