ローマ教皇フランシスコは8日、バチカン市内で行った講話の中で、「いわゆる代理母出産は嘆かわしいと考える。女性と子どもの尊厳に対する重大な侵害であり、母親を物質的に必要とする状況に対する搾取に基づく」と発言しました。
フランシスコ教皇は「子どもは常に賜物(たまもの)であり、商業契約に基づくものであってはならない」と強調。代理母出産を一律に禁止するよう、国際社会の努力を期待すると述べ、「存在のあらゆる瞬間において、人の命は保全され、守られなければならない」と訴えました。
カトリック教会は以前から、体外受精による代理母出産には反対の立場でした。代理母出産は受胎を非人格化するもので、一部の受精卵を廃棄する行為は人工妊娠中絶に等しいと論じています。
代理母出産はイタリアなど複数の国で禁止されている。英国などは認めているものの、商業目的の代理母出産を禁止するといった規制があります。米国では州によって代理母出産に関する法律が異なります。