日産にっさん自動車じどうしゃに勧告かんこく 下請したうけ法ほうに違反いはん 代金だいきんを一方いっぽう的てきに引き下ひきさげ

公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいによりますと、日産にっさん自動車じどうしゃは、去年きょねん4月つきまでの少すくなくとも2年ねん余あまりにわたって、タイヤホイールやエンジン部品ぶひんなどを製造せいぞうする下請したうけのメーカー36社しゃに対にたいし、事前じぜんに取り決とりきめた納入のうにゅう代金だいきんから一方いっぽう的てきに数すう％を差し引さしひいて支払しはらっていたということです。

こうした対応たいおうは、部品ぶひんの原価げんかを圧縮あっしゅくするために長年ながねん、慣習かんしゅう的てきに行おこなわれていたと見みられ、この期間きかんに代金だいきんから差し引さしひいていた金額きんがくの合計ごうけいはおよそ30億おく2000万まん円えんにのぼるということです。

下請したうけ法ほうは、下請したうけに責任せきにんが無ないのに発注はっちゅう側がわが一方いっぽう的てきに代金だいきんを減額げんがくすることを禁止きんししていて、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは7日にち、日産にっさん自動車じどうしゃに対にたいし、経営けいえいトップが中心ちゅうしんとなって再発さいはつ防止ぼうしを進すすめることを求もとめる勧告かんこくを出だしました。

日産にっさん自動車じどうしゃは公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいに対にたいし事実じじつを認みとめ、ことし1月つき、部品ぶひんメーカー側がわに対にたいし、減額げんがくしていた分ぶんの全額ぜんがくを支払しはらったということです。

公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは、エネルギー価格かかくや原材料げんざいりょう費ひの高騰こうとうで、中小ちゅうしょう企業きぎょうや小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃの経営けいえいに大おおきな影響えいきょうが出でているとして、適正てきせいな形かたちでの価格かかく転嫁てんかが行おこなわれるよう、監視かんし体制たいせいなどを強化きょうかしています。

公取委こうとりい「大手おおてメーカーが違反いはんは非常ひじょうに遺憾いかん 厳正げんせいに対処たいしょ」

公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいの片桐かたぎり一幸かずゆき取引とりひき部長ぶちょうは、7日にちの記者きしゃ会見かいけんで「物価ぶっか上昇じょうしょうを上回うわまわる賃上ちんあげが重要じゅうよう課題かだいとなる中なか、中小ちゅうしょう企業きぎょうの賃上ちんあげを実現じつげんするための原資げんしは価格かかく転嫁てんかしかない。それにもかかわらず、サプライチェーンの頂点ちょうてんにいる大手おおてメーカーが下請したうけ法ほうに違反いはんしたことは非常ひじょうに遺憾いかんだ。問題もんだいのある悪質あくしつな事例じれいに対にたいしては、法律ほうりつに基もとづいて厳正げんせいに対処たいしょしていきたい」と述のべました。