日本新聞: 腸内細菌移植でがん治療薬の効果高まるか国内初の臨床試験

腸ちょう内ない細菌さいきん移植いしょくでがん治療ちりょう薬やくの効果こうか高たかまるか国内こくない初はつの臨床りんしょう試験しけん

Aug 18, 2024 05:08

Furigana

国立こくりつがん研究けんきゅうセンターなどのグループは、胃いがんなどの患者かんじゃに健康けんこうな人ひとの腸ちょう内ない細菌さいきんを移植いしょくし腸ちょう内ないの環境かんきょうを改善かいぜんすることで、がんの治療ちりょう薬やくの効果こうかを高たかめられるか確たしかめる国内こくない初はつの臨床りんしょう試験しけんを始はじめたと発表はっぴょうしました。

胃いがんや食道しょくどうがんの治療ちりょうには、患者かんじゃの免疫めんえきの力ちからを回復かいふくさせてがんを攻撃こうげきする「免疫めんえき療法りょうほう」の薬くすりが広ひろく使つかわれていますが、なかには効果こうかが得えられない患者かんじゃもいて課題かだいとなっています。

国立こくりつがん研究けんきゅうセンターと順天堂大学じゅんてんどうだいがくなどのグループは、薬くすりの効果こうかが低ひくい患者かんじゃは腸ちょう内ない細菌さいきんのバランスが崩くずれているという海外かいがいの研究けんきゅう結果けっかに着目ちゃくもくし、患者かんじゃの腸ちょう内ないの環境かんきょうを改善かいぜんするため健康けんこうな人ひとの腸ちょう内ない細菌さいきんを移植いしょくする臨床りんしょう試験しけんを今月こんげつから始はじめたと発表はっぴょうしました。

臨床りんしょう試験しけんは胃いがんや食道しょくどうがんと診断しんだんされた患者かんじゃに、「免疫めんえき療法りょうほう」の薬くすりを投与とうよするなど通常つうじょうのがん治療ちりょうを行おこなう前まえに腸ちょう内ない細菌さいきんを移植いしょくする計画けいかくで、今後こんご3年間ねんかんで最大さいだい45人にんを対象たいしょうに安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいを確認かくにんするということです。

研究けんきゅうグループによりますと消化しょうか器きのがんの治療ちりょうに腸ちょう内ない細菌さいきんを使つかう臨床りんしょう試験しけんは国内こくないでは初はじめてだということです。

臨床りんしょう試験しけんの責任せきにん者しゃを務つとめる国立こくりつがん研究けんきゅうセンター中央ちゅうおう病院びょういんの庄司しょうじ広和ひろかず医長いちょうは「安全あんぜん性せいなどの確認かくにんとともにメカニズムの解明かいめいを進すすめ、がんの新あらたな治療ちりょう戦略せんりゃくにつなげたい」と話はなしていました。