日本新聞: 国内初 iPS細胞を使ったがんの治療法の治験始まる

国内こくない初はつ iPS細胞さいぼうを使つかったがんの治療ちりょう法ほうの治験ちけん始はじまる

Oct 22, 2020 12:10

Furigana

iPS細胞さいぼうから作り出つくりだした免疫めんえき細胞さいぼうを、がんの患者かんじゃに実際じっさいに移植いしょくして安全あんぜん性せいや効果こうかを調しらべる治験ちけんを、理化りか学がく研究所けんきゅうじょと千葉ちば大学だいがくのグループが始はじめたことが分わかりました。iPS細胞さいぼうを使つかったがんの治療ちりょう法ほうで治験ちけんが始はじまるのは国内こくないでは初はじめてです。これは、理化りか学がく研究所けんきゅうじょの古関こせき明彦あきひこチームリーダーと、千葉ちば大学だいがくなどのグループが、国くにの承認しょうにんを目指めざした治験ちけんとして進すすめているもので、iPS細胞さいぼうから作り出つくりだしたNKT細胞さいぼうと呼よばれる免疫めんえき細胞さいぼうをがんの患者かんじゃに移植いしょくして、がんを攻撃こうげきする治療ちりょう法ほうです。

グループによりますと、今月こんげつ14日にち、千葉ちば大学だいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういんで舌したや、のどなどにできる頭あたまけい部ぶがんと呼よばれるがんの患者かんじゃ1人にんに、iPS細胞さいぼうから作り出つくりだしたNKT細胞さいぼうを移植いしょくしたということです。

今回こんかいの移植いしょくは、3回かいに分わけて行おこなわれるうちの1回かい目めで、これまでのところ患者かんじゃに異常いじょうはないということです。

NKT細胞さいぼうは、もともとヒトの体内たいないにある免疫めんえき細胞さいぼうですが、数かずが少すくないことから、iPS細胞さいぼうから大量たいりょうに作り出つくりだすことで、がん治療ちりょうへの応用おうようが期待きたいされています。

iPS細胞さいぼうを使つかったがんの治療ちりょう法ほうで、実際じっさいに治験ちけんが始はじまるのは国内こくないでは初はじめてです。

グループでは最終さいしゅう的てきに、合あわせて数すう千せん万まん個このNKT細胞さいぼうを移植いしょくしたあと、2年ねんかけて安全あんぜん性せいや効果こうかを慎重しんちょうに確認かくにんするということです。