日銀黒田総裁 10年振り返る最後の会合終え会見【詳しく】 - Easy News

日銀にちぎんは10日にちまで開ひらいた金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうで、今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを維持いじすることを決きめました。今回こんかいは、来月らいげつ、任期にんきを終おえる黒田くろだ総裁そうさいにとって最後さいごの会合かいごうでした。

黒田くろだ総裁そうさいは午後ごご3時半じはんから記者きしゃ会見かいけんを開ひらきました。

日銀にちぎん総裁そうさいとしての10年間ねんかんをどう振り返ふりかえり、新しん体制たいせいに何なにを託たくすのか。

発言はつげんをタイムラインでお伝おつたえします。

16:30すぎ会見かいけん終了しゅうりょう

記者きしゃ会見かいけんは午後ごご4時半じはんすぎに終了しゅうりょうしました。

黒田くろだ総裁そうさいの任期にんきは4月つき8日にちまでです。後任こうにんの植田うえだ和男かずお氏しは翌よく9日にちに就任しゅうにんし、戦後せんご初はつの学者がくしゃ出身しゅっしんの総裁そうさいが誕生たんじょうします。

「実じつは私わたしも法学部ほうがくぶすべての中央ちゅうおう銀行ぎんこう総裁そうさいが経済けいざい学者がくしゃではない」

10年間ねんかん、総裁そうさいをつとめ経済けいざい学がくの理論りろんが金融きんゆう政策せいさくの現実げんじつにそぐわないと感かんじた点てんはあったかと問とわれ「そう言いうことを申し上もうしあげるのは、せん越せんえつだと思おもうので具体ぐたい的てきなことは申し上もうしあげないが、すべての中央ちゅうおう銀行ぎんこう総裁そうさいが経済けいざい学者がくしゃというわけではない。（アメリカ・FRBの）パウエル議長ぎちょうは法律ほうりつ家かだし、（ヨーロッパ中央ちゅうおう銀行ぎんこうの）ラガルド総裁そうさいもアメリカの有名ゆうめいな法律ほうりつ会社かいしゃにいた。実じつは私わたしも法学部ほうがくぶ出身しゅっしんだ」と述のべました。

「金融きんゆう政策せいさくを運営うんえいする技術ぎじゅつは一定いっていではない。ただ、経済けいざい学がくの知識ちしきとか、経済けいざい学がくの内容ないようをよく知しってるということはやはり不可欠ふかけつだと思おもう。そういう意味いみで、植田うえだ先生せんせいはまさに、著名ちょめいな経済けいざい学者がくしゃで、しかも日銀にちぎんの政策せいさく委員いいんも務つとめられ、最適さいてきの方ほうだと思おもう」と述のべました。

「デフレで定着ていちゃくした考え方かんがえかたや慣行かんこうが根強ねづよく予想よそうした以上いじょうだった」

就任しゅうにん時じに2％の物価ぶっか上昇じょうしょうを2年ねん程度ていどで達成たっせいすると打ち出うちだしながら実現じつげんできなかったことを問とわれ「日本にっぽん銀行ぎんこうは2013年ねん1月つきの共同きょうどう声明せいめいで、2％の物価ぶっか安定あんていの目標もくひょうを出来できるだけ早期そうきに実現じつげんすることにコミットしている。2年ねん程度ていどの期間きかんを念頭ねんとうにと、期間きかんに言及げんきゅうしたのは、それまでと比くらべて量りょう・質しつの両面りょうめんで思い切おもいきった金融きんゆう緩和かんわを行おこなうことを踏ふまえたものだった。当時とうじ、明確めいかくなメッセージを打ち出うちだし、大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを実施じっししたことは、それなりの効果こうかを発揮はっきしたと思おもう。誤あやまっていたとは思おもわないが、15年ねんの長ながきにわたるデフレの元もとで定着ていちゃくした、物価ぶっかや賃金ちんぎんが上あがりにくいという考え方かんがえかたや慣行かんこうがかなり根強ねづよく、予想よそうした以上いじょうだった」と述のべました。

