ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けた共和・民主両党の候補者選びは27日、ミシガン州でそれぞれの予備選挙が行われました。
政権奪還を目指す野党・共和党の予備選挙は集計率21%で得票率は
▽トランプ前大統領が65.8%、
▽ヘイリー元国連大使が29.5%で、
主要メディアはトランプ氏が勝利を確実にしたと伝えました。
ここまでのすべての候補者選びで勝利しているトランプ氏が、党の指名獲得に向けさらにリードを広げることになりました。
一方の与党・民主党は集計率17%でバイデン大統領が79.5%の票を獲得し、主要メディアはバイデン氏が勝利を確実にしたと伝えました。
民主党は、現時点でバイデン氏に対抗できる有力候補は出ておらず、夏の党大会でバイデン大統領が党の候補者に指名される見通しです。
ただ、ミシガン州では中東のガザ情勢をめぐるバイデン氏の対応に反発するアラブ系住民などが抗議を呼びかけていて、「支持候補なし」とした票がこの時点で14.9%に上っています。
バイデン氏にとっては、こうした票の行方しだいでは秋の本選挙に向けた懸念材料にもなりかねないだけに集計結果が注目されています。
投票所前でバイデン大統領不支持呼びかけも
全米最大のアラブ系アメリカ人のコミュニティーがあるミシガン州デトロイト郊外の投票所前では、バイデン大統領のガザ情勢への対応に抗議の意思を投票行動で示そうと呼びかけが行われていました。
ミシガン州の予備選挙の投票用紙には、候補者の氏名の一覧のほかに、「支持候補なし」という選択肢も設けられています。
呼びかけを行っていた女性は「『支持候補なし』を選択して投票しよう」と書かれたプラカードを持ち、投票に訪れる人たちなどに対しバイデン大統領を支持しないよう訴えていました。
「支持候補なし」を選んで投票したという女性は「ガザ地区で今起きていることは私自身にとってだけでなくこの地域の人たちにとってもとてもつらいことだ。バイデン大統領が私たちの声を聞いてくれることを信じたい」と話していました。
また、同じく「支持候補なし」として投票したという男性は「パレスチナの現状を受け入れることができない。本選挙でもバイデン大統領に投票したくない気持ちだ」と話していました。
一方、バイデン大統領に投票したという男性は「ガザ地区の人たちに寄り添ってはいるが、できることは限られている。考慮したが、自分の生活をいちばんに考えた」と話していました。