50歳の男性は「アメリカは私たちを裏切り置き去りにした。今は支援もなく現金も銀行に凍結されている。人々は貧しく仕事もない」と不満を訴えました。
また57歳の男性は「タリバンが統治を始めてまだ1か月余りしかたっていないので、国内でのアルカイダやISの状況は把握できていないと思われ心配だ。統治の体制が整い平和になることを望んでいる」と話していました。
その理由として「タリバンは数万から十万単位の構成員からなる大きな組織で、イスラムの教えに反する問題には末端の構成員からの強い反発が予想される。さらに軍事部門が政治部門に対して強硬な姿勢を貫くよう圧力をかけているとみられ、タリバンが融和的な姿勢を示すことが難しいという構造的な問題がある」と指摘しました。
また、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織によるとみられる攻撃が相次いでいることについては「ISの地域組織はタリバンと敵対関係にあり、今後も攻撃を散発的に起こす可能性はある。一方で、すでに国内の支配領域を失っているとも見られていて軍事的に大規模な攻撃を連続して引き起こすような能力はないだろう」と分析しました。 そして「タリバンとアメリカはISに対する脅威の認識が共通している。今後両者が何らかの形で協力するということも想定される」と述べ、ISの排除に向けてアメリカとタリバンが協力する可能性にも言及しました。 そのうえで「20年前と比べて活動が低迷しているとはいえ、国際テロ組織アルカイダとの関係についても疑わしいと言わざるをえない。アフガニスタン国内に潜伏し国外に対して脅威を与えるという懸念はぬぐえず、引き続き十分な警戒が必要だ」と述べました。
専門家「妥協や譲歩の姿勢見られない」