妊婦にんぷの腹はらから胎児たいじの心臓しんぞうに管かん刺ざし病気びょうき治療ちりょう 臨床りんしょう研究けんきゅうへ

日本にっぽん胎児たいじ心臓しんぞう病びょう学会がっかいなどは、重おもい心臓しんぞう病びょうの胎児たいじを治療ちりょうする臨床りんしょう研究けんきゅうをことし４月しがつから始はじめることになりました。

対象たいしょうとなる病気びょうきは心臓しんぞうから出でる大動脈だいどうみゃくの入り口いりくちが狭せまくなる「重症じゅうしょう大動脈だいどうみゃく弁べん狭窄きょうさく症しょう」で、心臓しんぞうの一部いちぶが発達はったつせず、生うまれてまもない時期じきから大おおきな手術しゅじゅつを繰り返くりかえすケースがあります。

計画けいかくされている胎児たいじ治療ちりょうは、針はりのような特殊とくしゅな管かんを母親ははおやのおなかの外そとから胎児たいじの心臓しんぞうまで刺さし込こんで、管かんの先端せんたんからバルーンと呼よばれる器具きぐを出だして狭せまくなっている部分ぶぶんに設置せっちし、血管けっかんを広ひろげます。

血管けっかんを広ひろげた後のちは、バルーンを閉とじてすぐに回収かいしゅうするということで、生うまれた後のちの手術しゅじゅつの回数かいすうが減へり、日常にちじょう生活せいかつへの影響えいきょうを少すくなくすることが期待きたいできるということです。

学会がっかいは、３さん年間ねんかんで５ご人にんに実施じっしして安全あんぜん性せいと有効ゆうこう性せいを確たしかめたいとしています。

胎児たいじ治療ちりょうは国内こくないでは、呼吸こきゅうができなくなる難病なんびょうなど５いつつの病気びょうきで治療ちりょうや臨床りんしょう研究けんきゅうが行おこなわれていますが、心臓しんぞうの病気びょうきを対象たいしょうに行おこなうのは初はじめてです。

学会がっかいとして臨床りんしょう研究けんきゅうに取り組とりくむのは珍めずらしいということで、臨床りんしょう研究けんきゅうの中心ちゅうしんメンバーで国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンターの左合さごう治彦はるひこ医師いしは「慎重しんちょうに進すすめて、多おおくの患者かんじゃに提供ていきょうできるようにしていきたい」と話はなしています。

「技術ぎじゅつの習得しゅうとくと丁寧ていねいな説明せつめいを」

大動脈だいどうみゃく弁べん狭窄きょうさく症しょうは生うまれる赤あかちゃん１いち万まん人にん当あたり２に人にんから４よん人にんほどがなるとされます。

心臓しんぞう病びょうの患者かんじゃやその家族かぞくで作つくる「全国ぜんこく心臓しんぞう病びょうの子こどもを守まもる会かい」の神永かみなが芳子よしこ会長かいちょうは「妊娠にんしん中ちゅうは赤あかちゃんが無事ぶじに生うまれるか不安ふあんが大おおきい時期じきで、治療ちりょうができれば希望きぼうにつながると思おもう。安全あんぜんに行おこなうための技術ぎじゅつを習得しゅうとくするとともに、患者かんじゃへの丁寧ていねいな説明せつめいも徹底てっていして実施じっししてほしい」と話はなしていました。