資産しさんの買い入かいいれ「負まけの遺産いさんだと思おもっていない」

10年ねんにわたる大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわによって国債こくさいやETF＝上場じょうじょう投資とうし信託しんたくといった資産しさんの買い入かいいれが進すすみ、これを日銀にちぎんが抱かかえることになったことについて、負まけの遺産いさんで反省はんせいすべきではないのかと問とわれたのに対にたいし「何なにの反省はんせいもありませんし、負まけの遺産いさんだとも思おもっていない」と強つよい口調くちょうで反論はんろんしました。

「ピーターパンには詳くわしいわけではない」

2015年ねん6月つきにピーターパンの物語ものがたりから「飛とべるかどうかを疑うたがった瞬間しゅんかんに永遠えいえんに飛とべなくなってしまう」という言葉ことばを引用いんようして「大切たいせつなことは、前向まえむきな姿勢しせいと確信かくしんです」と発言はつげんしました。

これについて黒田くろだ総裁そうさいは「今いま申し上もうしあげるのもちょっとどうかと思おもうが、あのピーターパンの話はなしは私わたしが思おもいついたわけではなく、スタッフの方ほうが思おもいついて、入いれていただいたので、私わたしはそういうことに詳くわしいわけではない」と述のべました。

その上うえで「金融きんゆう政策せいさくについて、やはり何なにを目的もくてきにしているかということを明確めいかくにしていくことが必要ひつようだ。2％の物価ぶっか安定あんていの目標もくひょうの実現じつげんを目指めざして、やれることは何なんでもやる。強つよいコミットメント、決意けついを示しめすことは必要ひつようなことだと思おもっている」と述のべました。

植田うえだ氏しの所信しょしん聴取ちょうしゅなどでの発言はつげん受うけ「適切てきせつな政策せいさく運営うんえいを期待きたい」

次期じき総裁そうさいに就任しゅうにんする植田うえだ氏しの国会こっかいの所信しょしん聴取ちょうしゅなどでの発言はつげんについて「発言はつげんについてコメントすることは差し控さしひかえたいが、常つねに経済けいざいや金融きんゆうの実態じったいを踏ふまえていろいろな発言はつげんをされている。総裁そうさいになられた後のちは足元あしもとの経済けいざい・金融きんゆう・物価ぶっかの実態じったいを踏ふまえて適切てきせつな政策せいさく運営うんえいされるのではないかと期待きたいしている」と述のべました。

「金利きんり曲線きょくせんの形状けいじょうはゆがみが解消かいしょうするには至いたっていない」

去年きょねん12月つきの金融きんゆう緩和かんわ策さくの修正しゅうせい以降いこうの市場しじょうの状況じょうきょうについて「イールドカーブ＝金利きんり曲線きょくせんの形状けいじょうは1月つきの決定けってい会合かいごう以降いこう、ひところに比くらべると総そうじてスムーズになっているが、ゆがみが解消かいしょうするには至いたっていない。依然いぜんとして、そうした機能きのうの問題もんだいが残のこっていることは事実じじつだ。新あらたな運営うんえい方針ほうしんのもとで市場しじょうの金利きんり形成けいせいが定着ていちゃくしていくにはまだ時間じかんを要ようする」と述のべました。

「過去かこ10年間ねんかんの間まに私わたしとしてやるべきことはやった」

日銀にちぎんの責任せきにんについて「物価ぶっかの安定あんていに向むけて最善さいぜんの努力どりょくをする責任せきにんは中央ちゅうおう銀行ぎんこうにある」と述のべました。

その上うえで「過去かこ10年ねんの間まにやれることはすべてやったかのかどうか聞きかれれば、やれること、やれないことは具体ぐたい的てきに政策せいさく委員いいん会かいで議論ぎろんして決きめる。議長ぎちょうの私わたしの提案ていあんを基本きほん的てきに賛成さんせいしていただいたので、私わたしとしてやるべきことはやったと思おもっている」と述のべました。

