「徴用ちょうよう」めぐる裁判さいばん 原告げんこく側がわが新日鉄しんにってつ株式かぶしきの売却ばいきゃく 先送さきおくりの方針ほうしん

太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの「徴用ちょうよう」をめぐる韓国かんこくの裁判さいばんでは、去年きょねん10月つきに新日鉄しんにってつ住金すみきんに賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつが確定かくていし、原告げんこく側がわは先月せんげつ、新日鉄しんにってつ住金すみきんの本社ほんしゃを訪問ほうもんして、すでに差し押さしおさえた株式かぶしきを売却ばいきゃくして現金げんきん化かする考かんがえを伝つたえていました。

こうした中なか、原告げんこく側がわは、26日にち、これまでに９きゅう億おく7000万まんウォン余あまり、日本にっぽん円えんにしておよそ9500万まん円えんの株式かぶしきを差し押さしおさえたことを明あきらかにしたうえで、売却ばいきゃくする手続てつづきについては先送さきおくりし、新日鉄しんにってつ住金すみきんに対にたいして賠償ばいしょうに関にかんする協議きょうぎに応おうじるよう改あらためて求もとめると発表はっぴょうしました。

発表はっぴょうでは、原告げんこくが高齢こうれいであるため、依然いぜんとして株式かぶしきの売却ばいきゃく手続てつづきについて検討けんとうせざるをえない状況じょうきょうにあると強調きょうちょうしたうえで、日本にっぽん企業きぎょうだけではなく、日にち韓かん両りょう政府せいふもその点てんを認識にんしきするべきだとして、早期そうきに対応たいおうするよう訴うったえました。

日本にっぽん政府せいふは、原告げんこく側がわが株式かぶしきを売却ばいきゃくすることについて、「極きわめて深刻しんこくだ」と述のべていました。

一方いっぽうで、ことし１月いちがつに賠償ばいしょうを命めいじる２に審しん判決はんけつが言い渡いいわたされた機械きかいメーカー不二越ふじこしの裁判さいばんについて、原告げんこく側がわは、ウルサン（蔚山うるさん）地方ちほう裁判所さいばんしょが、資産しさんを差し押さしおさえる仮かり執行しっこうを認みとめたと発表はっぴょうしました。

対象たいしょうとなる資産しさんは、不二越ふじこしと韓国かんこく企業きぎょうによる合弁ごうべん会社かいしゃの株式かぶしき、７なな億おく6500万まんウォン分ぶん、日本にっぽん円えんにして7400万まん円えんほどだとしています。

日本にっぽん企業きぎょうの資産しさんが差し押さしおさえられるのは、これで３さん件けん目めになりますが、一連いちれんの裁判さいばんで判決はんけつが確定かくていする前まえに仮かり執行しっこうが認みとめられたのはこれが初はじめてで、原告げんこく側がわとしては、企業きぎょうに対にたいして、協議きょうぎに応おうじるよう圧力あつりょくをかけるねらいもあるとみられます。

河野こうの外相がいしょう「韓国かんこく側がわは協議きょうぎ受け入うけいれを」

河野こうの外務がいむ大臣だいじんは記者きしゃ会見かいけんで、「韓国かんこく政府せいふが国際こくさい法ほう違反いはんの状態じょうたいを放置ほうちしているのは極きわめて深刻しんこくな問題もんだいと考かんがえている。日本にっぽんとしては日にち韓かん請求せいきゅう権けん協定きょうていに基もとづいた協議きょうぎの申し入もうしいれをしており、韓国かんこく側がわが誠意せいいを持もってこれを受うけるものと考かんがえている」と述のべました。