日本にっぽん企業きぎょう 生産せいさん拠点きょてん“国内こくない回帰かいき”の動うごき相次あいつぐ めんたいこ老舗しにせも

実じつは原料げんりょうとなる「スケソウダラ」の卵たまごの産地さんちはほとんどが外国がいこく産さんです。

業界ぎょうかい団体だんたいの「全国ぜんこく辛子からしめんたいこ食品しょくひん公正こうせい取引とりひき協議きょうぎ会かい」は、「スケソウダラ」の卵たまごの産地さんちについて、ロシア産さんが50％から60％、アメリカ産さんが30％から40％、日本にっぽん産さんが5％から10％だとしています。

「やまやコミュニケーションズ」では、主おもにロシア産さんのスケソウダラを原料げんりょうに使つかっているということです。

スケソウダラの漁場ぎょじょうはロシアとアメリカに挟はさまれるベーリング海べ-りんぐかいで、漁船ぎょせんの中なかで加工かこうした卵たまごは冷凍れいとう保存ほぞんされて韓国かんこくのプサン（釜山ぷさん）港みなとに運はこばれます。

「やまや」では、この卵たまごをプサン港こうからベトナムに輸送ゆそうし、生産せいさんを委託いたくしている現地げんちの工場こうじょうでいったん塩漬しおづけのたらこにしたあと、日本にっぽんに運はこんで、めんたいこに加工かこうし、販売はんばいしています。

このため、国内こくない販売はんばい分ぶんの生産せいさんを、来年らいねん4月つきに福岡ふくおか県けん篠栗ささぐり町まちに新設しんせつする自動じどう化かシステムを備そなえた工場こうじょうに移管いかんすることを決きめました。

コロナ禍かで起おきた世界せかい的てきな物流ぶつりゅうの混乱こんらんで、加工かこう品ひんの納入のうにゅうが遅おくれるリスクに直面ちょくめんしたことも、今回こんかいの判断はんだんを後押あとおししたということです。

会社かいしゃはおよそ40年ねんにわたって、韓国かんこくから中国ちゅうごく、そしてベトナムへと生産せいさん拠点きょてんを移うつしてきましたが、今後こんご、日本にっぽんで販売はんばいする商品しょうひんはすべて国内こくないで生産せいさんする方針ほうしんです。

このうち、産業さんぎょう用ようロボット大手おおての「安川やすかわ電機でんき」は、空調くうちょう機器ききなどの部品ぶひんの供給きょうきゅうが滞とどこおるリスクを避さけるため、福岡ふくおか県内けんないに新あらたな工場こうじょうを建設けんせつし、国産こくさんの比率ひりつを現在げんざいの倍ばいに引き上ひきあげる方針ほうしんです。

また、音響おんきょう機器ききメーカーの「JVCケンウッド」は、インドネシアで製造せいぞうしていた国内こくない向むけのカーナビの生産せいさんを、ことしから長野ながの県けんの工場こうじょうに移うつしています。

生活せいかつ用品ようひんメーカーの「アイリスオーヤマ」も、中国ちゅうごくで生産せいさんしているおよそ50種類しゅるいの製品せいひんについて、国内こくないの工場こうじょうに生産せいさんを移うつすことを決きめました。

さらに、アパレルメーカーの「ワールド」は、アジアなどでの人件じんけん費ひの高騰こうとうや物流ぶつりゅうコストの上昇じょうしょうを受うけて、デパート向むけの高こう価格かかく帯たいの商品しょうひんの生産せいさんを国内こくないの工場こうじょうに切り替きりかえることにしています。

こうした動うごきを後押あとおししようと、経済けいざい産業さんぎょう省しょうもサプライチェーンの強きょうじん化かのために、国内こくないに生産せいさん拠点きょてんを整備せいびする企業きぎょうを補助ほじょ金きんで支援しえんしています。

コロナ禍かでのサプライチェーンの混乱こんらんや、円えん安やすなどに伴ともなう海外かいがいでの製造せいぞうコストの上昇じょうしょう、それに経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうの問題もんだいなど、さまざまな課題かだいに直面ちょくめんする中なかで、日本にっぽん企業きぎょうの間まで生産せいさん拠点きょてんやサプライチェーンを見直みなおす動うごきが相次あいついでいます。