トルコ・シリア大だい地震じしん 弁護士べんごしが建物たてものの記録きろく集あつめ【23日にちの動うごき】

今回こんかいの地震じしんをめぐっては、耐震たいしん基準きじゅんを満みたしていない違法いほうな建築けんちくや改築かいちくが横行おうこうしていたことが被害ひがいが拡大かくだいした背景はいけいにあると指摘してきされています。

このため、トルコの弁護士べんごし会かいの全国ぜんこく組織そしきは被災ひさい地ちでがれきの撤去てっきょが進すすみ、現場げんばから証拠しょうこがなくなる前まえに記録きろくに残のこす活動かつどうを始はじめていて、甚大じんだいな被害ひがいを受うけたハタイ県けんの中心ちゅうしん都市としアンタキヤでは22日にちも各地かくちからボランティアで駆かけつけた弁護士べんごしたちが建物たてものの倒壊とうかい現場げんばを回まわっていました。

そして、建設けんせつ資材しざいとして使つかわれていた鉄筋てっきんの太ふとさや壊こわれ方かたなどを写真しゃしんや映像えいぞうに収おさめて、位置いち情報じょうほうとともにデータを集約しゅうやくしていました。

弁護士べんごし会かいでは市民しみんにも活動かつどうへの参加さんかを呼よびかけ、これまでにおよそ5万まん人にんから協力きょうりょくを得えられたとしていて、集あつめた証拠しょうこを今後こんごの訴訟そしょうに役立やくだてたいとしています。

トルコ弁護士べんごし会かい連合れんごうのシベル・スイチメズ副ふく会長かいちょうは「もし建物たてものが適切てきせつな土地とちに適切てきせつな方法ほうほうで建たてられていたらこんなに人ひとが死しぬことはありませんでした。誰だれに責任せきにんがあるか明あきらかにすることは私わたしたちの務つとめです。子こどもたちのために、将来しょうらい、誰だれも犠牲ぎせいにならないように行動こうどうすべきなのです」と話はなしていました。

一方いっぽうで、震源しんげん地ちの1つ、南部なんぶエルビスタンの総合そうごう病院びょういんは、日本にっぽんからヒントを得えた免めん震しん装置そうちによって大おおきな被害ひがいを免まぬかれました。

病院びょういんの建設けんせつに携たずさわった地震じしん工学こうがくの専門せんもん家かは、1990年代ねんだいにトルコで大おおきな地震じしんが相次あいついだあと、同おなじように地震じしんが多おおい日本にっぽんを訪おとずれ、建物たてものの揺ゆれを抑おさえる免めん震しん装置そうちの重要じゅうよう性せいを学まなんだということです。

病院びょういんで働はたらくエンジニアの男性だんせいは「最初さいしょの地震じしんのときは自宅じたくがひどく揺ゆれましたが、2回かい目めの大おおきな揺ゆれのときは病院びょういんにいたので、小ちいさな揺ゆれを感かんじただけでした。病院びょういん中ちゅうを見回みまわっても大おおきな損傷そんしょうはありませんでした」と話はなしていました。

周辺しゅうへんの自治体じちたいでは建物たてものが損壊そんかいし患者かんじゃを受け入うけいれられない病院びょういんもあるため、この病院びょういんではそうした患者かんじゃも受け入うけいれ、手術しゅじゅつや治療ちりょうを施ほどこしています。

避難ひなんする際さい、肩かたを骨折こっせつした51歳さいの男性だんせいは「病院びょういんで治療ちりょうを受うけられただけでなく、地震じしんに耐たえられる建物たてものにいると思おもうと、入院にゅういん中ちゅうも安心あんしんできます」と話はなしていました。

南部なんぶエルビスタンを統括とうかつするハッサン・ウラル郡ぐん長ちょうは22日にちのインタビューで、エルビスタンでは1回かい目めの地震じしんで倒壊とうかいした建物たてものは数すう軒けんだったものの、およそ9時間じかん後ごに直下ちょっかで起おきた2回かい目めの大おおきな揺ゆれで1400近ちかくの建物たてものが倒壊とうかいしたことを明あきらかにしました。

郡ぐんの庁舎ちょうしゃも損壊そんかいしたため、職員しょくいんたちは幼稚園ようちえんの園えん舎しゃで業務ぎょうむにあたっていて、これまでに郡ぐん内ないで確認かくにんされた死者ししゃは930人にん、負傷ふしょう者しゃは3300人にん以上いじょうにのぼるということです。

また、14万まん余あまりの人口じんこうのうち、およそ2万まん人にんがほかの地域ちいきに避難ひなんしたほか、仮設かせつ住宅じゅうたくやテントでの生活せいかつを余儀よぎなくされている人ひとが合あわせておよそ1万まん2000人にんいるということです。

ウラル郡ぐん長ちょうは「われわれは捜索そうさくと救助きゅうじょ活動かつどう、そして公共こうきょうサービスの復旧ふっきゅうに全力ぜんりょくをあげてきた。これまでに80万まん食しょくの温あたたかい食事しょくじを提供ていきょうし、支援しえん物資ぶっしは15か所かしょの倉庫そうこに集あつめてから必要ひつような場所ばしょに配くばっている。余震よしんの影響えいきょうもあるが、必要ひつような仮設かせつ住宅じゅうたくはあと15日にちほどで設置せっちし終おわるだろう」と述のべ、政府せいふと連携れんけいしながら被災ひさい者しゃへの支援しえんが進すすんでいると強調きょうちょうしました。

そのうえで「人々ひとびとは半年はんとしから1年ねんで元もとどおりの生活せいかつを送おくれるようになると思おもう」と述のべ、住民じゅうみんの生活せいかつの再建さいけんには半年はんとし以上いじょうはかかるとの見通みとおしを示しめしました。

また、ウラル郡ぐん長ちょうは「日頃ひごろきょうだいのように感かんじている日本にっぽんをはじめ、外国がいこくや国際こくさい機関きかんの支援しえんに感謝かんしゃしたい」と述のべ、国際こくさい社会しゃかいの支援しえんに謝意しゃいを示しめしました。