米べいカリフォルニア州しゅうサンタバーバラの非営利団体ひえいりだんたい「チャネル諸島海洋野生生物研究所しょとうかいようやせいせいぶつけんきゅうじょ」は、同州南部どうしゅうなんぶの海岸かいがんで６月以降がついこうの約やく１か月間げっかんにアシカ１５０頭以上とういじょう、イルカ１１０頭とうの死しを確認かくにんした。

　けいれんや脳障害のうしょうがいを起おこした状態じょうたいで打うち上あげられた。汚染おせんされた魚さかなを大量たいりょうに食たべたことが原因げんいんとみられ、専門家せんもんかは地球温暖化ちきゅうおんだんかの影響えいきょうを指摘してきしている。

　昨夏さくなつはアシカ１０頭とうの死しを確認かくにんしただけだった。今年ことしはイルカの大量死たいりょうしも初はじめて発生はっせいした。

　サンタバーバラ近郊きんこうにある研究所けんきゅうじょのリハビリ施設しせつでは現在げんざい、近ちかくの海岸かいがんで保護ほごされた５０頭以上とういじょうのアシカが治療ちりょうを受うけている。多おおくは子こどもたちだ。食たべる量りょうが多おおい大人おとなのアシカは、助すけかる確率かくりつが低ひくいという。

　米海洋大気庁べいかいようたいきちょうは、神経毒しんけいどくの「ドウモイ酸さん」が大量死たいりょうしを招まねいたとみている。ドウモイ酸さんは、海水温かいすいおんの上昇じょうしょうや海洋酸性化かいようさんせいかによって繁殖はんしょくした有毒ゆうどくな藻類そうるいが生うみ出だす。魚さかながドウモイ酸さんを摂取せっしゅしても死しぬことはないが、哺乳類ほにゅうるいが汚染魚おせんぎょを食たべると、最悪さいあくの場合ばあい、死しに至いたる。

　同州南部どうしゅうなんぶラホヤの海水温かいすいおんは、１９７３年以降ねんいこうの１０年間平均ねんかんへいきんで約やく０・３度どずつ上昇じょうしょうしている。南みなみカリフォルニア大だいのデビッド・キャロン教授きょうじゅ（生物科学せいぶつかがく）は「人間にんげんの活動かつどうがもたらした温あたたかくよどんだ海水かいすいが原因げんいんだろう」と分析ぶんせきしている。