イスラエルの格付かくづけ「Ａ」に引ひき下さげ、紛争長期化理由ふんそうちょうきかりゆうに　フィッチ

格付かくづけ会社がいしゃフィッチ・レーティングスは１２日にち、イスラム組織そしきハマスとの間あいだで続つづく戦闘せんとうや地政学ちせいがくリスクを巡めぐる懸念けねんを理由りゆうに、イスラエルの信用格付しんようかくづけを「Ａプラス」から「Ａ」に引ひき下さげた。

格付かくづけの見通みとおしについては「ネガティブ」に据すえ置おいた。これは将来的しょうらいてきに再度格下さいどかくさげする可能性かのうせいがあることを意味いみする。

今回こんかいの格下かくさげは、ハマスとの戦闘せんとうの金融面きんゆうめんへの影響えいきょうを浮うき彫ぼりにした。一連いちれんの戦闘せんとうは数万人すうまんにんの死者ししゃを出だし、中東地域ちゅうとうちいきと世界せかいを揺ゆるがしている。フィッチのアナリストは「パレスチナ自治区じちくガザ地区ちくでの紛争ふんそうは優ゆうに２０２５年ねんまで続つづく可能性かのうせいがある」と指摘してき。紛争拡散ふんそうかくさんのリスクにも言及げんきゅうした。

フィッチは声明せいめいで「Ａへの格下かくさげはガザで続つづく戦闘せんとうや地政学ちせいがくリスクの高たかまり、複数ふくすうの前線ぜんせんで行おこなわれている軍事作戦ぐんじさくせんの影響えいきょうを反映はんえいするものだ」としている。

ガザ保健省ほけんしょうによると、ハマスによる昨年さくねん１０月がつ７日なのかのイスラエル攻撃後こうげきご、ガザでのイスラエルの軍事行動ぐんじこうどうでパレスチナ人じん４万人近まんにんちかくが死亡しぼう、９万人まんにんあまりが負傷ふしょうした。イスラエル当局とうきょくによると、イスラエル南部なんぶでは同日どうじつ、ハマス主導しゅどうの襲撃しゅうげきで少すくなくとも１２００人にんが殺害さつがいされ、２５０人以上にんいじょうが拉致らちされた。

停戦協議ていせんきょうぎが停滞ていたいする中なか、先週末せんしゅうまつには住すむ場所ばしょを追おわれた人ひとを収容しゅうようする学校がっこうやモスク（イスラム教礼拝所きょうれいはいしょ）に対たいしてイスラエルの空爆くうばくがあり、地元じもとの当局者とうきょくしゃによると、パレスチナ人少じんすくなくとも９３人にんが死亡しぼうした。

フィッチは「人命じんめいの喪失そうしつに加くわえ、（ガザ紛争ふんそうは）多額たがくの軍事支出ぐんじししゅつやインフラ破壊はかい、経済活動けいざいかつどうや投資とうしへのさらなる長期的影響ちょうきてきえいきょうをもたらし、イスラエルの信用しんようの一段いちだんの低下ていかにつながる可能性かのうせいがある」としている。

信用格付しんようかくづけが引ひき下さげられた国くには資金調達しきんちょうたつの難度なんどや費用ひようが上あがる可能性かのうせいがある。「Ａ」の格付かくづけは依然いぜんとして投資適格級とうしてきかくきゅう、つまり債券発行者さいけんはっこうしゃとして比較的安全ひかくてきあんぜんな部類ぶるいに入はいる。