「3本ほんの矢やでアベノミクスを進すすめたこと自体じたいは正ただしかった」

「アベノミクスの3本ほんの矢やだが、金融きんゆう緩和かんわ、機動きどう的てきな財政ざいせい運営うんえい、成長せいちょう戦略せんりゃくはそれぞれに行おこなわれてきたと思おもう。金融きんゆう政策せいさくに過度かどの負担ふたんがかかったとは思おもわない。さまざまなことが行おこなわれ、それがプラスの影響えいきょうを持もったと思おもうが、かなりタイムラグがあり、すぐに効果こうかが出でるようなものでもないので、そのあたりは考慮こうりょする必要ひつようがある。3本ほんの矢やでアベノミクスを進すすめたこと自体じたいは正ただしかった」と述のべました。

出口いでぐち戦略せんりゃくのあり方ありかたは「新あたらしい総裁そうさいのもとで」

出口いでぐち戦略せんりゃくのあり方ありかたについて問とわれたのに対にたいし「出口でぐちについてうんぬんするのは時期じき尚早しょうそうだ。まだ今いまの時点じてんで、2023年ねんとか2024年ねんの段階だんかいで出口でぐちになるとかならないとか、言いうのは適切てきせつではないと思おもう。それは新あたらしい総裁そうさい、副ふく総裁そうさいのもとでそういう状況じょうきょうになったときに適切てきせつな出口でぐちがなされるということになると思おもう」と述のべました。

「金融きんゆう緩和かんわは成功せいこうだった」

みずからが推し進おしすすめた金融きんゆう緩和かんわについて「それまでの15年間ねんかんとは様変さまがわりしてデフレでない状況じょうきょうになり、雇用こようも400万まん人にん以上いじょう増加ぞうかし、ベースアップも復活ふっかつした。日本にっぽん経済けいざいの潜在せんざい的てきな力ちからが十分じゅうぶん発揮はっきされ、そういう意味いみでは金融きんゆう緩和かんわは成功せいこうだったと思おもう」と述のべました。

「副作用ふくさようの面めんより経済けいざいに対にたいするプラスの効果こうかが大おおきい」

2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうについて「2％はグローバルスタンダードになっていて、今いまや先進せんしん国こくのほとんどすべてが2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうを掲かかげて、金融きんゆう政策せいさくを運営うんえいしていて、これ自体じたいは適切てきせつであると思おもうし、問題もんだいだと思おもっていない」と述のべました。

その上うえで「いわゆる副作用ふくさようと言いわれるものについてもさまざまな対応たいおうをとっているし、その副作用ふくさようの面めんよりも金融きんゆう緩和かんわの経済けいざいに対にたいするプラスの効果こうかがはるかに大おおきいと思おもっている」と述のべました。

「就職しゅうしょく氷河期ひょうがき解消かいしょうは金融きんゆう政策せいさくの効果こうか」

10年間ねんかんの大だい規模きぼ金融きんゆう緩和かんわが生み出うみだした効果こうかについて「デフレを解消かいしょうして経済けいざいを活性かっせい化かさせて雇用こようを400万まん人にん以上いじょう作り出つくりだし、就職しゅうしょく氷河期ひょうがきと呼よばれたものを完全かんぜんに解消かいしょうしたのはやはり金融きんゆう政策せいさくの効果こうかだったと思おもっている」と述のべました。

2％目標もくひょういたらず「残念ざんねん」

10年間ねんかんをふりかえり2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの実現じつげんに至いたらなかったことは「残念ざんねんだ」と述のべました。

その上うえで、日本にっぽんに染しみついていた物価ぶっかや賃金ちんぎんは上あがらないという根強ねづよい考え方かんがえかたについて「この春期しゅんきの労使ろうし交渉こうしょうではこれまでとは違ちがう声こえが聞きかれ始はじめており前向まえむきな動うごきとなることを期待きたいしている」と述のべました。

