インド政府は16日までに、国内に生息する野生のトラの個体数が過去数十年間の保護運動の成果で昨年、倍増以上となる3167頭に達したと報告した。
インドは野生のトラの最大の生息地だが、2006年までには過去最少の1411頭に減少し、絶滅も危惧されていた。世界自然保護基金(WWF)によると、3167頭は野生の環境で生き抜いているとされる世界全体の約4500頭の約7割を占める。
今回のトラ「復活」を示唆する報告は、インド政府が1973年に始めた保護活動事業の50周年に合わせて発表された。
インドのモディ首相も今回の報告に伴い、「兄弟とみなされることも多いトラと我々の付き合いには数千年の歴史がある」と演説。「人類のより良き将来は多様性の確保が維持されている場合のみ可能」とも説いた。首相はトラ保護区の2カ所も視察していた。
保護活動では事業の開始時に9カ所だった保護区を53カ所に拡大。対象の面積は約7万5800平方キロとなった。離ればなれとなっている生息地をつなげるため関係する村落に全面移転の補償金を支払うなどの手段も講じていた。