Japanese News: 40年超の美浜原発3号機が再稼働原発事故後全国初

40年ねん超ちょうの美浜みはま原発げんぱつ3号機ごうきが再さい稼働かどう原発げんぱつ事故じこ後ご全国ぜんこく初はつ

Jun 23, 2021 11:06

Furigana

運転うんてん開始かいしから40年ねんを超こえた福井ふくい県けんにある関西かんさい電力でんりょくの美浜みはま原子力げんしりょく発電はつでん所しょ3号機ごうきが23日にち午前ごぜん、原子げんし炉ろを起動きどうして再さい稼働かどうしました。10年ねん前まえの福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこのあと40年ねんを超こえた原発げんぱつが再さい稼働かどうするのは全国ぜんこくで初はつとなります。

東京とうきょう電力でんりょく、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこのあと、国内こくないの原発げんぱつは法律ほうりつで運転うんてん期間きかんが原則げんそく40年ねんに制限せいげんされていますが、国くにの審査しんさに通とおると例外れいがい的てきに最長さいちょう60年ねんまで運転うんてん延長えんちょうが可能かのうとなります。

運転うんてん開始かいしから44年ねんが経過けいかした関西かんさい電力でんりょくの美浜みはま原発げんぱつ3号機ごうきではことし4月つきに福井ふくい県けんが再さい稼働かどうに同意どういしたことを受うけて原子げんし炉ろの起動きどうに向むけた準備じゅんびが進すすめられてきました。

そして、国くにの検査けんさなどが終おわったことから23日にち、中央ちゅうおう制御せいぎょ室しつで関西かんさい電力でんりょくの運転うんてん員いんがパネルを操作そうさして核かく分裂ぶんれつ反応はんのうを抑おさえる制御せいぎょ棒ぼうの引き抜ひきぬきを開始かいしし、午前ごぜん10時じに原子げんし炉ろを起動きどうして美浜みはま原発げんぱつ3号機ごうきは再さい稼働かどうしました。

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこのあと国内こくないで40年ねんを超こえた原発げんぱつが再さい稼働かどうするのは全国ぜんこくで初はじめてです。

関西かんさい電力でんりょくによりますと作業さぎょうが順調じゅんちょうに進すすめば24日にち未明みめいに原子げんし炉ろで核分裂かくぶんれつ反応はんのうが連続れんぞくする臨界りんかい状態じょうたいに到達とうたつし、今月こんげつ29日にちには送電そうでんを開始かいしする見通みとおしです。

美浜みはま原発げんぱつ3号機ごうきはこの10年間ねんかん停止ていししていたことから関西かんさい電力でんりょくは起動きどうにあたって現場げんばの要員よういんを通常つうじょうの倍ばいに増ふやしているほか、福井ふくい県けんや地元じもと自治体じちたいも職員しょくいんを派遣はけんして監視かんし態勢たいせいを強化きょうかしています。

関西かんさい電力でんりょく社長しゃちょう「約やく10年ねんぶりの運転うんてん再開さいかい慎重しんちょうに作業さぎょう」

美浜みはま原子力げんしりょく発電はつでん所しょ3号機ごうきが再さい稼働かどうしたことを受うけて、関西かんさい電力でんりょくの森本もりもと孝たかし社長しゃちょうは「全国ぜんこくで初はじめて40年ねんを超こえて運転うんてんする原子力げんしりょく発電はつでん所しょであるとともに、およそ10年ねんぶりの運転うんてん再開さいかいとなることから、トラブルの未然みぜん防止ぼうしのための総そう点検てんけんを実施じっしするなど慎重しんちょうに作業さぎょうを進すすめています。引き続ひきつづき安全あんぜん最さい優先ゆうせんで慎重しんちょうに作業さぎょうを進すすめていきます」とコメントしています。

専門せんもん家か「絶対ぜったい安全あんぜんという保証ほしょうはどこにもない」

アメリカのGE＝ゼネラル・エレクトリック社しゃで原子げんし炉ろの設計せっけいなどに携たずさわっていた佐藤さとう暁あきらさんは、40年ねんを超こえた原発げんぱつが50基き近ちかく稼働かどうしているアメリカでは経年けいねん劣化れっかを検知けんちする仕組しくみを重点的じゅうてんてきに整備せいびしているといいます。

そのうえで、日本にっぽんもそうした仕組しくみを導入どうにゅうすべきだとしています。

「例たとえばケーブルであれば、放射線ほうしゃせんのレベルが高たかいとか温度おんどが高たかいとか、あるいは温度おんど変化へんかが激はげしいとかあれば、だんだんこの被覆ひふく材ざいにヒビが入はいってそういうことがあるわけですね。劣化れっかの傾向けいこうが、例たとえば電気でんき測定そくていをやっても全然ぜんぜん何なにも異常いじょうが出でてこないと言いう事ことはあります。なかなか経年けいねん劣化れっかというのは見みつけにくい現象げんしょうなので、今こんアメリカでやっているようにデータ的てきな分析ぶんせきにも力ちからを入いれないといけない。基本きほんは重大じゅうだい事故じこに至いたらしめないということが大事だいじなところなので、事故じこが起おこったあとの部分ぶぶんを強化きょうかしたということで慢心まんしんしてはいけない」と指摘してきしています。

そのうえで、現場げんばでの検査けんさが確実かくじつに実施じっしされているかをきちんと監視かんしすべきだとして「これからの20年間ねんかんは絶対ぜったい安全あんぜんですというような保証ほしょうはどこにもない。これからやっていかないといけないのは約束やくそくされた経年けいねん劣化れっか管理かんりを事業じぎょう者しゃが気きを抜ぬかないで実行じっこうしていく。一方いっぽう、規制きせい機関きかんがそういう事業じぎょう者しゃの活動かつどうを問題もんだいないかというのを検査けんさ制度せいどをもってしっかり監視かんししていく、これ以外いがいにない」と話はなしています。