北海道ほっかいどう南部なんぶの沿岸えんがん 定置ていち網もうに「カツオ」の群むれ 海水温かいすいおんの影響えいきょうか

北海道ほっかいどう南部なんぶでは、数すう年ねん前まえから夏なつの時期じきを中心ちゅうしんにカツオが定置ていち網もうにかかるようになり、22日にち朝あさも鹿部しかべ町まちの港みなとに戻もどった船ふねが、ブリやサバに混まじってカツオを水揚みずあげしました。

22日にち、この船ふねで水揚みずあげされたカツオはおよそ30キロでしたが、多おおいときでは150キロほどになったこともあるということです。

一方いっぽう、従来じゅうらい、この時期じきに多おおい秋あきサケやスルメイカは、ほとんど取とれませんでした。

魚さかなの生態せいたいに詳くわしい北海道ほっかいどう大学だいがくの桜井さくらい泰憲やすのり名誉めいよ教授きょうじゅによりますと、カツオは水温すいおんが比較的ひかくてき高たかい海域かいいきで活動かつどうしていて、地球ちきゅう温暖おんだん化かの影響えいきょうなどで、北海道ほっかいどう沿岸えんがんの海水温かいすいおんが高たかくなっていることが要因よういんではないかと分析ぶんせきしています。

この船ふねを所有しょゆうする水産すいさん会社かいしゃの社長しゃちょうの坂本さかもと洋介ようすけさんは「カツオは、ことし急激きゅうげきに水揚みずあげが増ふえ、100キロから200キロほどが取とれるようになってきた。海うみの環境かんきょうの変化へんかなのか、最近さいきんは魚さかなの種類しゅるいが変かわってきていると感かんじている」と話はなしています。

専門せんもん家か「過去かこ30年間ねんかんで1度どから3度ど上昇じょうしょう」

魚さかなの生態せいたいに詳くわしい北海道ほっかいどう大学だいがくの桜井さくらい泰憲やすのり名誉めいよ教授きょうじゅは、北海道ほっかいどうでカツオがとれるようになった背景はいけいとして、沿岸えんがんの海水温かいすいおんの上昇じょうしょうがあると指摘してきしています。

桜井さくらい名誉めいよ教授きょうじゅによりますと、カツオは海水温かいすいおんが比較的ひかくてき高たかい18度ど程度ていどの海域かいいきで活動かつどうするため、従来じゅうらいは宮城みやぎ県けんの三陸さんりく沖おきまでしか北上ほくじょうしなかったということです。

ところが、北海道ほっかいどう沿岸えんがんの海水温かいすいおんは地球ちきゅう温暖おんだん化かなどを背景はいけいに、過去かこ30年間ねんかんで1度どから3度ど上昇じょうしょうしていて、北海道ほっかいどうにカツオが回遊かいゆうするようになったことに加くわえて、特とくにことしは台風たいふうが北海道ほっかいどう周辺しゅうへんを通過つうかしなかったことも重かさなって、例年れいねんより海水温かいすいおんが高たかい状態じょうたいが続つづき、今いまもカツオが水揚みずあげされているのではないかと分析ぶんせきしています。

桜井さくらい名誉めいよ教授きょうじゅは「今後こんご、さらに海水温かいすいおんが高たかくなれば北海道ほっかいどうで養殖ようしょくが盛さかんなホタテが死しんだり、昆布こんぶの成長せいちょうが悪わるくなったりすることなどが懸念けねんされる」と話はなしています。