科学者らはこのほど、小さなカニやイソギンチャクなど海岸で暮らす生き物が豊かな群集を形成しながら本来の生息地から数千キロ離れた海洋で生息している実態を突き止めました。
これらの生物が付着する大量のプラスチックごみは「太平洋ゴミベルト」と呼ばれ、面積約160万平方キロのごみの集積となって米カリフォルニア州とハワイ州の間を漂っています。
17日付の科学ジャーナル「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」で発表された論文の中で、研究者のチームは海岸に生息する無脊椎動物数十種について、海洋に長年浮かんだプラスチックごみの上で生存、繁殖できていると明らかにしました。
科学者らによればこの結果は、海洋のプラスチック汚染が新たな漂流型の生態系を生み出す可能性があることを示唆するということです。この生態系を形成する種は、通常なら外洋では生きていけない生物たちです。