同じころ、およそ200メートル西の秦野市曽屋の路上で、30代の男性がイノシシに体当たりされて左足に軽いけがをしたほか、市内の各地で目撃情報が10件以上寄せられたということです。
イノシシは直後に近くの末広小学校の校庭に現れ、市の職員が駆けつけて駆除しました。
イノシシは雄で、体長およそ1メートル20センチ、体重80キロだったということで、市によりますと、今後、市内の飲食店でジビエとして提供されるということです。
現場は小田急小田原線の秦野駅からおよそ1キロ北の、住宅や商業施設がある市街地です。
そして、「自宅の周辺でもイノシシを見たことはあるが、今回はこれまで見たことのないような大きさだった。自分の方向に向かってきたので体が硬直した」と話していました。
午前10時すぎには、市中心部の大型の商業施設で高齢の女性がけがをし、その直後、イノシシは商業施設から南東に400メートルほどの小学校で、校庭の隅を歩いているのが見つかりました。 小学校によりますと、イノシシが入り込んだ時間は屋外で活動している児童はおらず、けがをした人はいませんでした。 通報を受け、警察官のほか、イノシシの駆除に慣れた市の職員などが駆けつけました。 職員たちは当初、電気ショックを与える器具を使いましたがうまくいかず、ベテランの職員がやりを使って駆除したということです。 秦野市農業振興課によりますと、市の郊外には山間部も多くイノシシや鹿、猿といった野生動物の目撃情報は時折寄せられるということですが、駅に近い中心市街地まで近づいてきて、人にけがをさせた事例は珍しいということです。 市では、駆除されたイノシシや鹿をジビエとして流通させる取り組みに力を入れていて、今回駆除されたイノシシも、食肉加工されたのち、市内の飲食店などで提供されるということです。
当時の状況について「電気を使ってしびれさせる器具が突き返されました。とても大きく、2、3回こっちに向かって突っ込んできたので危うい部分がありましたが、無事に捕獲できてよかったです」と時折身ぶりを交えながら振り返りました。 そして、「冬を前に、食べ物を探して山から下りてくるイノシシもいます。目撃したら、距離を取って近づかずにやり過ごし、市役所や警察に連絡してください」と話していました。
商業施設に居合わせた男性「見たことないような大きさ」
イノシシ 目撃情報から駆除までの動きは
やり使い駆除の職員「危うい部分あったが捕獲できてよかった」