流行が早まり、いま注意
RSウイルス感染症は従来は秋から冬にかけて流行するとされていましたが、ここ数年、夏から患者数が増える傾向にあります。
ことしもすでに大流行している宮崎県をはじめ、九州を中心に流行しているという状態で、全国およそ3000の小児科の医療機関で、先月25日までの1週間に新たにRSウイルス感染症と診断された患者は4290人となっています。
対応早める医療機関も
大人がかかると鼻かぜ程度の症状がほとんどですが、乳幼児が初めて感染した場合は重症化するリスクが高くなるため、医療機関の間では対応を早める動きがあります。
東京 世田谷区の国立成育医療研究センターでは、早産で生まれたり、心臓などに病気があったりする乳幼児の重症化を防ぐためにRSウイルス感染症の流行期間中に毎月投与する抗体注射の投与時期をことしは従来の9月から8月に前倒しして対応しています。
感染症科診療部長の宮入烈医師は「ここ数年、夏から患者が増え、8月、9月にはすでに流行していると感じます。他の医療機関でも前倒しして投与するケースも出ています」と話しています。
家族の症状が軽くても注意
また大人は感染しても軽い症状が多いため、気付かないまま赤ちゃんにうつして重症化させてしまうことがあり、特に注意が必要だということです。
家庭での注意点は
家庭での感染を広げないための注意点として宮入医師は、家族がくしゃみやせき、鼻水が出ているときは
▽こまめに手を洗う
▽マスクを付ける
▽きょうだいと共有のおもちゃなどをきちんと消毒するといった対応が有効だとしています。
病院に行く目安は?
また乳幼児が医療機関をすぐに受診する目安は、鼻水や発熱などの症状に加え、
▽母乳やミルクの飲みが悪い
▽ぐったりして機嫌が悪い
▽呼吸が苦しそうだったり、ゼイゼイと音が聞こえたりする
▽胸やおなかをペコペコとへこませて息をしている時などをあげています。
特に、生まれてまもない生後1か月から2か月の赤ちゃんは、感染すると呼吸を止めてしまう無呼吸の症状につながるおそれもあるため、RSウイルスの流行時期に鼻水の症状がでたら、よく様子をみてほしいと話しています。
初めて感染する乳幼児が重い症状を引き起こすおそれのあるRSウイルス。冬場にかけてまだまだ注意が必要です。