千葉ちば県けん東方とうほう沖おきでは先月せんげつ27日にちから地震じしんが相次あいついでいて、1日にち早はやくにはマグニチュード5.2の地震じしんが発生はっせいし、千葉ちば県けんと埼玉さいたま県けんで震度しんど4の揺ゆれを観測かんそくしています。

衛星えいせいを使つかって地殻ちかく変動へんどうの観測かんそくをしている国土こくど地理ちり院いんによりますと、房総ぼうそう半島はんとうでは先月せんげつ26日にちごろからふだんとは異ことなる変化へんかが起おきていたことがわかりました。

この地殻ちかく変動へんどうをもとに分析ぶんせきした結果けっか、千葉ちば県けん東方とうほう沖おきでは陸りく側がわのプレートと海うみ側がわのプレートの境界きょうかいがゆっくりずれ動うごく「スロースリップ」が起おきているとみられ、ずれ動うごいた量りょうは最大さいだいでおよそ2センチと推定すいていされています。

千葉ちば県けん東方とうほう沖おきでは1996年ねんから2018年ねんにかけて「スロースリップ」が6回かい観測かんそくされていて、同おなじ時期じきに地震じしん活動かつどうが活発かっぱつになっています。

過去かこの「スロースリップ」は2週間しゅうかん程度ていど続つづいていたことから、国土こくど地理ちり院いんは今後こんごも注意深ちゅういぶかく監視かんしするとしています。

専門せんもん家か「ふだんの生活せいかつ続つづけながら揺ゆれへの備そなえを」

地殻ちかく変動へんどうが専門せんもんで京都大きょうとだい学がく防災ぼうさい研究所けんきゅうじょの西村にしむら卓也たくや 教授きょうじゅによりますと、房総ぼうそう半島はんとう東側ひがしがわの地盤じばんは通常つうじょう、北きたよりに動うごくのに対にたいし、先月せんげつ27日にちには、ほぼ逆ぎゃくにあたる南東なんとう方向ほうこうへ動うごいていることが確認かくにんされたということです。

西村にしむら教授きょうじゅは「この地域ちいきではスロースリップは1週間しゅうかんや10日にちほど続つづくが、地震じしん活動かつどうについては1か月かげつぐらいは注意ちゅういが必要ひつようだ。1月つきには能登のと半島はんとう地震じしんも起おきたが、あまり恐おそれすぎるのもよくない。ふだんの生活せいかつを続つづけながら揺ゆれへの備そなえをいっそう確認かくにんして欲ほしい」と話はなしています。

千葉ちば県けん東方とうほう沖おき これまでのスロースリップ

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいや国土こくど地理ちり院いんによりますと、千葉ちば県けん東方とうほう沖おきでは「スロースリップ」が数すう年ねんおきに発生はっせいしていて、そのたびに周辺しゅうへんの地震じしん活動かつどうが活発かっぱつになっています。

これまでにスロースリップが確認かくにんされているのは

▼1996年ねん5月つき

▼2002年ねん10月つき

▼2007年ねん8月つき

▼2011年ねん10月つき

▼2014年ねん1月つき

▼2018年ねん6月つき　

の6回かいで、それぞれが2年ねんから6年ねん余あまりの間隔かんかくで起おきています。

今回こんかいの間隔かんかくは5年ねん8か月かげつとなります。過去かこのスロースリップはおおむね10日にち前後ぜんご、観測かんそくされています。

このうち、2018年ねんの活動かつどうでは、地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいで「スロースリップ」が起おきていることが報告ほうこくされ、揺ゆれへの注意ちゅういが呼よびかけられた翌日よくじつに震度しんど3を観測かんそくする地震じしんがありました。

そして、スロースリップが始はじまってから1か月かげつほどあとにあたる7月つきにマグニチュード6.0の地震じしんがあり、千葉ちば県けんで震度しんど5弱じゃくの揺ゆれを観測かんそくしました。