「緩和かんわ続つづけ賃上ちんあげ環境かんきょう整備せいびが重要じゅうよう」

「われわれが10年間ねんかん、期待きたいしつつ努力どりょくしてきた。2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうが、賃金ちんぎんの上昇じょうしょうを伴ともなう形かたちで達成たっせいされるというものが少すこし近ちかづいてきたとは思おもう。ただ、依然いぜんとして、さまざまな不ふ確実かくじつ性せいもあるし、当面とうめん、現在げんざいの大幅おおはばな金融きんゆう緩和かんわを続つづけて、企業きぎょう賃上ちんあげをしやすい環境かんきょうを引き続ひきつづき、整ととのえていくということが非常ひじょうに重要じゅうようではないかと思おもう」と述のべました。

「植田うえだ新しん総裁そうさいの手腕しゅわんを期待きたい」

植田うえだ新しん総裁そうさいについて「植田うえだ教授きょうじゅは昔むかしから個人こじん的てきにもよく存じ上ぞんじあげているが、最近さいきんは金融きんゆう研究所けんきゅうじょの特別とくべつ顧問こもんとしてカンファレンスなどさまざまな場ばで議論ぎろんをさせていただいてきた。わが国わがくにを代表だいひょうする経済けいざい学者がくしゃであり、また、以前いぜんの審議しんぎ委員いいんとしてのご経験けいけんも踏ふまえ、あるいは経験けいけんも含ふくめ中央ちゅうおう銀行ぎんこうの実務じつむにも精通せいつうしていると思おもう。組織そしきをまとめ、日本にっぽん銀行ぎんこうの使命しめいである物価ぶっかの安定あんていと金融きんゆうシステムの安定あんていに向むけて手腕しゅわんを発揮はっきしていただけるものと期待きたいしている」と述のべました。

15:30 会見かいけん始はじまる

黒田くろだ総裁そうさいが着席ちゃくせきし、午後ごご3時じ30分ふん、記者きしゃ会見かいけんが始はじまりました。

黒田くろだ総裁そうさいは、いつもどおり、10日にちの決定けってい内容ないようの説明せつめいをはじめ「本日ほんじつの決定けってい会合かいごうでは長短ちょうたん金利きんり操作そうさ、いわゆるイールドカーブコントロールのもとでの金融きんゆう市場しじょう調節ちょうせつ方針ほうしんについて現状げんじょう維持いじとすることを全員ぜんいん一致いっちで決きめました」と述のべました。

まもなく会見かいけん

黒田くろだ総裁そうさいの記者きしゃ会見かいけんは、東京とうきょう日本橋にほんばし本石もといし町まちにある日銀にちぎん本店ほんてんで開ひらかれます。

金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうのあと、毎回まいかい開ひらかれています。

会見かいけんでは、まず黒田くろだ総裁そうさいが会合かいごうでの決定けってい事項じこうを説明せつめい。

その後そのご、記者きしゃからの質問しつもんに答こたえます。

“黒田くろだバズーカ”と呼よばれた金融きんゆう緩和かんわ

日銀にちぎんは2013年ねん3月つきに就任しゅうにんした黒田くろだ総裁そうさいのもと、2％の物価ぶっか目標もくひょうを2年ねん程度ていどで実現じつげんすることを掲かかげ、国債こくさいを大だい規模きぼに買い入かいいれることで、市場しじょうに大量たいりょうの資金しきんを供給きょうきゅうする異い次元じげん緩和かんわに踏み切ふみきり、デフレからの脱却だっきゃくを目指めざしました。

「黒田くろだバズーカ」とも呼よばれた大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわで、当時とうじの歴史れきし的てきな円えん高だかは修正しゅうせいされ株かぶ高だかが進すすみました。

2016年ねん1月つきには日銀にちぎん史上しじょう初はじめてとなる「マイナス金利きんり政策せいさく」の導入どうにゅうに踏み切ふみきります。

そしてこの年としの9月つきには短期たんき金利きんりをマイナスにし、長期ちょうき金利きんりをゼロ％程度ていどに抑おさえる世界せかい的てきにも異例いれいな金融きんゆう緩和かんわ策さくを新あらたに導入どうにゅうしました。

