アルツハイマー病びょうの新しん治療ちりょう薬やく 最終さいしゅう段階だんかいの臨床りんしょう試験しけんで有効ゆうこう性せい確認かくにん

臨床りんしょう試験しけんでは「レカネマブ」を投与とうよしたグループと、偽にせの薬くすりを投与とうよしたグループで認知にんち機能きのうの低下ていかに変化へんかがあるかを調しらべました。

そしてデータを詳くわしく分析ぶんせきした結果けっか、レカネマブを投与とうよしたグループでは偽にせの薬くすりのグループと比くらべて認知にんち機能きのうの低下ていかを7か月かげつ半はん、遅おくらせるとみられることが分わかったということです。

さらに別べつのシミュレーションでは「レカネマブ」の投与とうよによって、アルツハイマー病びょうがより軽度けいどの状態じょうたいで持続じぞくする期間きかんが、これまでよりも2年ねん半はんから3年ねん1か月かげつ、延長えんちょうされる可能かのう性せいが示唆しさされたということで、グループではこうしたことから、「介護かいご負担ふたんの軽減けいげんにつながる可能かのう性せいがある」としています。

一方いっぽう、安全あんぜん性せいについて臨床りんしょう試験しけんの期間きかん中ちゅうに死亡しぼうした人ひとの割合わりあいはレカネマブを投与とうよしたグループで0.7％、偽にせの薬くすりを投与とうよしたグループでは0.8％とほとんど差さはなかったということです。

また、その後そのごの試験しけんでは、レカネマブを投与とうよされた合あわせておよそ1600人にんのうち、2人にんが脳のうの出血しゅっけつで死亡しぼうしたと報告ほうこくされましたが、エーザイは、死亡しぼうした2人にんにもともと重大じゅうだいな合併症がっぺいしょうがあったこどなどから、「レカネマブによる死亡しぼうではないと評価ひょうかした」としています。

アルツハイマー病びょうになった患者かんじゃの脳のうでは「アミロイドβべ-た」と呼よばれる異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつがたまっていて、これによって神経しんけい細胞さいぼうが壊こわれると考かんがえられています。

アルツハイマー病びょうの治療ちりょう薬やくは、これまで神経しんけい細胞さいぼうに作用さようするなどして症状しょうじょうが悪化あっかするのを遅おくらせるものはありましたが、病気びょうきの進行しんこうそのものを抑おさえる薬くすりは国内こくないで承認しょうにんされているものはありません。

「レカネマブ」は「アミロイドβべ-た」が固かたまる前まえの段階だんかいで、人工じんこう的てきに作つくった抗体こうたいを結合けつごうさせて取り除とりのぞこうというもので、神経しんけい細胞さいぼうが壊こわれるのを防ふせぎ、病気びょうきの進行しんこうそのものを抑おさえる効果こうかが期待きたいされています。

ただ、壊こわれてしまった神経しんけい細胞さいぼうを再生さいせいさせることはできないため

▽発症はっしょうする前まえの「軽度けいど認知にんち障害しょうがい」の段階だんかいや

▽発症はっしょう後ご、早期そうきに投与とうよすることが重要じゅうようだとされています。