このうち男子では、中村匠吾選手が残り2キロ余りの地点でスパートを仕掛け、服部勇馬選手や大迫傑選手との激しい競り合いを制し、服部選手とともに代表に内定しました。
一夜明け取材に応じた中村選手は16日が27歳の誕生日で、ケーキを贈られると少し恥ずかしそうにろうそくの火を消していました。
中村選手は「27歳をいい日で迎えられました。これからはプレッシャーの中でオリンピックに向けて準備しなければならないが、代表として恥じぬように努力していきたい」と話しました。そのうえで、ほぼ同じコースで行われるオリンピック本番に向けて「コースは比較的平たんで走りやすく、本番は速いペースになってもおかしくない。そこが今後のポイントで、代表になったからにはメダルを取りたい」と決意を新たにしていました。
一方、25歳の服部選手は「ふるさとの新潟県の人たちの応援が力になった。今は実家で休みたい」と話し、レースについては「終始冷静に走れたことが2位につながったと思う。ただ、中村選手のスパートに対応できなかったので反省だらけです。来年は暑さを味方にするような走りをしてメダル獲得を目指したい」と話しました。
女子では、23歳の前田穂南選手が20キロ付近で飛び出し独走して優勝し、2位の鈴木亜由子選手とともに代表に内定しました。
一夜明けた16日、取材に応じた前田選手は「少しずつ実感が湧いてきた」と話したあと、報道陣から「今したいこと」を聞かれると「寝たいです」と答え、笑いを誘っていました。また、レースを振り返り「オリンピックとほぼ同じコースを1回走って、いい走りができるという自信になった。後半最後の上りで思ったより足が動かなかったので悔しい思いもあるので、もっと力をつけていきたい」と、オリンピック本番を見据えていました。
一方、3位に4秒差まで迫られる厳しい争いを制し2位で内定した鈴木選手は「最後は本当に過去いちばん精神的にも肉体的にも苦しかった。笑っているように見えたのは私の苦しいときの表情です」と振り返りました。そして「練習がなければ粘れなかった。レース終盤の課題を修正して本番を戦いたい。レース後、母が父の涙を『初めて見た』と言っていたので、喜んでくれたのはうれしい」と笑顔で話しました。