この結果けっか、日本にっぽん経済けいざいはデフレではない状況じょうきょうとなりましたが賃金ちんぎん上昇じょうしょうをともなった2％の物価ぶっか安定あんていの目標もくひょうを達成たっせいできないまま緩和かんわ策さくが長期ちょうき化かし、これが去年きょねんの急激きゅうげきな円えん安やすと物価ぶっか高だかの一因いちいんになったとも指摘してきされています。

最近さいきんでは、エネルギー価格かかくの上昇じょうしょうや円えん安やすによって日銀にちぎんが望のぞまない形かたちで消費しょうひ者しゃ物価ぶっかの上昇じょうしょう率りつは4％を上回うわまわる水準すいじゅんまで上昇じょうしょうしています。

また、大量たいりょうに国債こくさいを買い入かいいれたことで債券さいけん市場しじょうの機能きのうが低下ていかするといった副作用ふくさようも次第しだいに問題もんだい視しされるようになっています。

ピーターパンの物語ものがたりから引用いんようした言葉ことばが話題わだいに

黒田くろだ総裁そうさいのもとでの日銀にちぎんの金融きんゆう政策せいさくの特色とくしょくの1つは、強つよいメッセージを発信はっしんして「人々ひとびとの期待きたい」に働はたらきかけることです。

就任しゅうにん直後ちょくごの2013年ねん4月つき、黒田くろだ総裁そうさいはデフレから脱却だっきゃくするため2％程度ていど、物価ぶっかが上昇じょうしょうしながら成長せいちょうする経済けいざいを2年ねん程度ていどで実現じつげんすることを目標もくひょうに掲かかげ、大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを打ち出うちだしました。

日銀にちぎんの変化へんかに市場しじょうの期待きたいも広ひろがり物価ぶっかは上向うわむきはじめましたが、2年ねんが過すぎても物価ぶっかは目標もくひょうの2％には届とどきませんでした。

こうした中なか、黒田くろだ総裁そうさいは、2015年ねん6月つきに日銀にちぎんの金融きんゆう研究所けんきゅうじょが主催しゅさいする国際こくさい会議かいぎで講演こうえんし、ピーターパンの物語ものがたりから「飛とべるかどうかを疑うたがった瞬間しゅんかんに永遠えいえんに飛とべなくなってしまう」という言葉ことばを引用いんようして「大切たいせつなことは、前向まえむきな姿勢しせいと確信かくしんです」と訴うったえました。

物価ぶっかはあがると人々ひとびとが予想よそうするように、強力きょうりょくに金融きんゆう緩和かんわを続つづけることが物価ぶっか上昇じょうしょうにつながっていく、という黒田くろだ総裁そうさいの考かんがえが示しめされたもので、当時とうじは「ピーターパン発言はつげん」とも呼よばれ市場しじょう関係かんけい者しゃなどの間まで話題わだいになりました。

異例いれいの金融きんゆう政策せいさくを次々つぎつぎと打ち出うちだした黒田くろだ総裁そうさいは「金融きんゆう政策せいさくに限界げんかいはない」と繰り返くりかえし発言はつげんしています。

日銀にちぎんは2016年ねん9月つきに短期たんき金利きんりをマイナスにし、長期ちょうき金利きんりをゼロ％程度ていどに抑おさえる今いまの金融きんゆう政策せいさくの枠組わくぐみを導入どうにゅうしましたが、その直後ちょくごに講演こうえんした黒田くろだ総裁そうさいは、小説しょうせつ「赤毛あかげのアン」の主人公しゅじんこう、アンが語かたった「これから発見はっけんすることがたくさんあるってすてきだと思おもわない？」ということばを引用いんようし、「日々ひび新あたらしい解決かいけつ策さくや政策せいさくツールを見つけ出みつけだそうと努力どりょくしている中央ちゅうおう銀行ぎんこう職員しょくいんやエコノミストに大おおきな励はげましとして心こころに響ひびく」とも発言はつげんしています。